7月18日(土) 0:00
親が息子の車の購入代金として200万円を支払った場合、贈与税の対象になる可能性があります。贈与とは、簡単にいえば「無償で財産を渡すこと」です。現金を直接渡した場合だけでなく、子どものために親が代金を支払った場合も、実質的に子どもが利益を受けていれば贈与と考えられます。
贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。これは、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計が110万円以下なら、原則として贈与税がかからないという仕組みです。今回のように200万円を援助した場合、基礎控除110万円を超える90万円部分が課税対象になる可能性があります。
ただし、親子間の資金援助がすべて贈与税の対象になるわけではありません。生活費や教育費として必要な範囲で、その都度使われる費用は、通常は贈与税の対象外とされています。
一方で、車は日常生活に必要な場合があるものの、資産としての性質もあります。通勤に必要な車であっても、親がまとまった購入資金を出す場合は、生活費の非課税規定にそのまま当てはまらない可能性があるため注意が必要です。
「息子に現金を渡していないから大丈夫」と考える人もいますが、支払い方法だけで贈与税の有無が決まるわけではありません。贈与税の対象になるかを判断するうえで大切なのは、誰のための支出か、また実質的に誰が利益を受けたかという点です。
例えば、車の名義が息子で、親がディーラーに200万円を直接振り込んだ場合、息子は購入代金を負担せずに車を取得できます。この場合、親から息子へ200万円分の利益が移ったと見られかねません。つまり、現金手渡しではなくても、贈与と判断される可能性があります。
また、銀行振込やディーラーへの支払いは記録が残るため、現金手渡しよりも、むしろ資金の流れを確認しやすい方法です。税務署がすべての取引を常に細かく見ているわけではありませんが、相続が発生したときや大きな資金の動きが確認されたときに、過去の贈与を調べられることがあります。
このように、支払い方法に関係なく贈与と見られる可能性がある以上、「バレるかどうか」で判断するのは避けたほうがよいでしょう。
申告が必要なケースで手続きをしないでいると、後から申告漏れを指摘され、本来の税金に加えて加算税や延滞税がかかる可能性もあります。そのような余計な負担を避けるためにも、支払う前の段階で贈与税の対象になるかを確認しておくことが大切です。
今回のように、親が息子に200万円を贈与したと考えられる場合、贈与税は200万円全体にかかるわけではありません。贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、課税対象となる金額は「200万円-110万円=」90万円です。
親などの直系尊属から18歳以上の子どもへの贈与は、一般的に「特例贈与財産」として計算します。今回のように課税対象が200万円以下の場合、税率は10%です。そのため、贈与税は「90万円×10%=9万円」になります。
このように、援助額が200万円でも、110万円を超えた部分だけに税率を掛ける仕組みなので、「かなり高額な税金になるのでは」と過度に不安になる必要はありません。
ただし、贈与税は今回の200万円だけで判断するとはかぎりません。同じ年にほかの人から贈与を受けている場合は、その金額も合わせて計算します。例えば、祖父母から50万円をもらっていた場合、その年の贈与額は「200万円+50万円=250万円」です。
この場合、基礎控除後の金額は90万円から、「250万円-110万円=140万円」に増えるため、贈与税額も9万円から14万円に増えることになります。贈与税は、贈与した人ごとではなく、もらった人が1年間にもらった合計額で判断するため、ほかの援助がないかも確認しておきましょう。
親が子どもの車代を援助すること自体は珍しくありませんが、今回の200万円のように年間110万円を超える金額を出す場合は、贈与税の対象になる可能性があります。現金手渡しではなく、ディーラーに直接支払った場合でも、子どもが利益を受けていれば贈与と見られるかもしれません。
そのため、後から税務署に確認されたときに困らないよう、振込明細や車の契約書などは保管しておくと安心です。家族間の資金援助だからこそ、必要に応じて贈与税の申告を行い、記録も残しておきましょう。
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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