【「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」会見レポ】トム・ホランド、スパイダーマンへの情熱や愛情は「スーツを着る機会に恵まれるたびに大きくなる」

「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」(7月31日日米同時公開)

【「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」会見レポ】トム・ホランド、スパイダーマンへの情熱や愛情は「スーツを着る機会に恵まれるたびに大きくなる」

7月21日(火) 18:00

提供:
「スパイダーマン」シリーズの最新作「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」(7月31日日米同時公開)のオンライン記者会見が7月17日(日本時間)に行われた。会見には、監督のデスティン・ダニエル・クレットン、製作のケビン・ファイギ、エイミー・パスカルに加え、主演のトム・ホランド、ゼンデイヤ、セイディー・シンク、ジェイコブ・バタロン、ジョン・バーンサルが出席。司会は、ジョシュ・ホロウィッツが務めた。本記事では、その会見の内容を詳細にお伝えする。

【「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」概要】

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する、トム・ホランド主演の「スパイダーマン」シリーズ第4作。前作「スパイダーマンノー・ウェイ・ホーム」の4年後を舞台に、人々の記憶から消えたピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな戦いを描く。

●“船長”デスティン・ダニエル・クレットンの功績「ブランド・ニュー・デイ」に込めた思いとは

会見は“完成した作品”の感想に関するトークからスタート。ホランドは「デスティンが見事にやってのけた、というのはみんな同意見だと思います」と話すと、それぞれが“同意”した。

ホランド「僕たちはデスティンを“船長”として迎えられて本当に幸運だったと思う。彼がこのプロジェクトに参加したとき、映画は100通りの方向に進もうとしていたんだ。でも僕たちに必要だったのは、誰かが来て、ひとつのアイデアに向かって全員を集中させてくれることだった。そしてデスティンのすごいところは、ひとつのテーマ――“ひとりぼっちの若者の人生はどんなものか”――に集中しながら、それを映画全体の核として描けることなんだ。これは世界中の人が向き合う問題でもある。しかも、そのテーマを描くためにアクションを犠牲にすることも、映画のスケールを小さくすることもない。だから、もしデスティンがいなかったら、この映画は今の半分の力も出せていなかったと思う。

話題は映画のタイトルについて及んだ。「ブランド・ニュー・デイ」=“Brand New Day(新しい一日)”というタイトルについて、クレットン監督はこう語る。

クレットン監督「『ブランド・ニュー・デイ』“Brand New Day(新しい一日)”という言葉は、映画の冒頭ではピーターがまだ学びきれていないものだと思います。それは、彼が心の奥底でずっと望んでいる感情を表している。そして映画の旅路の中で、ピーターだけでなく、他の多くのキャラクターたちも“新しい一日”――つまり新しいスタートを感じ取る瞬間に出会うことになります」

ホロウィッツ「言うまでもなく、この映画は“スパイダーマン”シリーズの数ある頂点のひとつの後に作られました。 『ノー・ウェイ・ホーム』なんて、まさに奇跡の中の奇跡だった。 みんな同意してくれると思う。 あの難易度の高さ、そしてあなたたちが――」

ホランド「(エイミーたちを指さして)彼らに言ってあげないと」

ホロウィッツ「これはケビンとエイミーにもぜひ聞きたいんですが―― あの世界的な大成功の後に続く作品として、どんな“挑戦”と“チャンス”があったのでしょう? 何を目指し、どうやってこのデスティンを“船長”として迎えることになったのか、教えてください」

パスカル「ええ、あの映画(『ノー・ウェイ・ホーム』)の終わりで、私たちは自分たちをとても難しい状況に置いたんです。 それまでの作品は、周囲の人々が“スパイダーマンの正体を知ってしまう”ことで、ピーターの人生が通常のスパイダーマンとは違うものになっていく、という物語でした。だから私たちは、あえてもっと難しい状況にピーターを戻すことにしたんです。誰も彼が誰なのか知らない状態へ。それこそが、常にスパイダーマンが抱えるジレンマだから。そして、3人のスパイダーマンが登場する映画を作った後だと、もっと巨大な映画を作りたくなる傾向があるでしょう?」

ホロウィッツ「そうですね」

パスカル「そして私たちが決めたのは――特に、この監督(デスティン)がいたからこそ――もっと“小さな”映画を作ることでした。 誰かの“個人的な人生”についての物語。 ピーター自身の物語であり、すべてが彼から生まれる映画にすることだったんです。スパイダーマン映画ではいつもそれを心がけているけれど、今回は本当にそれが成功したと思う。それに、デスティンはケビンが紹介してくれた“贈り物”のような存在でした。私たちは彼を追いかけて、追いかけて、追いかけて、お願いして、お願いして、お願いして……そしてついに彼がこう言ったんです。『ええ、いいですよ』と」

