7月14日(火) 0:10
親から実家を無償で譲ってもらう場合、基本的には贈与として扱われます。贈与とは、財産をあげる人と、もらう人の合意によって財産を移すことです。現金を受け取る場合だけでなく、土地や建物を無料でもらう場合も贈与にあたります。
つまり、「タダだから税金もゼロ」とはかぎりません。税金の計算では、実際にお金を払ったかどうかよりも、どれくらいの価値がある財産を受け取ったかが重視されます。
贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。基礎控除とは、税金の対象から差し引ける金額のことです。1年間にもらった財産の合計が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
今回は、評価額1500万円の実家を譲り受けるため、この基礎控除を大きく超えます。そのため、通常は贈与税の申告と納税が必要になると考えたほうがよいでしょう。
親から子へ実家を贈与する場合、子がその年の1月1日時点で18歳以上であれば「特例税率」を使って贈与税を計算します。例えば、評価額1500万円の実家を1年間でそのまま譲り受けた場合を見てみましょう。
まず、1500万円から基礎控除110万円を差し引くと、課税対象になる金額は1390万円です。特例税率では、この金額に40%を掛け、さらに控除額190万円を差し引きます。
この課税価格1390万円に特例税率をあてはめると、贈与税の目安は「1390万円×40%-190万円=366万円」です。つまり、評価額1500万円の実家を無償で譲り受けると、目安として366万円の贈与税がかかる可能性があります。
ただし、ここでいう評価額は、売却価格や購入時の価格とは必ずしも同じではありません。土地は路線価などをもとに評価し、建物は固定資産税評価額を使うのが一般的です。実際の評価額によって税額は変わるため、固定資産税の通知書や路線価を確認してから判断しましょう。
実家を譲ってもらうときに注意したいのは、贈与税だけではありません。不動産の名義を親から子へ変更するには、法務局で「所有権移転登記」を行いますが、このときに登録免許税がかかります。
また、不動産を取得した人には、「不動産取得税」が課される場合があります。不動産取得税は、売買だけでなく贈与で不動産を取得した場合も対象になる税金です。住宅の場合は軽減措置を受けられることもありますが、適用には一定の条件があります。自治体によっては申告が必要になるため、通知が届いたら内容をよく確認しましょう。
さらに、実家を引き継いだ後は、毎年の固定資産税も負担することになります。たとえ住む予定がなくても、所有者になる以上、納税や建物の管理は避けられません。加えて、修繕費や草木の管理費がかかることもあるため、譲ってもらう前に今後の使い道まで考えておくことが大切です。
評価額1500万円の実家をタダで譲り受ける場合でも、贈与税がかかる可能性があります。名義変更の際には、登記費用や不動産取得税がかかる場合もあり、引き継いだ後は固定資産税などの負担も続きます。
ただし、実家を引き継ぐ方法は生前贈与だけではなく、相続まで待つ方法や相続時精算課税制度を使う方法が合うケースもあります。
どの方法がよいかは、親の財産全体やほかの相続人の有無、実家の使い道によって変わるため、名義変更を急ぐ前に税額の目安を確認しておくことが大切です。判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談しながら、自分たちに合った方法を選びましょう。
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4602 土地家屋の評価
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 財産をもらったとき
法務局 登録免許税の計算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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