7月15日(水) 3:00
FIRE後に暇を感じるのは、必ずしも甘えではありません。仕事には収入を得る役割だけでなく、人と関わる、予定ができる、誰かの役に立つといった役割もあります。退職直後は自由を楽しめても、時間がたつにつれて生活に張り合いがなくなる人もいます。
特に、長く働いてきた人ほど、仕事を通じて自分の居場所を作っていた可能性があります。毎日が自由になると、最初は快適でも、次第に「今日もやることがない」と感じる場面が増えていくでしょう。そのため、社会復帰を考えることは後ろ向きな選択ではありません。むしろ、自分に合う生活を作り直すための前向きな行動といえます。
40代後半でブランクが2年ある場合、年齢や離職期間を理由に再就職のハードルが高く感じられるかもしれません。実際、若手と同じ条件で仕事を探そうとすれば、応募先の選択肢は狭まりやすいでしょう。ただし、採用ではこれまでの経験や働く意欲も見られるため、「どこにも雇われない」と決めつける必要はありません。
例えば、厚生労働省では、35~59歳の中高年層を対象にした求人や相談窓口を用意しています。中高年層を歓迎する求人には、経験不問のものや、面接を重視するものもあります。つまり、年齢や空白期間だけで判断しない会社もあるということです。
ただし、再就職をより現実的に進めるなら、まずはこれまでの経験を生かせる仕事から探すとよいでしょう。例えば、前職で営業をしていたなら顧客対応や法人営業、管理職経験があるなら現場のまとめ役、事務経験があるならバックオフィス業務などが考えられます。
また、いきなり高年収や役職を求めるより、「週3日」「契約社員」「業務委託」などを視野に入れると、社会復帰のハードルは下がる可能性があります。
面接で必ず聞かれやすいのが、2年間のブランクです。ここで大切なのは、言い訳よりも事実を整理して前向きに伝えることです。FIREしていた事実を必要以上に隠すより、「資産形成により一度仕事を離れ、生活を見直していた」と整理して伝えるほうが面接でも受け止められやすくなります。
そのうえで、「人と関わりながら働く時間を持ちたい」「これまでの経験を生かして社会に関わりたい」など、再び働きたい理由を前向きに話しましょう。採用側は、空白期間そのものだけでなく、入社後に継続して働けるかどうかも重視します。
また、ブランク中に特別な活動をしていなかった場合でも、生活管理や資産管理をしていたのであれば、その経験は伝え方次第で強みになります。例えば、投資や家計管理を通じて数字を見る力や計画性を身につけたと説明すれば、空白期間を前向きに受け止めてもらいやすくなるでしょう。
ただし、FIREできる資産があることを強く出しすぎると、「すぐ辞めるのでは」と懸念されることがあります。そのため、面接では資産の話を中心にするのではなく、働く意欲や今後どのように貢献したいかを伝えることが大切です。
40代後半でブランク2年があっても、再就職は十分に目指せます。ただし、若い頃と同じ条件で探すと、思うように進まない場面も出てくるでしょう。その場合は、正社員だけにこだわらず、短時間勤務や契約社員・派遣社員・業務委託、ボランティアなども選択肢に入れてみましょう。
FIRE後の社会復帰で大切なのは、収入を最大化することだけではありません。生活にリズムを作り、人との関わりを取り戻し、自分が無理なく続けられる働き方を見つけることです。
まずは求人を見る、ハローワークの相談窓口を利用する、職務経歴書を作り直すなど、小さな行動から始めてみてください。働き方を選べる立場だからこそ、焦らず、自分に合う社会復帰を目指しましょう。
厚生労働省 中高年層(ミドルシニア)専門窓口
厚生労働省 中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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