一同(爆笑)

そこからホロウィッツは、ファイギにもクレットン監督の起用理由を尋ねた。

ファイギ「彼は『シャン・チー』で本当に素晴らしい仕事をしてくれましたし、あの作品は私たちにとっても最高の経験だったんです。そういう人材に出会ったら――ここにいる多くの人たちもそうですが――私たちは手放したくない。一緒に仕事を続けたいし、これからも関わってほしいと思うんです。そしてデスティンとはまさにそういう関係を築いていました。彼は私たちのために『ワンダーマン』という素晴らしいドラマシリーズも手がけてくれましたが、あれも素晴らしいショーなんです」

パスカル「最高のドラマよね」

ホランド「最高のドラマです」

ファイギ「そして彼は、私たちのために他にもいくつかの映画を進めていました。このプロジェクトが動き出した時に『もしかしたらこれが最適かもしれない』と気づいたんです。そこで私はトムとエイミーに、彼(デスティン)と会ってみることを提案しました。そしてそのミーティングは――本当に、本当に、本当にうまくいったんです」

●ピーター・パーカーが直面している事態は「若い人たちが毎日直面している現実そのもの」

話題は、本作でのキャラクターたちの立ち位置について。ホロウィッツがホランドに対して「今作の始まりでピーターとスパイダーマンが全く違う状況に置かれているのを演じるのは興味深かったのではないですか?スパイダーマンとしては絶好調なのに、ピーターとしてはそうではない。物語の始まりで、彼らがどういう状態にあるのか話していただけますか?」と質問した。

ホランド「今作の始まりでは、ピーター・パーカーの人生において最も暗い章の始まりに直面することになります。僕がこの映画で最も気に入っているのは、コミュニティを持たず、友人もおらず、孤独に生きることの危うさを描いた“警告の物語”になっているところなんです。そしてピーターが前作でアンドリューのスパイダーマンから学んだ教訓のひとつは、“時には、助けを求めることこそが一番勇気のいる行動だ”ということなんです。でも今のピーターは、そのアドバイスを意図的に無視していて、それが彼の“人間としての人生”に深刻な影響を与えている。一方で、スパイダーマンとしての彼は絶好調なんです。この映画の冒頭では、ニューヨークにとっての“スパイダーマンの本来の姿”が最も正直に描かれていると思います。そして、その2つの世界がぶつかり合うことが、僕たちにとって演じる上で本当に楽しい部分なんです。世界の舞台で輝き、驚くような活躍をしている一方で、家に帰れば薄汚れたニューヨークのアパートで頭痛を抱えながら眠りにつく。特に、彼らの様子をインスタグラムで見ているシーンなんて、そのギャップがすごく効いているんですよ」

ファイギ「そうだね」

ホランド「これは、若い人たちが毎日直面している現実そのものなんです。だから僕は、この新しいテーマに深く入り込むことができました。とても身近で、今の世界で起きていることと強く結びついていると感じたから。そして、このスケールの映画でありながら、若い人たちの心に確実に響く物語を語れることが、本当に嬉しいんです」

ホロウィッツ「とても興味深いですよね。これまでの3作品で“ピーター・MJ・ネッド”の3人の関係は物語の核でした。そして今回、あなたたちは自分たちを“かなり面白い袋小路”に追い込んだわけです。というのも、ゼンデイヤとジェイコブにとっては、この映画の冒頭ではあなたたちはピーターのことを“知らない”。だから、ピーターとの関係を“最初から作り直す”ような感覚があったのか気になります。いわば“原点回帰”というか、“デジャヴ”のような体験だったのか、それともまったく違うものだったのか?」

バタロン「ええ、ピーターにとっては不運なことに、ネッドとMJは本当に素晴らしく充実した人生を送っているんです(笑)」

一同(爆笑)

ゼンデイヤ「いいことよね」

ホロウィッツ「不満はナシ、順調ってことですね」

バタロン「そうですね。でも同時に、2人には“何かが欠けている気がする”という、うっすらとした感覚もあるんです。 ネッドにとっては、“スパイダー・トラッカー”が、ピーターとスパイダーマン、そして自分たちのあいだにある“失われたつながり”を見つける手がかりみたいな存在なんですよ。『なんで彼はいつも僕たちの命を救おうとするんだろう?』とか。『ストーキングされてるのか? それとも単に彼の気まぐれなのか?』みたいな、ネッドらしい疑問ですね。でも、MJにとってはまったく違う――」

