映画「飯島喜美の不屈の青春(仮)」の製作発表会が7月21日に都内ホールで行われ、ヒロイン飯島喜美役に決定した広江流花、その父親役で共演の松元ヒロ、桂壮三郎監督、製作運動実行委員会の小松実代表が登壇した。
映画「飯島喜美の不屈の青春(仮)」は玉川寛治の原案を元に、反戦平和と女性労働者の権利を掲げ、命の限り戦った若い女性の真実の物語を描くもの。「わが青春つきるとも伊藤千代子の生涯」の桂監督、スタッフによる姉妹編とも言える作品だ。
飯島喜美とは、戦前の暗黒時代が生んだ不屈の女性活動家。天皇制権力の残虐な拷問・虐待に屈することなく24歳の若さで権力の手に落ちた。しかし、彼女の社会変革への闘いと希望は現在に引き継がれている。
TBSの「報道特集」では昨年8月16日に、戦後80年企画として「制定から100年言論の自由を奪った治安維持法」(第Ⅰ部「弾圧された若い女性たち」/第Ⅱ部「取り締まりは一般市民にも103歳最後の生き証人」)を放送し、スタジオには飯島喜美の遺品である“闘争と死”と刻まれたコンパクトが飾られ、顕彰碑を撮影した映像も流された。
飯島喜美役に決定した広江は、今年4月に正式に劇団俳優座の劇団員に迎えられたばかりの27歳の新人。2回にわたるオーディションを経てヒロイン役に大抜擢された。彼女自身も社会の貧富と向き合い、平和な社会の実現を願い、芸術や演劇には社会に働きかける力があると考え俳優の道を選んだという。
製作発表会で挨拶に立った広江は「ちょうど治安維持法をテーマにした別のお芝居をしていたこともあり、この役は今、私が演じなければならないと思いました。自分と喜美ちゃん(24歳で獄死)との間には道がつながっているのではないかと感じ、どのように向き合っていくべきか考えたのです。凄いことをした偉人としてではなく、まわりの人たちのことを思って活動した女性だと受け止め、身近に感じられるような人として演じたいと思いました。また、物事に好奇心を持ち、社会問題にも興味を持つ姿勢が私と似ていると思います」と述べた。
「わが青春つきるとも伊藤千代子の生涯」に続いてメガホンをとる桂監督は「広江さんからは、“私が絶対に演じるんだ!”という強い気持ちが伝わってきました。オーディションに昭和10年頃の女工さんが着ていたような着物を着てきたのです。シナリオは事前に渡してありましたが、飯島喜美がモスクワのプロフィンテルン第5回大会で演説(3500字)するシーンもシナリオを見ずによどみなく朗読した取り組み方に驚かされました」と広江に決めた理由を説明した。
桂監督と宮負秀夫によるシナリオは現在14稿まであがっており、広江、松元ほかキャスト、スタッフも揃い始めている。来年5月のクランクイン、9月か10月の完成を目指して製作が始動した。
なお、この映画は、製作意図に共感した拠出者による「上映債権」による支援などによって製作される。映画鑑賞者150人までの上映会の上映債権を10万円で販売。入場者が150人を超える場合は、1人ごとに1000円の入場料として映画会社と精算する。特典として、映画のエンドクレジット及びプログラム等への表記(希望者のみ)、キャスト・スタッフとの懇親会、監督・プロデューサーとのシナリオ検討会/シナリオ贈呈、製作側が主催する完成披露試写会への招待がつく。
【作品情報】
・
わが青春つきるとも伊藤千代子の生涯
【関連記事】
・
新人・井上百合子初主演で権力に抗して声をあげた“伊藤千代子の生涯”を描く
・
沢口靖子「普段は犯人を追いかけている」けど9年ぶり映画主演で教師役
・
沖縄復帰40周年記念映画「ひまわり」が7月クランクイン