7月23日(木) 6:30
年金暮らしの母親が、兄夫婦が住む実家の固定資産税「年10万円」を払い続けている状況に対し、「住んでいる兄が払うべきだ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、法律上の納税義務があるのは、実際に住んでいる兄ではなく実家の所有者である母親になります。
総務省によると、固定資産税の納税義務者は、土地や家屋の所有者として登記簿等に登録されている人と定められています。そのため、実家の名義が母親である以上、役所から納税通知書が届くのは母親であり、支払う義務も母親にあるのです。
「母親の名義のままで、兄が代わりに支払うことはできないか」と考える方もいるでしょう。ここで気になるのが贈与税の問題です。本来、納税義務者である母親が支払うべき税金を兄が肩代わりする行為は、税務上「贈与」とみなされる可能性があります。
しかし、年間10万円程度の固定資産税の肩代わりのみであれば、贈与税はかからないでしょう。贈与税には年間110万円の基礎控除額が設けられています。ただし、これ以外に高額な仕送りなどがある場合は合算して判断されるため注意が必要です。
母親の負担と不公平感を解消するためには、家族間でルールを決めることが大切です。具体的な解決策として、2つの選択肢が挙げられます。
1つ目は、兄から家賃として毎月一定額を母親に支払ってもらう方法です。例えば、毎月1万円(年間12万円)を母親に支払い、母親はそのお金を年10万円の固定資産税の支払いに充てる形です。これであれば贈与税の心配もなく、母親の負担を実質的にゼロにできるでしょう。
2つ目は、実家の名義を母親から兄へ変更することです。名義が兄になれば、翌年度以降は固定資産税の納税義務者も兄になります。ただし、生前贈与で名義変更を行う場合は贈与税などが発生する可能性があります。事前に専門家に相談して税額を確認しておくのが安心です。
固定資産税は、原則として毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人が納税義務者となります。そのため、母親名義の実家に兄夫婦が住んでいても、年10万円の固定資産税を母親が支払うこと自体は、制度上不自然ではありません。
一方で、実際に住んでいない母親が年金から負担し続ける状況に、家族として不公平さを感じる場合もあるでしょう。まずは母親の収入や生活費、兄夫婦が負担している住居費や修繕費などを確認したうえで、今後の費用分担について話し合うことが大切です。
家族全員が納得できる解決策を、お互いの状況を思いやりながら模索していきましょう。
総務省 固定資産税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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