クリストファー・ノーラン監督作の名演技ベスト13 最新作「オデュッセイア」から3人が選出

「ダークナイト」のヒース・レジャー

クリストファー・ノーラン監督作の名演技ベスト13 最新作「オデュッセイア」から3人が選出

7月22日(水) 13:00

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クリストファー・ノーラン監督の最新作「オデュッセイア」の全米公開を記念し、米バラエティがノーラン監督作における名演技ベスト13を選出した。

バラエティは、「ノーランがフィルムに収めてきた映像は、彼を現代で最も人気があり、重要な監督のひとりに押し上げた」と評し、「オデュッセイア」は「俳優から忘れがたい演技を引き出す力」を見つめ直す機会となると論じている。

アカデミー作品賞を受賞した「オッペンハイマー」では、キリアン・マーフィーとロバート・ダウニー・Jr.に、それぞれ主演男優賞、助演男優賞をもたらした。「ダークナイト」では、ジョーカー役の故ヒース・レジャーさんにオスカー像が贈られた。受賞やノミネートを逃した俳優たちのなかでも、「メメント」のスティーブン・トボロウスキーや、「ダークナイト」のアーロン・エッカートらは、映画ファンを魅了した。

たった一瞬のまなざしで観客の目を奪い、背景で文字通りの大惨事が起きている最中にも、内面の崩壊を感じさせることのできる俳優たちの名演技を、ランキング形式で紹介している。

バラエティが選ぶ、クリストファー・ノーラン監督作の名演技ベスト13は以下の通り。

次点:エミリー・ブラント(「オッペンハイマー」)、レオナルド・ディカプリオ(「インセプション」)、ジョセフ・ゴードン=レビット(「インセプション」)、キャリー=アン・モス(「メメント」)、ロバート・パティンソン(「オデュッセイア」)、ロバート・パティンソン(「TENET テネット」)、ジェレミー・セオバルド(「フォロウィング」)

13位

ジョン・レグイザモ(「オデュッセイア」)

オデュッセウスに忠実な盲目の豚飼いエウマイオス役の演技は美しく、胸を打つ。暴力や不穏なイメージが濃密に織り込まれた複雑な大作のなかで、彼は心を添える絶妙なバランスを生み出している。傷つき、打ちのめされたオデュッセウスがベッドに横たわるなか、相手が本人だと知らずに語りかける声ににじむ悲しみは、この約3時間におよぶ壮大な叙事詩の決定的瞬間のひとつだ。

12位

アル・パチーノ(「インソムニア」)

普段の舞台的な熱量をそぎ落とした、抑制された名演技。アラスカの白夜のなかで殺人犯を追うロサンゼルス市警の刑事ウィル・ドーマー役で、疲労を全身にまとい、罪悪感、不眠、そして道を踏み外した選択に少しずつむしばまれていく男をパチーノは演じた。

11位

ロバート・ダウニー・Jr.(「オッペンハイマー」)

「オッペンハイマー」でダウニーが演じたのは、原爆の父に対する攻撃を推し進める政府高官ルイス・ストローズ。そこには傷ついた自尊心がある。ダウニーは、わかりやすく単純な悪役像を避け、魅力、知性、そして物語が進むにつれてほどけていく怨念によって、ストローズという人物を少しずつ築いていた。「アイアンマン」のスーツをまとい、「チャーリー」の衣装に身を包んできたスターが、不死鳥のように再び高く舞い上がり、それでもなお観客を驚かせられることを示した、見事な第2幕の瞬間でもあった。

10位

クリスチャン・ベール(「バットマン ビギンズ」)

多くのファンにとって、クリスチャン・ベールこそが“自分たちのバットマン”である。ベールは、すでに同世代で最も恐れ知らずの俳優のひとりとして知られていたが、マイケル・キートン、バル・キルマー、ジョージ・クルーニーの後にケープとマスクを引き継ぐのは、決して小さな挑戦ではなかった。ベールはこの役を自分のものにし、ブルース・ウェインに深みを与え、恐怖と正義の象徴として信じられる存在へと変えた。

3部作では「ダークナイト」(2008)を最高傑作とみなす人が多いが、ベールがこのキャラクターとして最も優れた演技を見せたのは「バットマン ビギンズ」(2005)だ。トラウマを抱えた相続人だったブルース・ウェインが、ゴッサムの守護者へと変わっていく過程は、3部作のなかでベールから最も完全な感情引き出している。

9位

マーク・ライランス(「ダンケルク」)

セリフが少なく、視点も断片化された映画のなかで、アカデミー賞俳優マーク・ライランスは、静かな英雄性を途方もなく大きなものとして感じさせる。

彼が演じるミスター・ドーソンは、戦火のダンケルクへ向かう民間人。最も効果的なのは、ライランスが目で伝える繊細さ、勇気、強さであり、思慮深い視線や完璧な間の取り方である。表面の下に隠された個人的な喪失が、束の間の瞬間を通じてだけ明かされる。その部分にこそ、名優として愛される彼の卓越した技術が表れている。

8位

マシュー・マコノヒー(「インターステラー」)

