7月19日(日) 5:00
厚生労働省は2026年3月、保険診療におけるキャンセル料の徴収を正式に認める通知を出しました。そして、同年6月1日から適用されたことで、一定の条件を満たした医療機関に限り、保険診療の予約キャンセルに対して料金を請求できるようになったのです。
対象となるのは、「選定療養における予約に基づく診察」を実施している医療機関、つまり、厚生労働省への届出を行った上で予約診療を提供している医療機関に限られます。そのため、届出を行っていない医療機関においては、今回の改正だけを根拠にキャンセル料を請求することはできません。
今回の通知では、キャンセル料を徴収する医療機関に対して、費用徴収に係るサービス等の内容や料金について受付窓口や待合室等に掲示するとともに、自ら管理するホームページ等がある場合はウェブサイトへの掲載を義務付けています。
つまり、該当する医療機関でホームページ等があれば、必ずサイト上に記載があるはずです。受診前に医療機関の公式サイトを確認することで、届出をしているかどうかを事前に把握できます。
逆にいえば、サイトに記載がない医療機関であれば、今回の改正を根拠にキャンセル料を請求されることはありません。「急に請求されるかもしれない」と不安に感じる人は、まず医療機関の公式サイトを確認してみることをおすすめします。
届出をしている医療機関であっても、実際に徴収するにはもう1つ条件があります。それが、予約時の文書への署名です。署名による同意を得ることが徴収の前提とされており、署名をしていない限り、キャンセル料を請求されることはありません。
一方、署名をした場合は話が変わります。徴収の対象は「患者都合によるキャンセル」と定められていますが、急病などやむを得ない事情を免除対象とする規定は明記されていません。急病が「患者都合」に含まれるかどうかは、各医療機関の判断に委ねられているのが現状です。
だからこそ、署名の前にしっかり確認しておくことが大切です。医療機関には、患者へ丁寧に説明する義務があります。「急病の場合はどうなりますか」と署名前に確認することは、患者側の正当な行動といえるでしょう。
2026年6月1日から届出をした医療機関に限り、キャンセル料の徴収が正式に認められるようになりました。全ての病院が対象ではありませんが、届出をしている医療機関で署名をした上で当日キャンセルをすれば、支払いを求められる可能性があります。
医療機関にとって、急な無断キャンセルは準備した時間や人員が無駄になる実質的な損失であり、今回の改正はそうした現場の実情を背景にしています。署名を求められた際には、「急病の場合はどうなりますか」と確認しておくことで、いざというときの不安はずいぶん軽くなるはずです。
厚生労働省 「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正について
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
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