ゼンデイヤ「なんというか、すごく楽しかったです。私たちはよく“これは楽しい演技のエクササイズみたいだね”って話していました。つまり、“はい、このシーンをやって。でも今度は、まるで初対面みたいに演じてみて”っていう感じなんです。それに、ピーターがいない状態で彼らの人生がどうなっていたのかを探っていくのも面白かった。だって、私たちにとってはピーターは“存在しなかった”わけですから。でも明らかに、ピーターは私たちの人生に影響を与えていた。そもそも、私たちが友達であり続けて、ニューヨークで一緒に暮らしているという事実自体が、彼らにとって何か意味を持っているはずなんですよね。それに、これまでの作品では、MJはいつも“悲観的”で、ピーターは“楽観的”だったんですよね。だから今回、その関係性が“逆転”しているのがとても興味深いんです。ピーターがひとりになったことで、彼はどんどんネガティブさを抱え込むようになってしまって、MJは彼のことを知らないまま、いつの間にかピーターの“前向きさ”を受け継いでいる」

ホロウィッツ「なるほど」

ゼンデイヤ「だから、明らかに“まだ何かが残っている”んですよね。 私たちはいつも彼らを応援しているし、願っているんです。だってピーターは、誰もが愛してしまうキャラクターで、 “正しい選択をしてほしい”と心から思わせる存在だから。あなたが言ったように、前作でピーターは“他のスパイダーマンたち”から警告を受けていましたよね。“こういうことが起こり得る”って。そして今回の映画は、まさにそのアイデアと向き合っていて、彼らが警告した“現実”に真正面からぶつかっているんです。だから私は彼を応援しているんですけど――」

ホランド「いつだってね」

ホロウィッツ「私たち全員が」

ゼンデイヤ「あまり雲行きは良くなさそう(笑)」

ホロウィッツ「 ネタバレ無しですが……うわ、これは“おっと”という展開ですね」

●TV-MA指定ドラマとの融合――パニッシャーの参戦について

ホロウィッツは、シリーズに新たに参加したフランク・キャッスル=パニッシャー役のジョン・バーンサルに話題を振った。

ホロウィッツ「これは本当に“長年待ち続けてきた”組み合わせなんです。だって、パニッシャーはもともとスパイダーマンのコミックで初登場したキャラクターですし、この2人の共演は、ずっとずっと見たいと思われてきたものなんですよ。そして、あなたたちにとってはさらに特別な意味がありますよね。というのも、ジョン、あなたとトムはマーベルでキャリアをスタートした頃からずっと強い縁でつながっているんだから。今回ついに、こういう形で“旧友のトム”と絡むことになったわけですが、その体験がどんなものだったのか、少し聞かせてください」

バーンサル「いやもう、本当にありがたいし、すごくすごく美しい体験でした。前にも言ったことがあるんですが、この仕事の“最高の部分”は間違いなく、その道のりで出会える人たちなんです。そして、トムは僕にとって“最高の仲間”なんですよ。17歳の頃の彼を知ったことが、本当にありがたくて、すごく美しい経験だったんです。“これをやり遂げるんだ”という使命感に満ちていて、あれほどの集中力、献身、そして“自分を信じる力”を持った若者を見たことがありませんでした。そして彼は本当にそれを掴み取った。その後は遠くから彼を応援しながら、彼の人生がどう展開していくのか、この信じられないほど大きなフランチャイズが生まれ、多くの人が彼を愛するようになっていくのを見てきました。そして彼が素晴らしい大人になって、今回また同じセットに戻ってきて、すべてが完全に実現したのを目にしたんだ。アイルランドの小さな部屋で一緒にオーディションテープを必死に作っていたあの頃が嘘のようです」

クレットン監督「あのイケてる髪型でね」

ホランド「そうそう(笑)」

ゼンデイヤ「イケてた?」

ホランド「あの髪型でよく仕事がもらえたなというレベルの奇跡だよ」

ホロウィッツ「それほどあなたに才能があったし、今もあるということですよ」

ホランド「正直、自分ではカッコいいと思ってたんだけどね」

バーンサル「おいおい、俺はカッコいいと思ってたぞ」

ホロウィッツは、ファンの間で出ていた「これはどうやって成立するのか?」という疑問を取り上げた。

ホロウィッツ「パニッシャーって、明らかに“大人向け”のキャラクターじゃないですか。あなた自身、疑問はありました?僕が見た限りでは、確かにうまく機能しているんだけど、“フランク・キャッスルがどうやってこの世界に馴染むのか”って、やっぱり気になるところで」

