7月18日(土) 5:10
イオン株を100株以上保有する株主には、株主優待カード「オーナーズカード」が発行されます。特定の店舗で支払時に提示すると、半年分の購入額が保有株数に応じた還元率でキャッシュバックされる仕組みです。還元率は、100株で1%、200株で2%、9000株以上で7%と、保有株数が増えるほど高くなります。
イオンは、2025年9月に1株を3株に分割したため、分割前に株式を保有していた場合、分割後は300株となり、還元率は3%です。ここでは、還元率3%で試算してみましょう。
月12万円の買い物をするケースで試算すると、半年分の購入額は72万円です。72万円×3%で、1回あたりのキャッシュバックは2万1600円になります。年間にして、4万3000円程がキャッシュバックで受け取ることができる金額と試算されます。
キャッシュバックは半年ごとに計算されます。そのため、10万円を取り戻そうと思うと、半年でのキャッシュバック2万1600円を5回受け取る必要があり、期間にすると2年半かかります。
株の保有を続けている間は、含み損は確定せず、途中で株価が回復した場合、早々にプラスに転じることも考えられます。ただし、株価がさらに下落し、キャッシュバックで取り戻せる期間がさらに延びる可能性もあるでしょう。
投資の基本から言えば、家族の言い分には正しい面もあります。含み損を抱えたまま保有を続けると、その資金がマイナスのまま固定され、値上がりが期待できる別の投資には回せません。また、「いつか戻るかも」という心理が、撤退の判断を遅らせるリスクもあります。
ただし、日常的に利用する会社の株を持つこと自体は、投資の観点からは理にかなった選択です。キャッシュバックに加え、映画のチケットが1000円になる優待や、イオンラウンジの利用、配当金など、保有を続けることで得られるメリットは複数あります。
優待を日々の生活で楽しめているなら、超長期保有を前提に日々の株価の動きを気にしすぎないという考え方もあるでしょう。ただし、優待制度が変更・廃止されるリスクがゼロではないため、会社からの発表には目を通しておく必要はあります。
一方、今後イオンを利用する頻度が下がる見込みなら、損切りを検討する材料になるでしょう。
含み損10万円をキャッシュバックで相殺するには、5回分、2年半の保有が目安です。損切りを判断する前に、まず直近半年の自分のイオンでの購入金額に、自分の保有株数に応じた還元率をかけてみてください。その数字が、保有を続けるかどうかを考える具体的な指標になるでしょう。
保有し続けるメリットが、含み損を上回る場合は、そのまま保有を続けるのも選択肢の1つです。
イオン株式会社 株主優待制度
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
【関連記事】
「株主優待」人気ランキング第3位「キリンホールディングス」第2位「NTT」第1位は…?株主優待を受けるには最低でもいくら必要?