AIで生み出された「俳優」として物議をかもしたティリー・ノーウッドが、初めて長編映画で主演を務めると、制作会社パーティクル6が発表した。
ティリー・ノーウッドは、ロンドンの制作会社パーティクル6が生成AIで作り出した、実在しない女性の「俳優」だ。2025年秋にお披露目されると、俳優の仕事を奪いかねないとして、ハリウッドで激しい反発を呼んだ。米俳優組合は「彼女は俳優ではなく、無数の俳優の演技を学習したプログラムにすぎない」と非難し、エミリー・ブラントやウーピー・ゴールドバーグといった実力派も相次いで懸念を示した。
そのティリー・ノーウッドが主演する新作は、「Misaligned(原題)」というコメディドラマだ。実体も、子ども時代も、自分自身の経験も持たないAIが、他人の記憶にだけアクセスできるという設定で、AIをめぐる混乱を、一人の成長物語として描くという。
制作会社を率いるエリーネ・ファン・デル・フェルデンは、この映画についてこう語る。
「間違いなく、笑えて、混沌としていて、自己言及的な作品になるでしょう。まさにティリーらしく。でもその奥には、アイデンティティーや、演じること、そしてAIに対する私たちのごく人間的な不安といった、もっと深いテーマがあります。ええ、芸術はまちがいなく現実を模倣することになるはずです」
ファン・デル・フェルデンによれば、AIで何がどこまでできるのかを示すのが、かねてからの狙いだという。今回の長編でも、監督や脚本家、編集者といった従来の映画人が、AIの専門家と組んで制作にあたる。同社は、そうした映画人の再教育も進め、AIの役割が増していく時代への橋渡し役になりたいとしている。
「Misaligned(原題)」の公開時期は、まだ明らかにされていない。
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