バーンサル「もちろんです。僕はフランクのことをものすごく大切に思っていますし、パニッシャーのファンや、彼が象徴するものに対しても強い責任感があります。だから、“どうやって成立させるのか?”という疑問は、僕自身にも本当にありました。でも、それを見事に形にしたのが、デスティンやエイミー、ケビン、トム、そしてこのチーム全員なんです。彼らも同じ懸念を抱えていたし、それを真剣に考えてくれていた。僕はよく思うんですが、芸術って、問題の核心に向き合ったときにこそ良いものが生まれるんですよ。避けたり、逃げたりせずに、“観客も同じ疑問を持つはずだ”と尊重して向き合えば、本当に素晴らしいものができるんです。そして本当にありがたいのは、このテーマを“ちゃんと掘り下げること”が、僕と同じくらい彼らにとっても重要だったということなんです。僕たちが目指したのは、“パニッシャーがTV-MA(大人向けで17歳未満の視聴には不適切)指定のドラマの世界からそのまま歩き出して、このセットに立てる”。そして“逆にこの作品の世界からTV-MAの世界へ戻っていける”――そんな“説得力”を持たせることでした。その感覚を観客にもちゃんと届けられると思います。同時に、この映画が持つ“驚くべきトーン”や、デスティンが作り上げた世界観への敬意も、しっかりと守っています」

●スパイダーマンとハルクの“対峙”

本作の注目ポイントの一つが、予告編でも映し出されていたスパイダーマンとハルクの“対峙”だ。この組み合わせの実現について、クレットン監督が語った。

クレットン監督「トム・ホランドとマーク(・ラファロ)を同じシーンに入れたら、それだけで“爆発的”なんですよ。素晴らしいし、時には驚くほど“親密”な空気にもなる。2人ともトップレベルの俳優ですからね。そして、僕が完全には理解していなかったのは、“ハルクを撮る”ということは、つまり“マークとトムが同じシーンで演じているのを撮る”ということなんです。だから監督としては本当にやりやすかった。2人は即興で演じることもできるし、一緒にいる瞬間すべてに“命”を吹き込んでくれるんです。まあ、トムたちがやったのは、“マークがあのとんでもないスーツを着ていない”って想像することだけでした。でも助かったのは、トムもタイツ姿だったってことですね。つまり、ただの“タイツを着た男2人”だったんです」

ホロウィッツ「なるほど。だからマークは今日来なかったんですね。まだその経験がトラウマになっていると(笑)」

ホランド「本当に奇妙な体験なんですよ。というのも、一歩そのバブルの外に出て、もしセットに鏡があって自分が何をしているかが見えてしまったら……本当に完全に世界観に没頭することが求められるんです。覚えているのは、僕がアップルボックスの上に立っていて、マークがこの巨大なハルクの手の小道具を持っていて、僕がそれで首を絞められているフリをしているんです。そして彼はハルクの声を出していて、それがめちゃくちゃ上手いんですよ。本当に『このプロセスを信じるしかない』と思う瞬間がありました」

一同(爆笑)

ホロウィッツ「プロセスを信じる。君の目の前の看板にそれを掲げておきたいですね。『プロセスを信じろ』と」

ホランド「そうそう。『これは素晴らしい、本当にカッコよくなるぞ』と自分に言い聞かせるんだけど、心の中では『あ、やばい… 』って思ってたりしてね(笑)」

●セイディー・シンクの役どころは門外不出!ただし他キャラクターと「共通するテーマを持たせている」

シンクの役名は、当日のプレス資料にも記載されておらず、ホロウィッツはその事実を「奇妙ですね」を指摘する。

シンク「ええ、不思議ですよね?」

バタロン「もっと奇妙なこと(ストレンジャー・シングス)だって起きてるしね」

一同(歓声や拍手)

ホロウィッツ「今日の記者会見で一番受けたね」

バタロン「一年中このネタを温めてたんだ」

一同(爆笑)

ホロウィッツ「つまりね、ほら、あなたのキャラクターについては明らかにすごく厳重な秘密主義があったわけだけど、この世界に飛び込むにあたってどんな感じだったのか少し教えてほしい。セットに入る前にどれくらい把握していたの?脚本やキャラクターの全体像って、事前に全部渡されていたの?それとも…?」

