穴井詩も都玲華も永井花奈も振りやすさ重視女子ツアーに流行る『C』バランスは飛ばしの潮流【ツアープロたちの“飛ばしギア”】

都玲華は振りやすさを重視した結果、バランスは『C8.5』と軽めだった(撮影:米山聡明)

穴井詩も都玲華も永井花奈も振りやすさ重視女子ツアーに流行る『C』バランスは飛ばしの潮流【ツアープロたちの“飛ばしギア”】

7月15日(水) 19:00

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この夏は過去イチの飛距離を手に入れたい!アマチュアの永遠の願いを叶えるべく、ALBAでは『飛ばしフェス』を開催中。ツアーの現場から、女子プロの使用ドライバーを徹底調査し、飛距離アップのコツをギアの面から探った。今回はクラブバランスに注目した。市販品は『D1』~『D2』が主流となっているが、意外にも軽めの『C』バランスを好む選手が多かった。



【写真】都玲華のドライバーはスリクソンの未発表モデルだった


■飛ばし屋の穴井詩は『C7』、永井花奈は『C8』を愛用する

 今季のドライビングディスタンス(7月13日時点)を見ると260.10ヤードで1位にいるのは穴井詩。ツアーで1、2を争う飛ばし屋だ。当然使っているクラブは気になるところ。クラブ契約フリーの穴井が選んだのはテーラーメイド『Qi4D』(ロフト8度)で、フジクラ『スピーダーNXゴールド50S』(45.75インチ)を挿している。
 
驚くべきはクラブバランスが『C7』という軽さだ。「私はフッカーなので、ヘッドが利き過ぎると意図せずに動いて、左に曲がり過ぎることがあります」というのが理由だ。ヘッドの重さを利用するのではなく、操作性を重視しつつ、自分で速く振って飛ばすことを好んでいる。
 
他にも「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」で9年ぶりに優勝した永井花奈は『C8』を使用している。都玲華は『C8.5』、吉本ひかるは『C7~8』、岡山絵里は『C8』と、飛ばし屋だけでなく精度で勝負する選手までも幅広く『C』バランスを使用していた。都は「『C』とか分かりませんが(笑)、これが振りやすいんです」と振り心地を重視した結果だという。
 
そもそも、ゴルフクラブのバランスとは、“振りやすさの指標”といわれている。クラブの総重量に対して、どれくらいヘッドを重く感じるかを、軽い方から『A』~『E』で表記したもの。同じ総重量のドライバーだとしても、バランスによってスイングやワッグルしたときの振り心地が変わるのだ。


■池ヶ谷瑠菜は“軽バランス”にして20ヤード飛距離アップ

「昨年の開幕から比べるとキャリーで20ヤードは伸びました。自分でもびっくりです」というのはプロ4年目の池ヶ谷瑠菜だ。プロ1年目の頃は不調だったこともあるが、当時より30ヤードは伸びたとも付け加える。
 
その要因は、スイングの見直しやトレーニングの効果ももちろんあるが、「クラブを調整しました」と話す。昨年夏ぐらいからシャフトを中調子の『レクシスカイザ M』にし、長さを46から45.5インチと短くした。そして、ヘッドのウェイトビスを8グラムから一番軽い2グラムにチェンジ。クラブバランスは『C8』ほどになった。
 
「シャフトを替えて振りやすくなりましたし、さらにクラブを軽くしたことで、しっかり振れてスイングスピードが速くなったと思います」と、“振れるクラブ”にしたことが飛距離アップにつながった。
 
クラブバランスを軽くすることで、単純にスイングスピードが上がったり、振りやすさからミート率の向上が飛距離アップにつながるということだ。

女子プロたちがこれだけ『C』バランスを好んでいるのであれば、アマチュアにとって市販品のバランスは少し重いのかもしれない。


■先端が軽くなると操作性が増して当て感が強くなる

ギアに詳しいティーチングプロのQPこと関雅史が解説する。「市販のドライバーは、バランス『D1』とか『D2』が主流です。昔から『D2』にしておけば大丈夫みたいな流れはありますが、そこにこだわる必要はありません。女子プロのように、振り心地を優先して選ぶことの方が重要です」
 
『C』バランスが増えてきたのは「重心距離が伸びたことが大きい」と話す。技術の進化により重心距離を長くして慣性モーメントが大きい、ミスヒットに強いヘッドが増えた。「そもそも重心距離が長いと打ちづらくなるものです。打ちやすくするためにヘッドを軽くすると、ヘッドの特性を大きく変えずに振りやすさを得られます」。慣性モーメントが大きくフェースターンしにくいヘッドを軽量化することで操作性が高まる。
 
ヘッドの取り外し可能なウェイトを別売りにするメーカーが多いのも、この流れを見越してのモノといえる。仮にウェイト調整できないヘッドの場合は、「シャフトを切って短くするのが一番」と関は話す。
 
ただスイングタイプによって合う、合わないもある。「先(ヘッド)が軽くなるとテニスラケットみたいに操作性が増し、当て感が非常に強く、バチンと当てたい人には向いています。一方でヘッドが重いとハンマー投げの容量でヘッドを振り回して重さを利用して飛ばします。ヘッドの重みで飛ばしたい人にはバランスを軽くするのは合わない可能性が高いでしょう」
 
重いバランスで飛距離も方向性も満足できている場合には無理にやる必要はない。ただ、現時点で打開策を見いだせていない人は一度試してはどうだろうか。

解説・関雅史
せき・まさし/QPさんの愛称でおなじみのティーチングプロ。最新のクラブ性能に詳しく、ギアの性能をいかすスイング指導も高く評価されている。自身のスタジオ「ゴルフフィールズ」でのフィッティングとレッスンは予約が取りづらいほど大人気


<ゴルフ情報ALBA Net>
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