パラマウントによるワーナー・ブラザースの買収をめぐり、カリフォルニア州など12の州が、この統合の差し止めを求めて提訴したと、米バラエティが報じた。連邦司法省がすでに承認し、決着へ向かうかに見えた巨大買収に、今度は州側がそろって「待った」をかけた形だ。
パラマウントとワーナーは、いずれもハリウッドを代表する老舗だ。「トップガン」や「ゴッドファーザー」を送り出してきたパラマウントと、「ハリー・ポッター」や「バットマン」で知られるワーナー・ブラザース・ディスカバリーである。デビッド・エリソンCEOが率いるパラマウントは、規模約1110億ドル(約18兆円)でワーナーを買収しようとしている。この二大メジャーがひとつになれば作られる映画が減りかねないとして、以前から1000人を超える映画人が反対を表明してきた。さきに単独で差し止めを求めていたオレゴン州に、カリフォルニアやニューヨークなど11州が加わり、12州の共同提訴となった。
訴えを主導するカリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官は、この統合が「違法」だと主張している。二社がひとつになれば競争が失われ、料金の値上げや作品の数・質の低下を招き、映画館やケーブルテレビ局、そして観客が打撃を受けるという。州側の訴えによれば、統合後は全米の主要な配給会社が5社から4社に減り、この4社が劇場公開作の85%を握ることになる。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官も、「報道と娯楽に前例のない力を及ぼす巨大企業が生まれる」と警戒を示している。州側は、司法手続きが決着するまで統合を完了しないよう両社に求めた。
パラマウントは、この訴えに強く反発している。同社は、訴訟が「確立した独占禁止法の解釈をゆがめている」とし、むしろ両社の統合こそ、劇場の興行や雇用を脅かしてきた巨大な配信・IT企業に立ち向かえる強い競争相手を生むのだと反論する。訴訟の実際の狙いは、Netflixのような巨大配信を競争から守ることにある、というのが同社の主張だ。一方で、米脚本家組合などは州側の提訴を歓迎している。
いったん統合が成立すれば、後から覆すのは難しい。州側は、応じなければ緊急の差し止めを申し立てる構えで、巨大買収の行方は司法の判断に委ねられることになった。
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