シンク「しばらくのあいだ脚本は持っていなかったんですけど、デスティンとはキャラクターについて何度も話していたので、物語がどんな方向に進むのかはだいたい分かっていました。かなり大きな秘密を抱えていなきゃいけなかったんですが、私はスパイダーマンの大ファンで、特にトム版のスパイダーマンが大好きなので、この作品に参加できるのは本当に不思議で夢みたいな気分です。」

ホロウィッツ「キャラクターの“難しさ”について、一般的なところだけでも何か話せますか?」

シンク「いいえ」

ホロウィッツ「なんということだ!(笑)」

シンク「ダメです」

一同(爆笑)

シンク「どうしましょう?ええと……」

ゼンデイヤ「彼女は上手くかわしたわね」

クレットン監督「挑戦なんて何もなかったよ」

ホロウィッツ「挑戦はなし。簡単だったと。彼女は基本的には自分自身を演じているということですか?それが秘密?」

女性キャスト「そうね」

ホロウィッツ「セイディー・シンク役のセイディー・シンク」

バタロン「彼女はただのカメオ出演だよ(笑)」

ホロウィッツ「彼女を困らせるのはやめましょう。他にどなたか話せる人は?」

パスカル「私が話すわ。きっと驚くと思いますよ。彼女のキャラクターについて本当に言えることは、映画の中の他のキャラクター全員にも当てはまることなんです。みんな同じものを抱えている。孤独感だったり、自分は“違う”という感覚だったり、疎外されている気持ちだったり、今の自分の人生をどこかで否定してしまっているような感覚だったり――そういうものを、それぞれが抱えているんです。彼女が素晴らしい女優なのは誰もが知っていることですが、デスティンがこの映画を作るうえで、フランク、彼女、MJ、ネッド、そして(ブルース・)バナーに至るまで、全員に共通するテーマを持たせているんです。みんな同じことを抱えている。同じ問題を抱えている。それがあったからこそ、彼女がこの役に入るのは難しくなかったんだと思います」

●マーベルの“根っからのファン”ファイギが新作への思いを明かす

ホロウィッツは、ファイギについて「あなたはマーベルを率いる立場でありながら、何よりまず“心は根っからのファン”」と話しかけつつ「この映画を観て、そして今日話してきたような組み合わせが実際に実現しているのを見て、あなた自身が“これが一番うれしい、ついに叶った!”と感じた瞬間って、何か特にありますか?」と質問した。

ファイギ「この映画には本当に“楽しい”要素がたくさんあって、あなたがさっき挙げてくれたものもその一部です。というのも、僕たちは最初の3作のMCU版スパイディで、“彼が共有されたユニバースの中にいる”という点に重点を置いてきました。というのも、それ以前の5本のスパイダーマン映画では、その部分を掘り下げることができなかったからです。そして今回『ブランド・ニュー・デイ』“Brand New Day(まったく新しい日)”になった理由のひとつは、みんなが知っているように、この作品が“ニューヨークのピーター”にしっかり焦点を当てていることなんです。初期の映画では、ニューヨークのビルの谷間をスイングするシーンをあえて避けていたんですよ。というのも、それは過去に何度もやられてきたからです。今となっては、ニューヨークをスイングする姿を描くのは10年ぶりなので、また新鮮でワクワクするんです。それに、最近のゲームではアクションのレベルがものすごく上がっていて、デスティンはそれをしっかり再現し、さらに超えてきました。だから本当に興奮しています。それから、今日ここにはいないけれど、素晴らしいマーク・ラファロの話もしたいですね。スパイディとハルクが一緒にいるのを見るのは、僕にとっても“オタク的に最高の瞬間”なんです。そんなことが実現するなんて、昔は夢にも思わなかった。そして最後に、セイディーについてもう一度だけ話させてほしい。彼女自身は何も言えないから」

一同(爆笑)

