7月22日(水) 5:00
店舗側が「キャッシュレス決済のみ」として現金の受け入れを拒否することは、日本の法律上、原則として違法ではありません。現金払いを拒否したことに対する罰則なども存在しないのが現状です。
ここで重要となるのが、民法における「契約自由の原則」です。日本の法律では、どのような条件で、どのような方法を用いて取引を行うかは、当事者同士が自由に決めることができるとされています。
そのため、お店側が「当店はキャッシュレス決済のみであり、現金は使えません」という取引条件をあらかじめ明示しており、利用者がそれを承知した上で商品やサービスを注文した場合、その時点で「キャッシュレス決済で支払う」という契約に同意したとみなされます。
したがって、事前に支払い方法が示されている場合は、お店が現金払いに対応しないこと自体に法的な問題はありません。
利用者にとって注意したいのは、「現金はどこのお店でも使える」と思い込んでしまうことです。実際には今回のケースのように、キャッシュレス決済のみを採用している店舗も存在するため、支払い方法を事前に確認していないと、会計時に思わぬトラブルになる可能性があります。
トラブルを避けるためには、入店前や注文前に支払い方法を確認することが大切です。店舗の入り口やレジ付近に「キャッシュレス決済のみ」「現金は利用できません」といった案内が掲示されている場合は、その条件を理解した上で利用するかどうかを判断できます。事前に確認する習慣をつけることで、会計時のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。
一方で、事前の説明や掲示が一切なく、食事を終えて会計の段階になって初めて「現金は使えません」と言われた場合は話が変わってきます。利用者が支払い方法について十分な説明を受けていなかった場合は、当事者間で取引条件について合意が成立していないと判断される可能性があります。
では、店舗側がわざわざ「現金お断り」にする理由にはどのようなものがあるのでしょうか。まず店舗側にとって最大のメリットは、現金管理に関わる手間と時間を削減できる点にあります。
毎日の営業で必要な釣り銭を用意したり、閉店後に時間をかけてレジ締めを行ったりする作業が不要になり、人件費の削減につながる可能性があります。
さらに、レジ内の現金を数え間違える心配や、店舗に保管してある現金が盗難に遭うリスクを減らすことにもつながります。会計自体がスムーズになれば、会計を待つ客の列が短くなり、お店の回転率も向上します。これによって、少ない従業員数でも効率よく店舗を回すことができるようになり、深刻な人手不足への有効な対策となり得ます。
旅行先などで遭遇する「現金お断り」のカフェや店舗は、民法が定める契約自由の原則に基づき、事前にその旨がしっかりと提示・説明されていれば原則として違法ではありません。
完全キャッシュレスの店舗を利用する際は、店舗側が支払い方法を事前に分かりやすく示すとともに、利用者も対応する決済手段を確認しておくことが、会計時のトラブル防止につながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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