本木雅弘主演、「八月の声を運ぶ男」の主要キャラクターの役どころが発表され、あわせて共演する阿部サダヲからコメントが寄せられた。
本作は、長崎に暮らし日本全国を渡り歩いて被爆者の声を集め続けたジャーナリスト・伊藤明彦の実話を基に、原爆によってもたらされた数奇な出会いを描いた物語。昨年8月にNHKにて戦後80年ドラマとして放送されると、第63回ギャラクシー賞テレビ部門大賞に輝くなど、失われていく被爆体験の記憶や言葉を「伝える」とは何かを問いかける静かで力強いヒューマンドラマは大きな話題となった。今回の劇場公開版では、放送では使用されなかったシーンを追加し、登場人物たちの内面がより深く立体的に掘り下げられる。
出演は本木、阿部のほか、石橋静河、伊東蒼、尾野真千子、田中哲司ら。脚本は大河ドラマ「麒麟がくる」の池端俊策。監督は柴田岳志が務める。
本木演じる主人公・辻原は、長崎の放送局を退職し、重い録音機材を背負って全国を渡り歩き被爆者の「声」を録音し続ける元ジャーナリスト。生活はキャバレーのアルバイトで支えながらも、人々の記憶に宿る真実を多くの人へ届けようとするが、証言の「真実性」や社会の無関心に向き合う中で葛藤を深めていく。
そんな辻原と対峙するのは阿部演じる被爆者・九野。長崎で被爆し、重い後遺症と長い闘病生活を背負いながら生きている。吃音や身体障害を抱えながらも、辻原との出会いによって胸の奥に閉まっていた記憶を語り始める。石橋が演じるのは、辻原が夜に働くキャバレーのホステス・立花ミヤ子。活動旅費の工面に苦労する辻原に、お金を貸してあげると声をかける明るくきさくな女性。軽やかな言動の裏に、被爆者であった母の記憶を背負う。
伊東が演じるのは、原爆で家族を失いながらも、弟・和平と生き残った九野の姉。自身も被爆の影響を受けながら、それを隠して弟を励まし、支え続けた彼女の存在は和平の心に深く根付いている。尾野が演じるのは、被爆者支援に関わる福祉関係者・恵木幸江。静かな使命感を持って被爆者に寄り添っており、辻原に九野を紹介する。九野の壮絶な人生に胸を打たれ、その証言を多くの人へ届けるべきだと考えている。
田中が演じるのは、辻原の旧友で、会社を辞め経営コンサルティング会社を立ち上げ成功した実業家・賀川満。過去よりも将来を重視し、被爆者の「声」の収集に人生を懸ける辻原の生き方に懐疑的な姿勢をみせる。
「八月の声を運ぶ男」は、8月21日から全国のTOHOシネマズにて公開(一部劇場を除く)。阿部からのコメントは以下の通り。
■阿部サダヲ
「より多くの人達に届けたい」という事で再編集して劇場公開される。これは珍しい事ですよね?おめでとう御座います!!
この作品の撮影に入る前に、戦争を体験した方々の生の「声」、伊藤明彦さんが録音された一部の「声」を聞かせて頂いて、この「声」を自分が芝居で伝えるのはとても難しいと思ったのを覚えています。
九野和平という男を通して本当に貴重な体験をさせて頂きました。
「八月の声を運ぶ男」の「声」が現代を生きるたくさんの人達に届いたら嬉しいです。
自分もスクリーンで「八月の声を運ぶ男」が観られるのが楽しみです!
〈あらすじ〉
高度経済成長を遂げた1972年の日本では、日本人の誰もが豊かさを追い求めていた。その時代の流れに逆らうかのように、長崎の放送局出身のジャーナリスト・辻原保は被爆者の声を集め出す。しかし、当時はまだ原弾の記憶はあまりにも生々しく、その悲惨な体験を語ろうとする者は少なかった。そんな時、辻原は一人の被爆者・九野和平と運命的な出会いを果たす。九野が語る「声」に感銘を受け、心を激しく揺さぶられる辻原。一方で、その「声」は多くの謎にも満ちていた──。
【作品情報】
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八月の声を運ぶ男
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製作・配給:WOWOW