橋口亮輔監督「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」田辺誠一×片岡礼子×木村多江×リリー・フランキーが“同窓会”舞台挨拶

左から片岡礼子、田辺誠一、橋口亮輔監督、木村多江、リリー・フランキー

橋口亮輔監督「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」田辺誠一×片岡礼子×木村多江×リリー・フランキーが“同窓会”舞台挨拶

7月21日(火) 15:30

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橋口亮輔監督作品「ハッシュ!」と「ぐるりのこと。」の4Kリマスター版が、7月24日からシネマート新宿、シネスイッチ銀座、渋谷ホワイトシネクイントほか全国で順次公開される。この2作品の4Kリマスター版公開を記念し、「ハッシュ!」主演の田辺誠一と片岡礼子、「ぐるりのこと。」主演の木村多江とリリー・フランキー、そして橋口監督が登壇するプレミア先行上映+トークイベントが7月20日にシネマート新宿で実施された。

「ハッシュ!」は、「二十才の微熱」「渚のシンドバッド」の橋口監督による長編第3作。ゲイのカップルと1人の女性がつくる“新しい家族のかたち”を繊細かつユーモラスに描いた。「ぐるりのこと。」は、「ハッシュ!」で国内外から注目された橋口監督の長編第4作。ある夫婦の10年間におよぶ希望と再生の軌跡を、1990年代から2000年代初頭に世間を騒がせたさまざまな事件を背景に描いた。「ハッシュ!」は2002年4月の公開から約24年ぶり、「ぐるりのこと。」は2008年6月の公開から約18年ぶりの劇場公開となる。

満員の中、「ハッシュ!」の持つ魅力について田辺は「この映画の中にある優しさみたいなものが、世の中の変化について来たと言われることもあるけれど、みんな楽しく幸せになりたいのは世界共通のこと。それがこのスクリーンの中で生きているから、公開から24年経っても変わらないのだと思う」と普遍性を挙げた。片岡も本作の再評価&4K上映に「ありがたい」と感謝しながら「周りから“やっと時代が追いついた”と言われてドキッとする」などと率直な感想を述べた。

橋口監督は「ハッシュ!4Kリマスター版」を改めて鑑賞して「画面から伝わるエネルギーにビックリして『誰が撮ったんだ!?』と思った。それだけ時間が空いたから作品との距離があった。当時は自分をアマチュアだと思っていて自信がなかったけれど、改めて観てみたら…完璧じゃないですか!」と自画自賛で笑いを取っていた。

一方、「ぐるりのこと。」について木村は「台本を頂いた時に『あ、この役は私だ』と思った」と振り返り「橋口監督の映画は普遍性がある。時代が変わってもまたこうして4Kとして皆さんの元に届くのは必然ではないかと、みんなが必要としている映画なのではないかと思うと凄く嬉しい」としみじみ。橋口監督とは「ハッシュ!」公開の際の対談で初対面したというリリーは「それがまさか橋口監督の映画に俳優として出ることになって…」と驚きながら「4Kになって俺の可愛さが際立っている。それをお楽しみにください!」とニヤリ。撮影を昨日のことのようだと振り返りながら時の流れの早さに目を細めていた。

「ぐるりのこと。4Kリマスター版」について橋口監督は「僕の映画は引きの画が多いけれど、今回4Kになった事で奥の方にいる俳優の表情まで鮮明に見える。皆さんがプロとして繊細な演技をしてくれていたことが見れて、改めて素晴らしい方々とお仕事をしたんだなと再確認する事が出来ました」とクリアな映像美に驚いていた。

「ハッシュ!」には無名時代の加瀬亮がヤンキー店員役で出演。橋口監督は「何度やっても言ったとおりにやらない人で、最初は『この人出来ないのかな!?』と思ったけれど、最終的にはとんでもなく腹の立つ店員を演じてくれた。彼はこちらの言われたとおりにやるのではなくて、ずっとやって良いものを出してくる。その後に出てもらった『ぐるりのこと。』も素晴らしかった。加瀬君の非凡さはデビューの時から変わらない」と絶賛した。

またリリーが「ぐるりのこと。」の法廷シーンに触れて「橋口監督が被告人として出演した礼子さんと揉めだした…」などと舞台裏を暴露。これに橋口監督は「揉めたというか、監督と俳優の戦いはある。それぞれプロとプロ、大人同士でものを作る上で向き合っている。この作品での片岡さんは素晴らしいです。最終的にスクリーンに残るのは俳優さんの御顔ですから、例え撮影中に揉めたとしてもスクリーンに俳優の良い芝居が残っていればいい」とクリエイター同士のぶつかり合いだったと回想した。

「ハッシュ!」で田辺は報知映画賞主演男優賞、片岡はキネマ旬報ベストテン主演女優賞、「ぐるりのこと。」で木村は日本アカデミー賞主演女優賞、リリーはブルーリボン賞新人賞に輝いている。

改めて田辺は「『ハッシュ!』は自分のキャリアにとって、本当に大きな影響力のある作品。役者としての自分のプロフィールの中でも自分を支えてくれる一番の大きな柱になっている」と代表作だと自負。橋口監督の「二十才の微熱」で俳優デビューした片岡は「橋口監督は私にとって映画の始まりの監督で、それは変わらない。その上で『ハッシュ!』は言葉にするのが難しいけれど、自分の中の重心になっている部分は大きい」と思い入れたっぷり。

木村は「ぐるりのこと。」を「橋口監督と一緒に追い込まれながらも、自分の嫌な事や辛い事を全部吐き出す覚悟でやっていました。『ぐるりのこと。』は自分の役者のスタートラインにもなって、大事な大事な作品です」と述べた。リリーは撮影前に行った橋口監督ならではのエチュードを中心としたリハーサル期間が思い出深いと振り返りながら「橋口さんから教わった、芝居とはどういったものであるのか?というのは今でも守ってやっている。そこで教えてもらった事をずっと心に留めています」と力を込めた。

橋口監督は「『ハッシュ!』約24年ぶり、『ぐるりのこと。』は約18年ぶりに4Kになって僕自身も感動して観る事が出来ました。たとえ時代が変わっても、変わらない普遍的な人間たちの営みのドラマを描いています。そして両作品共に、人と人の間に希望があるという前向きな人間賛歌になっています」とアピールしていた。

「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」4Kリマスター版は、7月24日からシネマート新宿、シネスイッチ銀座、渋谷ホワイトシネクイントほか全国で順次公開。

【作品情報】
ぐるりのこと。

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