ファイギ「ハードルは高いんです。ここにいる3人の俳優(トム、ゼンデイヤ、ジェイコブ)がものすごく高い基準を作ってくれていて、マーベルでは常に“最高のキャストを揃える”ことを心がけています。だから新しい人を迎えるときも、その基準はとても高くなければいけない。そして、これを以前話したかどうか覚えていないんですが、僕たちは“どんなキャラクターを登場させるか”“どんなタイプのキャラクターやヴィランの目的を描くか”を議論していたんです。ある程度ストーリーのアイデアがあって、“誰がその役にふさわしいか”をいろいろ考えていました。そして今回みんながもうすぐ目にすることになるキャラクターがそのキャラクターになった理由は、セイディーのおかげなんです。共同プロデューサーのエミリー・フォンが『セイディー・シンクならこのキャラクターを演じられる』と言ったからなんです。デスティンは以前彼女と仕事をしたことがありました。その瞬間に、僕たちは『ああ、そうだ。彼女にするべきだし、このキャラクターにするべきだ』となったのです。だからオーディションのプロセスなどは一切ありませんでした。電話を数回かけて……」

ホランド「それは羨ましいね。本当に羨ましい(笑)」

一同(爆笑)

ホロウィッツ「ここでトムのオーディションテープのカットに戻りましょう」

ホランド「僕は確か7回オーディションを受けましたよ」

バーンサル「ああ、そうだったな」

ホランド「ええ」

シンク「そうなんですね」

ホランド「そうなんだよ」

ホロウィッツ「だから君たちが別々の列に座ってるんだね。目を合わせちゃダメ。ここにはいろいろ“因縁”があるからね」

ホランド、ゼンデイヤ、バタロンが初めてスパイダーマンのセットに立ってから、ほぼ10年。ホロウィッツは「ジェイコブ、どう?今の自分が知っていることを踏まえて、10年前に初めてセットに足を踏み入れた“10年前のジェイコブ”に何か言えるとしたら、何を伝える?」と投げかけた。

バタロン「正直に言うと、まず最初に言いたいのは、当時の僕は本当に“何も知らない新人”だったってことですね。映画のセットでどう振る舞えばいいのか全然分かっていなくて。トムには毎日のように“ちょっと横にずれて、カメラをふさいでるよ”って注意されてましたし。デスティンのことは大好きですけど、彼もきっと僕がいつも立ち位置を外していたのを分かっていたと思います。でも10年前の自分に言うとしたら、まず“しっかり覚悟しておけ”ですね。そして、そこで出会う友人たちや築いていく関係、道中で出会う人たち――そういう全部が本当に素晴らしくて、信じられないくらい特別な旅になるって伝えたいです。10年経って、今もこの世界の一員でいられることが本当に美しいことだと思います。それに、セイディーが“自分の好きなスパイダーマン映画”だって言ってくれたときは、ちょっと年を感じましたね。まだ10年しか経ってないのに」

一同(爆笑)

バタロン「本当に、ただただ美しい時間なんです。もう、なんというか……すごく不思議で。僕たちと一緒に成長してきたファンの人たちに会うと、そのことがまたすごく美しく感じられるんですよ。本当に最高の時間です」

●世界各国の記者からの質問に回答!

ここからはオンライン会見に集った世界中の記者からの質問に答えることになった。

▼質問「スパイディとニューヨークは切っても切れない関係です。あなたがニューヨークという街そのものについて一番好きなところは何ですか?ニューヨークと聞いて真っ先に思い浮かぶものは?”」

ホランド「僕が一番好きなのは“人”ですね。ニューヨークって、ただ座って人間観察するだけでも世界最高の街なんですよ。そしてスパイダーマンがその“人々”の一部であり、そのコミュニティの一員であるということが、本当に素晴らしいんです。僕たちにはチャーリー・ウッドという素晴らしいプロダクションデザイナーがいて、彼は僕がこれまで見た中でも最高レベルの仕事をしてくれました。ロンドンのパインウッド・スタジオに4ブロック分のニューヨークの街並みを丸ごと建てたんですが、そのセットに足を踏み入れると、本当に自分がどこにいるのか忘れてしまうほどで。おかげでデスティンは、まるで実際にニューヨークにいるかのような自由度で街を生き生きと描くことができたんです。 チャーリーには本当に多くを助けてもらいました。彼の仕事は見事でした。あの通りで撮影して、実際に車が走っていて、背景も素晴らしくて、美しいセットがあって――その全部が、ニューヨークだけが持っている想像力、文化、質感を僕たちに与えてくれたんです。そしてそれが映画の中で本当に生き生きと響いています。ニューヨークは、この映画において、今日ここに座っている僕たちと同じくらい大きな“キャラクター”なんです」

