7月22日(水) 22:40
毎月2万円の生命保険料を親が支払っているからといって、その時点で直ちに贈与税が課税されるわけではありません。
生命保険では、契約者、被保険者、保険料を実際に負担する人、保険金を受け取る人がそれぞれ異なる場合があります。税金は契約名義だけではなく、誰が保険料を負担したのかという実態を重視して判断されます。
国税庁も、契約者の名義を変更しただけでは贈与税は課税されず、保険料を負担していない人が保険金などを受け取った場合に贈与税の対象となる考え方を示しています。つまり、毎月の保険料の支払いだけを理由に贈与税が発生するわけではありません。
そのため、「親が保険料を払っているから税金がかかる」と心配する必要はありませんが、将来の受け取り方まで確認しておくことが大切です。
注意したいのは、保険金や満期保険金、解約返戻金を受け取るタイミングです。
例えば、親が長年保険料を負担し、満期時に息子が保険金を受け取るケースでは、保険料を負担していない人が保険金を受け取ることになるため、贈与税の対象になる可能性があります。
一方で、保険料を負担した人と保険金を受け取る人が同じであれば、贈与税ではなく所得税(一時所得など)の対象となる場合があります。さらに、被保険者が亡くなり、その人自身が保険料を負担していたケースでは、相続税の対象となることもあります。
このように、生命保険は「契約者は誰か」よりも、「実際に保険料を負担した人は誰か」と「誰が保険金を受け取るか」の組み合わせによって、どの税金が課されるかが決まります。
親が子どもの保険料を負担すること自体は珍しくありませんが、長期間続く場合は課税関係を確認しておくことが大切です。
例えば、子ども自身が将来受け取ることを前提とした保険であれば、途中から子ども自身が保険料を支払う方法へ変更することもひとつの選択肢です。また、親から子どもへ毎年資金を贈与し、その資金を子ども自身の口座から保険料として支払う方法も検討できます。
ただし、贈与についても実態が重要です。単に親の口座から保険料を引き落とす状態を続けるのではなく、実際に子どもへ資金を渡したうえで子ども自身が管理し、保険料を支払っていることが分かる形にしておくことが望ましいでしょう。具体的な契約内容によって課税関係は異なるため、不安がある場合は税理士などの専門家へ相談すると安心です。
親が30代の息子の生命保険料を毎月2万円負担していても、その事実だけで贈与税が課税されるわけではありません。
一方で、将来保険金や解約返戻金を受け取る際には、「誰が保険料を負担したのか」「誰が保険金を受け取るのか」によって、贈与税や所得税、相続税のいずれかが課される可能性があります。
現在は問題がないように見えても、将来思わぬ税負担が発生することもあるため、契約内容や保険料の負担者を一度整理しておくことをおすすめします。家族で話し合いながら必要に応じて契約内容を見直しておけば、将来のトラブルや余計な税負担を防ぎやすくなるでしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4417 贈与税の対象になる生命保険金 契約者の名義を変更した場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1750 死亡保険金を受け取ったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
夫が亡くなり「3000万円」の死亡保険金を受け取りました。知人から「税金申告を忘れずに」と言われたのですが、非課税ではないのでしょうか?