7月18日(土) 23:00
刑法の器物損壊罪は、他人の物を壊したり、本来の用途で使えない状態にしたりした場合に成立する犯罪です。
そのため、単に犬が一度おしっこをしただけで、直ちに器物損壊罪になるとはかぎりません。犯罪として処罰されるには、飼い主が物を損壊する意思を持っていたか、実際に電柱の機能や状態を損なう結果が生じたかなどが問題になります。
ただし、注意された後も同じ場所で繰り返し排尿させ、汚れや悪臭、腐食などを生じさせた場合は事情が異なります。意図的に迷惑行為を続けたと判断されれば、警察への相談や民事上の請求に発展する可能性があるため注意が必要です。
また、道路上の電柱がすべて国や自治体の所有物とはかぎりません。電柱の多くは電力会社や通信会社が所有しており、電柱に付いた番号札などから所有者を確認できます。つまり、「公共の場所に立っているから誰の物でもない」という考え方は適切ではありません。
民法上、飼い犬が他人に損害を与えた場合、飼い主が損害賠償責任を負うことがあります。ただし、相手から清掃代を求められたからといって、要求された金額を無条件で支払う義務が生じるわけではありません。
賠償が認められるには、原則として実際の損害が必要です。例えば、尿が家の門扉や外壁まで流れて汚れたため、清掃業者への依頼が必要になった場合は、合理的な清掃費を求められる可能性があります。
一方、電柱だけが汚れ、家主の所有物には被害がない場合、家主が電柱の清掃代を受け取れるとはかぎりません。
なお、家主自身が清掃し、水道代や洗剤代がかかったとしても、請求額には客観的な根拠が必要です。そのため、費用の内訳や実際にかかった金額を確認せず、言われた額をそのまま支払う必要はありません。慰謝料や迷惑料などの名目で高額な請求を受けた場合でも、その場で支払わず、まずは金額の根拠を確認しましょう。
トラブルになった際は、まず排尿させたことを謝り、可能であればその場で水を使って処理しましょう。そのうえで清掃代を請求された場合は、何が汚れたのか、誰の所有物なのか、実際にいくらの費用が生じたのかを確認します。
領収書や見積書がなく、金額の根拠も示されない場合は、「内容を確認してから対応します」と伝えるのが適切です。相手が怒鳴り続ける、帰宅を妨げる、金銭を無理に渡すよう迫るといった場合は、その場で言い争わず、必要に応じて警察へ相談してください。
一方、門扉や植木鉢など相手の所有物を実際に汚してしまった場合は、写真を残したうえで、必要な清掃費を話し合うのが適切です。また、個人賠償責任保険に加入している場合は、補償の対象になる可能性もあるため、保険会社へ確認するとよいでしょう。
犬が電柱に一度おしっこをしただけで、直ちに器物損壊罪が成立したり、家主への清掃代の支払い義務が生じたりするとはかぎりません。ただし、電柱にも所有者がいるため、公共の場所だから自由に排尿させるのは避けるべきです。
散歩中はリードを短めに持ち、住宅の門扉や植木鉢、電柱などから犬を早めに離すことが大切です。排尿してしまった場合は、水で流すなど可能な範囲で対応し、近隣住民から注意を受けたときも感情的にならず、まずは状況を確認しましょう。日頃から周囲への配慮を忘れず、飼い主として責任ある散歩を心掛けましょう。
日野市 犬の散歩マナー
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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