7月20日(月) 23:30
自転車は、免許がなくても乗れる身近な乗り物です。しかし、法律上は「軽車両」にあたります。軽車両とは、自動車ほど大きくはないものの、道路を通行する車両として扱われるものです。そのため、自転車にも交通ルールがあります。
お酒を飲むと、判断力や反応の速さが落ちます。ブレーキをかけるのが遅れたり、ふらついて車道側に出たり、赤信号を見落としたりすることがあります。自転車は体がむき出しのため、自分が大けがをする危険もあります。さらに、歩行者にぶつかれば、相手に重いけがをさせることもあります。
警察庁の「自転車ルールブック」によれば、飲酒運転に起因する自転車事故の死亡・重傷事故率は、飲酒なしの場合と比較して約1.9倍高くなっています(令和6年)。
飲酒運転には、大きく分けて「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」があります。酒気帯び運転は、呼気中に一定以上のアルコールがある状態で運転することです。酒酔い運転は、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転することです。
自転車の酒気帯び運転には、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。拘禁刑とは、刑事施設に収容される刑のことです。酒酔い運転はさらに重く、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
自転車の交通違反には、青切符で処理されるものと、赤切符で刑事手続きに進むものがあります。青切符は、一定の反則金を納めることで、刑事裁判に進まずに手続きが終わる仕組みです。2026年4月から、自転車にも青切符制度が適用されています。
一方、赤切符は刑事手続につながる重い扱いです。警察庁の説明でも、酒酔い運転や酒気帯び運転は、刑事手続によって処理される重大な違反の例とされています。
ただし、赤切符を切られた瞬間に必ず前科がつくわけではありません。前科は、裁判などを経て有罪が確定した場合につくものです。たとえば、罰金刑であっても有罪が確定すれば前科になります。
つまり、「赤切符=その場で前科」ではありませんが、「反則金を払えば終わり」という軽い手続きでもありません。取調べや検察官の判断、裁判につながる可能性があるため、生活への影響は小さくありません。仕事で運転や信用が重要な人は、勤務先で問題になることもあります。
自転車の飲酒運転で注意したいのは、運転した本人だけの問題ではない点です。飲酒運転をするおそれがある人に自転車を貸したり、お酒を提供したりした人も、罰則の対象になる可能性があります。
たとえば、友人が自転車で来ていると知りながら「少しだけなら大丈夫」とお酒をすすめた場合です。飲んだ本人がその後に自転車で帰れば、酒類を提供した人も責任を問われることがあります。
また、飲酒した人に「自転車で送って」と頼んで同乗する行為も罰則の対象です。自分は運転していなくても、飲酒運転を助けたと見られる可能性があります。
飲み会の前には、帰り方を決めておくことが大切です。自転車で来た場合は、帰りは押して歩く、公共交通機関を使う、タクシーを呼ぶ、家族に迎えを頼むなどの方法があります。自転車を翌日に取りに行く選択も、安全を考えれば現実的です。
自転車でも、飲酒後に運転すれば飲酒運転になります。自転車だから許される、自動車より軽く見られる、という考え方は通用しません。酒気帯び運転や酒酔い運転は、赤切符で刑事手続に進む可能性があり、有罪が確定すれば前科がつくこともあります。
また、飲ませた人、自転車を貸した人、同乗した人まで責任を問われる場合があります。飲酒後は「乗らない」「乗せない」「貸さない」を徹底することが大切です。
自転車は便利な移動手段ですが、お酒を飲んだ日は別の帰宅方法を選びましょう。その判断が、自分の将来と周囲の安全を守ることにつながります。
警察庁交通局自転車を安全・安心に利用するために ー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー 【自転車ルールブック】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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