クーパーが、子どもたちから届いた何十年分ものメッセージを見る場面を初めて見たとき、自分がどこにいたか覚えているだろうか。幸運にも映画館で見ていたなら、息ができなくなり、大声で泣き出さないようこらえていたかもしれない。

ノーランの宇宙的野心にしっかりと根を下ろしながら、マコノヒーは観客を銀河、ワームホール、浮遊する本棚へと導いていく。そして、後悔と、父と娘だけが持つ特別な絆をテーマに、忘れがたいものを築き上げている。

7位

クリスチャン・ベール(「プレステージ」)

ノーラン作品で多彩な演技を見せてきたベールにとって、「プレステージ」は最も複雑な課題のひとつだったにちがいない。ヒュー・ジャックマン演じるロバート・アンジャーと破滅的なライバル関係にある奇術師アルフレッド・ボーデンとして、ベールは、一見すると単なる献身に見える執着を表現している。ベールの演技そのものがひとつのイリュージョンであり、彼は全存在が隠蔽の上に成り立つ男を作り上げている。ノーランとのコラボレーションにおけるベールの変身のなかで、最も静かなものかもしれない。

6位

マリオン・コティヤール(「インセプション」)

レオナルド・ディカプリオ演じる夢泥棒につきまとう亡き妻モルとして、コティヤールは主人公の記憶を武器へと変える。彼女は誘惑し、恐怖を与えながら、同時に深い悲しみを差し出す。その悲しみは、心全体を崩壊させかねない喪失として形を取っていく。コティヤールは、ノーランの最も知的な大作を親密なものへと変えた。

5位

マット・デイモン(「オデュッセイア」)

「オデュッセイア」でノーランは、「インターステラー」「オッペンハイマー」で脇を固めたマット・デイモンと再び組み、彼にキャリア最大の神話的挑戦を与えた。そして、その賭けは大きな成果を生んだ。

オデュッセウスとして、デイモンは故郷へ帰ろうとする戦士王の壮大な叙事詩を背負うことになる。この役には身体的な耐久力だけでなく、感情がすり減っていく過程を表現する力も求められる。デイモンはまさにそれを成し遂げている。

4位

キリアン・マーフィー(「オッペンハイマー」)

長年にわたり、マーフィーはノーランにとって秘密兵器のような存在だった。フレームの端にいるだけでも、その強烈な存在感を感じさせる俳優であり続けてきた。

しかし2024年の伝記大作「オッペンハイマー」で、ノーランは彼を中心に据えた。アイルランド出身のマーフィーは、原爆の父J・ロバート・オッペンハイマーとして、この10年を代表する演技のひとつを披露した。複数の場面で、ノーランはマーフィーの顔を近距離でじっと見つめる。そこに映る野心、傲慢さ、好奇心は、科学者の静けさを完全なドラマへと変えていく。

3位

サマンサ・モートン(「オデュッセイア」)

「ギター弾きの恋」(1999)と「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」(2003)で2度アカデミー賞にノミネートされた英国俳優モートンは、「オデュッセイア」で、わずか約10分の出演時間ながら、キャリア最高ともいえる演技を見せている。

物語の中盤に登場するアイアイエー島の魔女キルケとして、彼女は作品をさらっていく。映画の神話的なオーラに宿る力と集中を自在に操る、魅惑的な存在だ。映画ファンや批評家は、ノーランの女性キャラクターの描き方をしばしば批判してきたし、多くの場合それは正当だった。しかし本作でノーランは、モートンがオデュッセウスの兵士たちに魔法をかけ、さらに彼らが戻ってくる場面において、その変化と、ほとんど舞踊のような質感を見事に捉えている。

2位

ガイ・ピアース(「メメント」)

新たな記憶を形成できないレナード・シェルビーとして、ガイ・ピアースは、下手をすれば単なるハイコンセプトな仕掛けに終わりかねなかった人物を、悲しみに満ちた痛切な肖像へと変えた。彼はまた、観客にほとんど不可能な問いを突きつける。自分自身を信じられない男を、私たちはどう信じればいいのか。

ノーランと共同脚本を務めた弟ジョナサンはアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、ドディ・ドーンによる編集も、この10年で最も報われるべきノミネートのひとつとなった。一方でピアースは、その年の主要な賞レースでことごとく見過ごされた。犯罪的なまでの過小評価である。

1位

ヒース・レジャー(「ダークナイト」)

人の形をした混沌であり、同時に天才である。この順位は、一部の人にとっては意外性に欠けるかもしれない。それでも、この順位は妥当である。

無政府主義者であり、ケープをまとった十字軍の宿敵でもあるレジャーのジョーカーは、ノーランの2008年のスーパーヒーロー続編「ダークナイト」で観客を魅了した。悲しいことに、彼の早すぎる死は映画公開前に訪れ、彼は自らの存在感がどれほど大きなものだったのか、そしてどれほど称賛されることになるのかを知ることができなかった。レジャーはアカデミー賞助演男優賞を受賞し、同賞を死後に受けた史上2人目の俳優となった。

その後、多くのコミック原作の映画の悪役がこの種の演技を追い求めてきたが、いまだ誰もそれに並ぶことはできていない。

【作品情報】
オデュッセイア

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