7月21日(火) 2:40
給料を現金で手渡しすることは法律上問題ありません。労働基準法第24条 では、賃金は原則として「通貨で」「労働者本人に直接」支払うことが定められています。そのため、「給料を手渡ししてはいけない」という規定はなく、現金で本人へ直接支払う方法は、法律の原則に沿った支払い方法といえます。
現在多くの企業が導入している銀行振込は、あくまで労働者本人の同意がある場合に例外的に認められている手続きです。個人経営の飲食店などでは、銀行振込にかかる手数料や口座管理の手間、小規模ならではの事務経費を削減する目的から、あえて昔ながらの手渡し形式を採用しているケースが見られます。
手渡しでの支給に違法性はありませんが、受け取る「金額」に応じた税金の仕組みについては、銀行振込の場合と同じルールが適用されます。給料を手渡しにしているからといって、税金がかからなくなったり、勤務先による税務上の手続きが不要になったりするわけではありません。
アルバイト代が「月8万円」の場合、1年間継続して働くと、年間の合計収入は96万円です。この金額であれば、令和7年度の所得税の課税最低限である 160万円を下回るため、原則として所得税はかかりません。
また、親の扶養についても、給与収入が96万円であれば税法上の扶養親族の要件を満たすケースが一般的です。 ただし、扶養に関する基準は税制だけでなく社会保険にもあり、収入や働き方によって適用される基準が異なるため、自分がどの制度の基準を確認すべきか把握しておくことが大切です。
なお、令和8年度税制改正では、 所得税がかからない給与収入の目安(課税最低限)が178万円へ引き上げられることになりました。一方で、親の扶養や社会保険の扶養については、それぞれ異なる要件が設けられているため、「178万円までなら扶養から外れない」と一律に考えることはできません。
給料の手渡しには一定のメリットがある一方で、デメリットとして考えられるのは「銀行口座の通帳にデータとして記録が残らないこと」です。
万が一、お店側との間で「給料が支払われていない」「金額が足りない」といったトラブルが起きた場合、客観的な証拠を証明するのが難しくなってしまいます。このようなトラブルを未然に防ぎ、大切なアルバイト代を守るためには、次の3つの自己防衛策を実践しましょう。
(1)給料を受け取ったその場で、雇用主の前で中身の現金を数え、給料明細書に記載されている金額と一致しているか確認すること。
(2)給料明細書が発行されているか確認し、毎月必ず大切に保管すること。
(3)手帳やスマートフォンのアプリなどを使い、自分が働いた「日付」「時間」および「給料を受け取った日と金額」を正確に記録する習慣をつけること。
個人経営の飲食店でアルバイト代を毎月8万円ずつ手渡しでもらっていること自体は、法律上問題ありません。また、年間の給与収入は96万円となるため、令和7年度および令和8年度の所得税の課税最低限を下回っており、原則として所得税はかかりません。
ただし、給与を手渡しで受け取っているからといって税金に関するルールが適用されなくなるわけではありません。今後、勤務日数や時給が上がるなどして収入が増えた場合は、所得税や扶養の要件に影響する可能性もあるため、収入の変化には気を配っておくとよいでしょう。
e-Govポータル法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第三章 賃金 第二十四条(賃金の支払)
国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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