7月22日(水) 23:30
遺族年金は、亡くなった人に生計を支えられていた家族を助けるための制度です。国民年金から出る遺族基礎年金と、厚生年金から出る遺族厚生年金があります。
しかし、必ず支給されるわけではありません。亡くなった人が、年金制度上の条件を満たしている必要があります。その一つが保険料納付要件です。
保険料納付要件とは、簡単にいえば「一定期間、きちんと年金保険料を納めていたか」を見る条件です。保険料を納めていない未納期間が長いと、遺族年金の対象外になることがあります。
ここで注意したいのは、免除や猶予を受けていた期間は、未納とは扱いが違う点です。収入が少なくて保険料を払えないときに免除申請をしていれば、その期間は要件の判定で考慮されます。何も手続きせず払っていない未納とは、結果が大きく変わります。
遺族基礎年金や遺族厚生年金では、死亡日の前日において、死亡日の前々月までに、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が、国民年金加入期間の3分の2以上あることが原則です。
たとえば、加入すべき期間が15年あり、そのうち納付済みや免除が8年だけで、残りが未納だった場合、3分の2に届かない可能性があります。この場合、遺族年金が支給されないことがあります。
ただし、救済的なルールもあります。死亡日が令和18年3月末日までで、亡くなった人が65歳未満であり、死亡日の前日において、死亡日の前々月までの直近1年間に未納がなければよいとされています。つまり、過去に未納があっても、直近1年間がきちんとしていれば要件を満たせる場合があります。
とはいえ、直近1年にも未納があると、この特例は使えません。年金は「あとでまとめて払えばよいのでは」と思うかもしれませんが、死亡後に家族がさかのぼって納付して遺族年金の要件を満たす、ということは基本的にできません。前述のとおり、「死亡日の前日において」判定されるためです。
対象外と言われても、すぐにあきらめる必要はありません。まずは年金事務所で、夫の年金記録を詳しく確認しましょう。
会社員だった期間が正しく反映されていない、結婚前の記録が基礎年金番号に統合されていない、免除申請をしたはずの期間が反映されていない、といったケースもあり得ます。特に転職が多かった人、自営業と会社員の期間が混在している人は、記録の確認が重要です。
国民年金だけに加入していた期間が長い場合は、遺族基礎年金の対象になるかを見ます。子のある配偶者や子が対象になるため、子がいない妻は遺族基礎年金を受けられません。
その場合でも、寡婦年金や死亡一時金を受け取れる可能性があります。寡婦年金は一定期間保険料を納めた夫を亡くした妻が60歳から65歳になるまで支給される制度で、死亡一時金は一定の保険料納付期間がある人が年金を受けないまま亡くなったときの一時金です。どちらも条件があるため、年金事務所でまとめて確認しましょう。
夫の年金未納期間が長い場合、遺族年金の対象外になることはあります。遺族年金は家族のための制度ですが、亡くなった人の保険料納付状況が大きく関係します。
ただし、免除期間は未納とは違います。また、直近1年間に未納がなければ要件を満たせる特例もあります。対象外と言われたときは、年金記録に誤りや漏れがないかを必ず確認してください。
遺族年金が難しい場合でも、寡婦年金や死亡一時金など別の制度を使える可能性があります。つらい時期に手続きを進めるのは大変ですが、早めに年金事務所へ相談することで、受け取れる給付を見落としにくくなります。
日本年金機構遺族年金ガイド 令和8年度版
日本年金機構寡婦年金
日本年金機構死亡一時金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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