第51回トロント国際映画祭が、9月の開催に向けたラインナップを発表した。日本からは是枝裕和監督、濱口竜介監督、塚本晋也監督の新作が選ばれ、いずれも北米初上映となる。
トロント国際映画祭は、カナダのトロントで毎年9月に開かれる北米最大規模の映画祭だ。カンヌやベネチアと違って作品を競わせるコンペティション部門を持たず、最高賞にあたるのは観客の投票で決まる観客賞になる。この賞を取った作品がその後アカデミー賞に進むことが多く、賞レースの行方を占う場として注目される。ピーター・ファレリー監督は2018年の「グリーンブック」をこの映画祭でお披露目し、観客賞を受賞した勢いのままアカデミー賞作品賞を射止めた。
今回発表されたのは、話題作やスターの出演作を集めた看板部門のガラ・プレゼンテーションとスペシャル・プレゼンテーション、あわせて64作品だ。日本の3本はいずれもスペシャル・プレゼンテーション部門で上映される。
濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」は、第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でビルジニー・エフィラと岡本多緒がそろって女優賞を受賞し、岡本は日本人として初めてカンヌの女優賞を手にしている。
是枝裕和監督は、藤本タツキの漫画を実写化した「ルックバック」を出品する。主人公となる藤野に出口夏希、京本に蒔田彩珠が扮する。
塚本晋也監督の「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」は、ベトナム帰還兵アレン・ネルソンさんのノンフィクションが原作だ。18歳で海兵隊に入った黒人青年が、最前線で多くの命を奪った記憶に帰国後も苦しみ続ける。ネルソンさんは来日後、その加害の体験を日本各地で1200回以上語り、日本で生涯を終えた人物でもある。「野火」「ほかげ」に続く塚本監督の戦争映画で、「シャイン」のジェフリー・ラッシュが出演する。
このほかのラインナップには、シルベスター・スタローンの半生を描いたファレリー監督の伝記映画「I Play Rocky(原題)」が並ぶ。「太陽がいっぱい」の原作者として知られるパトリシア・ハイスミスをヘレン・ミレンが演じるアントン・コービン監督のサスペンス「A Talent for Murder(原題)」、ダニエル・カルーヤやアダム・ドライバーが出演するクリス・ロック監督の「Misty Green(原題)」も上映される。ベネチア国際映画祭の開幕作に決まったダニー・ボイル監督の「Ink(原題)」、マイク・リー監督の「Tender Loving Care(原題)」、ペドロ・アルモドバル監督の「Bitter Christmas(原題)」も顔をそろえる。
映画祭は9月10日から20日まで開かれる。
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ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?
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