塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」第83回ベネチア国際映画祭コンペティション出品

塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」第83回ベネチア国際映画祭コンペティション出品

7月23日(木) 20:00

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塚本晋也監督の最新作「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」が、第83回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されることが発表された。塚本監督は同映画祭の常連として知られ、監督作が選出されるのは今回で8回目、コンペティション部門への正式出品は、「鉄男 THE BULLET MAN」(09)、「野火」(14)、「斬、」(18)に続き4回目となる。

1989年の「鉄男」以来、世界中の映画ファンに衝撃と熱狂を与えてきた塚本監督。本作は、国際的評価を得た戦争三部作「野火」「斬、」「ほかげ」に続き、加害者の視点から戦争の恐ろしい現実と拭いきれない痛みを描いた戦争映画最終章だ。

原作は、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソン氏が、自らの戦争体験と帰還後の葛藤を綴ったノンフィクション。ネルソン氏はその体験をもとに日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けてきた人物でもあり、その証言をもとに塚本監督が「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影を敢行し、“戦争加害者の傷”というテーマに真っ向から取り組んだ、これまでの戦争映画の常識をくつがえす衝撃作となっている。

さらに本作は、アカデミー賞の前哨戦としても知られる、第51回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門への正式出品も決定している。塚本監督は「このとても重要な場で、アレン・ネルソンさんが命を吹き返す機会を与えてくださったことに感謝します。世界がきな臭くなってきた今、ひとりでも多くの人にアレンさんの体験と生き様を見ていただきたいと思います」とコメントを寄せている。

主人公は、貧困や差別から抜け出すために18歳で入隊したアフリカ系アメリカ人のアレン・ネルソン。彼がベトナムという苛烈な戦地で学んだのはただひとつ、いかに多くの人を殺せるか。考えることを奪われ、戦場で何のためらいもなく殺戮を繰り広げた。その対価として得たのは、ごくわずかな賃金とPTSD(戦争後遺症)だけだった。人の気配、腐敗臭、爆竹の音が、今夜も彼にフラッシュバックを起こさせる。23歳で家を追い出され、ホームレスとなったネルソンをこの世につなぎ止めたのは、退役軍人病院でカウンセリングを行っていたダニエルズ医師の存在だった。

映画祭決定にあわせて、本作のキャラクタービジュアル4点も到着した。アレン・ネルソン役にブロードウェイ俳優ロドニー・ヒックス。戦場で負った深い心の傷と向き合いながら、自らの人生を懸命に生きる姿を体現している。そんなアレンに寄り添い、彼の心の再生を支える医師ニール・ダニエルズ役は、アカデミー賞俳優ジェフリー・ラッシュ。長年にわたるカウンセリングを通して、アレンが自らの過去と向き合うきっかけを与える重要な人物を演じる。一方、青年期のアレン役には本作が映画初出演となるマーク・マーフィーが大抜擢。希望を胸に軍へ入隊するものの、ベトナム戦争という過酷な現実の中で心身ともに大きく変わっていく若き日の姿を描き出す。そして、戦争による心の傷に苦しむアレンを献身的に支え続ける妻・リンダを演じるのはタチアナ・アリ。それぞれのキャラクターの苦悩や葛藤を捉えた印象的なデザインとなっている。

「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」は、9月11日よりkino cinéma 新宿ほか全国公開。

【作品情報】
ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?

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©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners
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