クレットン監督「僕たちが最初にやったことは、チャーリー・ウッドを含む全部門のトップたちを連れてニューヨークに来ることでした。これはキャストのみんなが来るずっと前の話です。僕たちは一緒に街を歩き、写真を撮りまくりました。チャーリーと会うのもその時が初めてでした。そうやって街を歩いていると、それぞれのアーティストがニューヨークのどんな部分に目を留めるのかが見えてくるんです。ブレット(撮影監督)も一緒にいて、彼がどんなものを撮るのか、何に興味を示すのかを観察していました。僕がチャーリー・ウッドという人を完全に理解した瞬間は、彼を見失って『チャーリーはどこだ?』となった時でした。見ると、彼は通りを渡った場所にいて、壁のレンガの質感をただ手で撫でていたんです。本当にその壁を熱心に分析していました。それから戻ってきて、なぜ自分がこれほどレンガを愛しているのかを僕に説明してくれたんです。この映画でそれを見ることができますよ。レンガが本当に素晴らしいんだ」

一同(爆笑)

ホロウィッツ「僕も気づきましたよ。映画で見たレンガの質感は、これまで観たどの作品よりも最高でした」

ホランド「本当に素晴らしい瞬間があったんです。僕の弟のパディが、この映画の美術部で働いていたんですが、バックロットで撮影を始める前に、僕たちはよくそこでリハーサルをしていました。すると弟が美術チームと一緒に働いていて、現場で学びながら成長していく姿が見えるんです。彼はチュウインガムを口に放り込んで、クチャクチャと噛み、地面に吐き捨てて、それを踏んづけて、また少し進んでガムを噛む……というのをやっていました。それからメスを持って、道路の白線を削ったりもしていました。そういう“本物らしさ”へのこだわりが本当に素晴らしかったんです」

▼質問「(クレットン監督へ)スーパーヒーロー映画以外で、本作のビジュアルやトーンに影響を与えた作品はありますか?」

クレットン監督「もちろんです。僕たちはニューヨークで撮影された映画をたくさん参考にして、“本物のニューヨークらしさ”をどう表現するかを探っていました。最初に街を歩いたときに感じたのは、もしあの“ニューヨークの街を歩くときの感覚”を映画の中で再現できれば、スパイダーマンやピーター・パーカーの“心”を捉えることができるはずだということでした。参考にした作品のひとつが、去年カンヌでプレミア上映された『ラッキー・ルー』という小さなインディー映画で、ニューヨークで撮影されたものです。監督は僕の友人なんですが、彼らはかなり“ゲリラ的”に撮影していて、とてもリアルで泥臭いニューヨークが映し出されていました。僕とチャーリーとブレットは、その映画を何度も参照していました」

▼質問「(パスカルへ)あなたは複数世代にわたりスパイダーマンを導いてきました。この映画の中で、観客がなぜこれほど深くピーター・パーカーとこんなにも深くつながり続けるのかを改めて思い出させてくれる、特定の瞬間はありますか?」

パスカル「良い質問ね。ええ、あるわ。スパイディは常に『アイデンティティ』についての物語でしょう? 自分が誰でありたいか、そして誰であるべきか。この瞬間はとても奇妙に聞こえるかもしれないけれど……彼がアパートの洗濯機の横の床に座っているシーンがあるの。変に聞こえるかもしれないけれど、彼が“街の鍵”を見つめているあの瞬間なんです。本来なら自分を誇らしく感じさせてくれるはずのものを手にしているのに、彼は小さなアパートの小さな洗濯機のそばに座っていて、その中ではスーツがぐるぐる回っている。その光景を見たとき、“ああ、これこそがスパイダーマンの本質だ”と思ったんです」

▼質問「(シンクへ)この映画の撮影中に学んだことで、驚いたことは何ですか?」

シンク「たくさんのことに驚かされました。こういう大規模な映画の新しい環境に入るのは、正直かなり圧倒されるんです。だから一番驚いたのは、現場がとても温かくて、リラックスした雰囲気だったことです。それはここにいるみんなのおかげだと思います。本当に嬉しい驚きでした」

▼質問「スパイダーマンは“人の中にある善を見ようとする”ことで知られていますよね。一方でパニッシャーは、言うまでもなく、まったく違うやり方で犯罪と戦うキャラクターです。その違いが、二人の共演シーンをどう面白くしたのでしょうか?この対比が二人の関係性をどう際立たせているのか、少し話してもらえますか?」

