7月18日(土) 5:00
通常、株式や投資信託といった金融商品への投資では、売却で得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金が課されます。しかし、NISA口座を利用すれば、一定の投資額までは運用益が非課税となります。
NISAを利用するためには、銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設しなくてはなりません。口座を開設できるのは、利用する年の1月1日時点で18歳以上の成人に限られますが、条件を満たしていれば誰でも作れます。ただし、開設できる口座は1人につき1口座のみです。
NISA口座の名義人が亡くなった場合、その口座を家族がそのまま相続することは認められていません。
NISA口座の名義人が亡くなって相続が発生すると、上場株式などはNISA口座から払い出されます。そして、亡くなった日の終値(その日の最後の取引価格)を基準に相続人が取得したものとみなされ、まずは故人の特定口座や一般口座といった「課税口座」へと移されます。
その後相続人自身の課税口座へと引き継がれ、これ以降の運用は課税の対象になります。そのため、故人のNISA口座を非課税で運用できるのは、その人が亡くなった当日までです。
NISA口座の名義人が亡くなるまでに発生していた値上がり益(含み益)については、NISAの非課税措置が適用されます。例えば、亡くなった日時点でNISA口座の資産価値が1000万円に値上がりしていた場合、そこに含まれる含み益に税金がかかることはありません。
しかし、相続後にさらに値上がりし、資産価値が合計1100万円に増えた場合、亡くなった時点からの差額にあたる100万円分の利益は非課税とはならず、課税の対象となります。
故人のNISA口座にある資産を相続人が受け取る際、相続人が持っているNISA口座へ直接移し替えることはできません。
まず、故人のNISA口座から本人が保有する課税口座へと資産が移され、そこからさらに相続人の課税口座へと引き継がれます。この移管手続きを行うためには、故人が利用していた同じ金融機関に、相続人自身の口座が必要です。
相続人がその金融機関の口座を持っていない場合は、相続手続きと並行して新しく口座を開設しておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
「NISA口座の持ち主が亡くなったら、誰がその口座の資産を相続するのか」について、相続人同士で話し合っておきましょう。相続人が決まったら、以下の流れで手続きを進めます。
まずは、故人がNISA口座を所有していた金融機関へ連絡を入れます。現在の残高を確認するための「残高証明書」を請求すると同時に、「非課税口座開設者死亡届出書」など提出が必要な書類や、これからの具体的な手続き方法について案内を受けてください。
残高証明書が届いたら、相続の対象となる株式の銘柄や保有数量などに間違いがないかをしっかりチェックしましょう。
次に、金融機関の指示に従って必要書類を準備します。一般的には、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本をはじめ、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書、金融機関から指定された「非課税口座開設者死亡届出書」「株式等移管依頼書」などが必要です。
必要書類がそろったら金融機関の窓口に提出し、口座を引き継ぐための手続きを完了させます。
NISA口座内の金融商品は、相続税の対象です。所得税がかからない非課税口座であっても、税法上は預貯金や不動産といったほかの遺産と同じ「相続財産」として扱われます。
そのため、相続が始まった(名義人が亡くなった日)時点での資産の評価額を算出し、相続税の計算に含めなくてはなりません。NISAの資産額と、それ以外の相続財産を合計し、そこから基礎控除などの差し引ける控除額をマイナスします。最終的に、その控除額を超えた残りの金額に対して、相続税が課される仕組みです。
故人のNISA口座は、家族が非課税のまま相続できず、課税口座に移す必要があります。ただし、名義人が亡くなった時点までの含み益には非課税が適用されますが、相続後の運用益には課税されるため注意してください。
万一のときに遺された家族が困らないよう、NISA口座の相続におけるルールを把握しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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