7月20日(月) 23:10
夫が給与や事業所得など、すでに税金を納めた収入から少しずつ500万円を貯め、それを自分名義の車の購入に使った場合、購入そのものに新たな税金がかかるわけではありません。
タンス預金とは、銀行に預けず自宅で保管している現金のことです。保管方法がタンスや金庫だったとしても、そのお金が正しく申告済みの収入であれば、違法なお金になるわけではありません。
ただし、タンス預金には記録が残りにくいという弱点があります。銀行口座なら、給与振込や引き出しの履歴が残ります。しかし、現金で長期間保管していると、「いつ、どの収入から貯めたお金なのか」を説明しにくくなります。
税務署から確認を受けた場合に、「昔から貯めていた」とだけ言っても、十分に伝わらないことがあります。給与明細、確定申告書、過去の通帳履歴、退職金や保険金の記録など、資金の出どころを示せる資料があると安心です。
問題になるのは、500万円の出どころがはっきりしない場合です。たとえば、自営業の売上を申告せずに現金で保管していた、妻や親からもらったお金なのに贈与税の申告をしていない、といったケースです。
贈与税は、1年間にもらった財産の合計額から基礎控除110万円を差し引いた残りに対してかかります。国税庁も、1年間の贈与額が110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要だと説明しています。反対に、親や配偶者などから500万円をもらって車を買った場合は、贈与税の対象になる可能性があります。
また、夫婦間でも注意が必要です。妻が出したお金で夫名義の車を買った場合、実態によっては妻から夫への贈与と見られることがあります。「家族のお金だから関係ない」とは言い切れません。
自営業者の場合は、事業の売上を現金で受け取り、そのまま生活費や車に使っていたケースが問題になりやすいです。本来申告すべき売上を隠していたなら、所得税や消費税、住民税の申告漏れになります。
高級車を現金で購入したからといって、必ず税務署からお尋ねが来るわけではありません。ただし、収入に比べて高額な買い物をしている、事業所得の申告内容と生活水準が合わない、過去の申告に不自然な点がある場合などは、資金の出どころを確認される可能性があります。
国税庁は、「国税総合管理(KSK)システム」について説明しています。「KSKシステム」とは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、地域や税目を越えた情報の一元的な管理をするもので、事務処理の高速化や効率化を図るものであるとしています。
つまり、オンライン上で個人の申告や納税(すなわち収入)が、管理・把握されていることになります。さらに、「課税・徴収の効率化・高度化」を目指すための「次世代システム」についても、2026年度の本格導入に向けて、開発が進んでいるとされています。
こういったシステムが活用されて、不自然な点や矛盾があった場合、お尋ねが来る可能性があるということです。
税務署から問い合わせがあったときに大切なのは、隠そうとしないことです。正しく納税したお金なら、資料をもとに説明すればよいだけです。逆に、あいまいな説明をしたり、事実と違う話をしたりすると、かえって疑われることがあります。
今からできる対策として、車の契約書、領収書、支払日、現金の出どころを整理しておきましょう。過去の通帳から引き出したお金なら、その時期と金額を確認します。給与や賞与から少しずつ貯めたなら、収入の記録も残しておくと安心です。
もし未申告の売上が含まれている可能性があるなら、早めに税理士へ相談しましょう。税務署から指摘される前に修正申告をすれば、負担を抑えられる場合があります。
タンス預金500万円で高級車を現金購入しても、そのお金がすでに税金を納めた本人の収入から貯めたものなら、購入自体に新たな税金がかかるわけではありません。
ただし、「タンス預金だからバレない」という考えは危険です。税金を一元管理するKSKの新システムも導入予定です。資金の出どころを説明できなければ、税務署から確認を受けたときに困る可能性があります。未申告の売上や家族からの贈与が含まれていれば、所得税や贈与税の問題になります。
大切なのは、現金の流れを記録で説明できるようにしておくことです。契約書、領収書、通帳、申告書などを整理し、不安がある場合は税理士に相談しましょう。正しいお金なら、隠すよりも説明できる形にしておくほうが安心です。
国税庁Ⅱ 納税者サービスの充実と行政効率化のための取組|国税庁レポート2021
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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