ホランド「この“違い”が、僕たちが一緒に出るすべてのシーンに完璧な対立構造を与えてくれたと思います。そしてその対立がどう解消されていくかが、ものすごく満たされるし、すごく気持ちいいし、同時にちょっと怖くもあるんです。僕にとってジョンと一緒に演じる時間で特に好きなのは、デスティンが本当に“協力的な監督”だということなんです。 彼はカメラの前で僕たちが何をしているかを見るだけじゃなく、カメラの外でどう振る舞っているかまで見ている。ジョンと僕がセットに来るとき、僕たちが本当に仲の良い友達だってことは誰の目にも明らかで―― その“裏側の関係性”が画面の上の関係性にも自然と反映されていきました。 それに、ジョンと即興で演じるのはいつも最高なんです。ジョンとジェイコブは、この業界でもトップクラスの即興の名手だと思います。現場では笑いが絶えなくて、僕はずっとマスクをかぶっているから、シーン中にこっそり吹き出してもバレないんですよ。 そしてジョンが言ったように、R指定と言っていいほどハードなキャラクターを、僕たちの世界にどう自然に溶け込ませるかは本当に大きな挑戦でした。そしてデスティンは、その“トーンの違い”を本当に見事に扱ってくれたと思います。というのも、フランクやパニッシャーというキャラクターの本質を一切損なわずに描くことができているんです。それは今日ここにいる全員にとって、とても重要なことでした。 だからこそ、スパイダーマンとフランクの関係を観客がどう受け取るのか、僕は本当に楽しみなんです」

●トム・ホランド「僕たちはファンの情熱を代表してステージに立つ“幸運な子ども”」

充実の会見にも“終わりの瞬間”が訪れた。ホロウィッツは「トム、最後に聞かせてください。10年前と比べて、今このキャラクターが持つ意味はどう変わりましたか? またファンとの繋がりについても。あなたは毎日ファンと接していますが、このキャラクターは文字通り何百万、何千万もの人々にとって本当に特別な意味を持っています。7月31日のチケットを手に入れているファンに向けて、彼らに何を伝えたいですか?」と話しかけた。

ホランド「本当のところを言うと、僕がこの映画への情熱や愛情を抱く気持ちは、スーツを着る機会に恵まれるたびにどんどん大きくなっているんです。僕たち三人は、まだ若かった頃に同じ日に人生が一変して、その経験を一緒に乗り越えてきた仲間で、そのことにこれ以上なく感謝しています。そして新しいキャストのみんなと同じ画面を共有できることも、本当に幸運なことだと思っています。それからファンのみなさん――ここにいる全員が同意すると思いますが、ファンはこのプロセスの“仲間”なんです。僕たちはファンのために映画を作り、ファンの声に耳を傾けています。世界中に若い映画ファンの素晴らしいムーブメントがあって、彼らは素晴らしいアイデアを持っていて、情熱にあふれている。僕たちもその情熱を共有しています。だから、その情熱を代表してステージに立つ“幸運な子ども”でいられることは、僕にとって決して当たり前にしない大切な贈り物なんです。この映画を誇りに思っていますし、デスティンのことも誇りに思っています。彼が参加してくれたとき、正直言って現場はとても不安定な時期でした。でも彼は僕たちを救ってくれたんです」

シンク「本当にその通り」

ホランド「それからセイディーについても言わせてください。セイディーは本当に大変な役目を背負って、この巨大な映画に参加してくれました。すでに“家族”のように出来上がっているチームの中に入ってくるわけですからね。でも彼女は完璧に馴染んでくれたんです。とてもプロフェッショナルで、素晴らしい演技を見せてくれました。彼女がもたらしてくれた感情、プロ意識、そしてハート――それこそがこの映画に必要だったものなんです。まさに新鮮な風で、これまでの作品にはなかった独自の魅力をもたらしてくれました。 だから僕にとって、セイディーは“語られざるヒーロー”なんです。だって彼女はまだ何も話せないんですよね?」

シンク「ええ。映画を観てもらえれば、すべて分かります」

【作品情報】
スパイダーマンブランド・ニュー・デイ

【関連記事】
「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」、正体不明の敵の謎に迫る特別映像&ヴィラン総登場の相関図を披露!
「スパイダーマン」最新作、トム・ホランドの“脅威の身体能力”が生んだアクションに迫る特別映像&新場面写真
「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」待望のIMAX上映決定!公開初日にはIMAX限定日本最速上映も実施

©2026 CPII. All Rights Reserved. © & ™ 2026 MARVEL.
映画.com

関連キーワード

    エンタメ 新着ニュース

    合わせて読みたい記事

    編集部のおすすめ記事

    エンタメ アクセスランキング

    急上昇ランキング

    注目トピックス

    Ameba News

    注目の芸能人ブログ