クリストファー・ノーラン監督が、新作「オデュッセイア」で女神キルケを演じたサマンサ・モートンの演技を絶賛した。モートンの出演シーンは比較的短いものの、その演技は現場スタッフから拍手が起こるほど圧倒的だったという。ノーラン作品の現場で同様のことが起きたのは、約20年ぶりだという。
ノーラン監督は、米LAタイムズ紙のインタビューで、「これは大規模な映画であり、彼女はそこに入ってきて空気を変えた」と語った。「奇妙な言い方をすれば、この映画の成否はあのキャラクターにかかっていた。彼女は支点だった。私は以前からサマンサの仕事を尊敬してきた。彼女は役について非常に深く考え、その演技には限界がない。あるテイクのあと、スタッフが彼女に大きな拍手を送った。後で(プロデューサーで妻の)エマと話していたら、彼女は前回それが起きたのは『ダークナイト』のヒース・レジャーのときだったと覚えていた」と明かした。
モートンには、映画を鑑賞したジャーナリストたちからも称賛が寄せられている。英インディペンデント紙の批評家は、「サマンサ・モートンは、わずかな出演シーンで完全に作品をさらっている」と評した。
またノーラン監督は、神話上の人物たちを描くにあたり、知名度の高い俳優をそろえたかったとも説明している。「彼らは神話上の人物であり、ある意味で象徴的な存在だ。だからキャスティングでも、最高の俳優たちを集めたかった」と述べた。
苦悩する英雄オデュッセウスを演じるマット・デイモンについては、観客がキャラクターに近づきやすくなる演技力と、激しい身体的アクションをこなせる能力を理由に起用したことも明かした。
「私は以前マットと2度仕事をしているが、彼には観客との素晴らしいつながりがあり、観客を引き込む力がある」とノーランは語った。「この非常に複雑なキャラクターには、役の中に消えることができ、観客に対してとても開かれた俳優が必要だった。観客には、彼が犯す過ちを含めて一緒に進んでほしい。彼はたくさんの過ちを犯すからだ。『オデッセイ』でのマットはエブリマンであり、『ジェイソン・ボーン』シリーズではある種のスーパーヒーローだった。オデュッセウスは、その両方を併せ持つ存在だ」と解説した。
さらに、「私たちは本当に過酷なロケ地に向かい、船上での撮影も多かった。彼はそのプロセスを率いる助けになってくれた。懸命にボートを漕いだ男たちの一団を含め、ほかのキャストは彼を見ていたし、誰もが彼がこの映画のために何をしているのかを目の当たりにしていた。マットなしでは、サウンドステージで撮ったほうがよかったかもしれない」と振り返った。
「オデュッセイア」は9月11日全国公開。
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