7月22日(水) 23:30
国民健康保険は、健康保険・後期高齢者医療保険に加入していない方が加入する公的医療保険です。保険者は都道府県・市区町村であることが一般的であり、加入手続きはお住まいの市区町村の国民健康保険担当課で行います。
国民健康保険の特徴は、以下のとおりです。
・医療費の自己負担は原則3割
・高額療養費制度を利用できる
・出産手当金・傷病手当金が任意給付になる(市区町村ごとに異なる)
・「扶養」の仕組みはない
・保険料は被保険者数・世帯の所得により算出する
・保険料水準は市区町村ごとに異なる
・保険料は全額自己負担
・低所得世帯向けの保険料軽減(7割・5割・2割減額)制度がある
健康保険には任意継続制度があり、この制度を利用することで退職前の健康保険に引き続き加入することができます。この制度を利用するためには、退職日の翌日から20日以内に手続きを行う必要があります。
健康保険任意継続の特徴は、以下のとおりです。
・医療費の自己負担は原則3割
・高額療養費制度を利用できる
・出産手当金・傷病手当金は給付されない
・「扶養」の仕組みはある
・保険料は退職時の標準報酬月額に保険料率を乗じて算出する
・保険料は全額自己負担
・加入期間は最長で2年
家族が健康保険に加入しており、一定の要件(収入要件など)を満たすことで、被扶養者として健康保険に加入することができます。この場合、手続きは扶養者の勤務先を通じて行うことになります。
健康保険(被扶養者)の特徴は、以下のとおりです。
・医療費の自己負担は原則3割
・高額療養費制度を利用できる
・出産手当金・傷病手当金は給付されない
・保険料の負担がない
・被扶養者の認定を受けなければならない
以上を踏まえ、それぞれのメリット・デメリットを挙げると、下表のようになります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 国民健康保険 |
・出産手当金・傷病手当金が任意給付になる
(市区町村ごとに異なる) ・低所得世帯向けの保険料軽減 (7割・5割・2割減額)制度がある |
・「扶養」の仕組みがない
・保険料水準は市区町村ごとに異なる ・保険料は全額自己負担 |
| 健康保険任意継続 | ・「扶養」の仕組みがある |
・出産手当金・傷病手当金は給付されない
・保険料は全額自己負担 ・加入期間は最長で2年 |
| 健康保険(被扶養者) | ・保険料の負担がない |
・出産手当金・傷病手当金は給付されない
・被扶養者の認定を受けなければならない |
「給付」について比較すると、国民健康保険は出産手当金・傷病手当金の給付が任意給付なのに対し、健康保険任意継続・健康保険(被扶養者)は給付がありません。
「扶養」について比較すると、健康保険任意継続は「扶養」の仕組みがあるのに対し、国民健康保険にはこの仕組みがありません。このため、国民健康保険に加入した場合、それまで被扶養者であった方も国民健康保険に加入する必要があります。
「保険料」について比較すると、健康保険(被扶養者)は保険料の負担がないのに対し、国民健康保険・健康保険任意継続は全額自己負担です。
なお、国民健康保険の保険料は被保険者数・世帯の所得により算出される(保険料水準は市区町村ごとに異なる)のに対し、健康保険任意継続の保険料は退職時の標準報酬月額に保険料率を乗じて算出します。
国民健康保険と健康保険任意継続ではどちらの保険料が高いのかは、計算式が異なるため、単純に比較することができません。
とはいえ、国民健康保険の保険料がおよそいくらくらいなのか分かれば、両者を比較することは難しくないでしょう。国民健康保険の具体的な保険料については、お住まいの市区町村の国民健康保険担当課に聞いてみるといいでしょう。
退職後、どの公的医療保険を選択するかは、何に重きを置くかによって判断が分かれるところです。本記事がその判断の一助になれば幸いです。
厚生労働省「国民健康保険制度」
世田谷区「国民健康保険」
協会けんぽ「任意継続」
日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役1級ファイナンシャル・プランニング技能士CFP(R)(日本FP協会認定)宅地建物取引士上級心理カウンセラー
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