7月23日(木) 0:00
「食品ロスで月に数千円を失っている」といわれても、あまり実感が湧かない方も多いでしょう。実際には、高価な食品を一度に捨てているのではなく、数百円程度の食品を少しずつ捨てることが重なり、まとまった金額になっていきます。
例えば、週末に冷蔵庫を整理したとき、次のような食品が見つかったとします。
・使い切れずに傷んだ野菜や果物約300円分
・期限を過ぎた肉や総菜約500円分
・食べ切れずに残した料理や弁当約250円分
・開封後に使わなくなった食品や調味料約200円分
合計すると、1週間で約1250円です。これが4週間続けば約5000円、年間では約6万円です。
実際の金額は、食材の価格や家族の人数によって異なります。しかし、一つひとつは数百円程度でも、繰り返せば家計にとって無視できない支出です。
食費を節約するというと、安い店や特売品を探すことに目が向きがちです。しかし、購入価格を抑えるだけでなく、買った食品をどれだけ食べ切れたかという視点も欠かせません。
食品ロスは、食べ物を粗末にしているから発生するわけではありません。日々の買い物や生活の中に、食材を使い切れなくなる原因が隠れています。
1.使い切れる量よりも多く買っている
特売品や大容量の商品を見ると、「安いうちに買っておこう」と考えがちです。しかし、使い切れなければ節約にはなりません。価格だけでなく、期限内に使い切れる量かどうかを考えましょう。
2.冷蔵庫の中身を把握できていない
冷蔵庫の奥に入れた食品は、存在を忘れてしまうことも。まだ家にある食品をもう一度買ったり、賞味期限が近い食品に気づかなかったりすると、二重買いや期限切れにつながります。
3.予定の変更に対応できていない
食材を購入した後に、残業や外食、家族の予定変更が入ることもあります。
予定していた日に料理ができなくても、そのまま冷蔵庫に置いておけば、食材は少しずつ傷んでいきます。食品ロスを減らすには、買い物の仕方だけでなく、購入後の管理まで考えることがポイントです。
食品ロス対策のために、まずは次の3つから始めてみましょう。
1.買い物前に冷蔵庫を撮影する
買い物へ行く前に、冷蔵庫や野菜室の中をスマホで撮影しておきます。
店頭で「冷蔵庫に何が残っていたかな」と迷ったときも、写真を見れば確認できます。すでにある食品の二重買いや、必要以上の買い足しを防ぎやすくなります。
2.早めに使う食品の置き場所を決める
賞味期限が近いものや、使いかけの野菜などは、冷蔵庫の中で置き場所を決めておきましょう。透明な容器やカゴにまとめておけば、冷蔵庫の奥に入ったまま忘れてしまうことを防げます。その中にある食品から優先して使いましょう。
3.週に一度、冷蔵庫の食材を使い切る日をつくる
週に一度は、新しい食材を買い足す前に、冷蔵庫や食品庫にあるものを確認して、できる限り使い切ってみましょう。
余った野菜はスープや炒め物に、少量の肉や魚は丼やチャーハンに使うなど、残っている食品から献立を考えます。
ただし、食品ロスを減らすために、傷んだ食品を無理に食べる必要はありません。特に気温や湿度が高い時期は、食品の状態を確認し、安全を優先しましょう。
節約というと、安い商品を選んだり、買う量を減らしたりすることを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、今あるものを無駄なく使い切ることも、家計を守る方法の一つです。
食品ロスを減らせば、食費の無駄だけでなく、廃棄される食品やゴミも減らせます。「これ以上、節約するのは難しい」と感じている方も、まずは冷蔵庫の中を確認し、買った食品を使い切ることから始めてみてはいかがでしょうか。
1回あたりの金額は小さくても、積み重なれば、将来の自分や家族のために残せるお金になります。食品ロス対策を、無理なく貯金につなげる取り組みの一つとして、ぜひ生活に取り入れてみてください。
環境省我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について
執筆者 : 富澤佳代子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®認定者/中小企業診断士
【関連記事】
一人暮らしですが、食費を「月1万円」におさえたいです。材料費を考えると、自炊より「お惣菜」を買う方が安く済みますか?