【F1】ホンダが「スペック2」を投入するまで......アンダーステアがひどすぎても、残り3戦で成すべきこと

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【F1】ホンダが「スペック2」を投入するまで......アンダーステアがひどすぎても、残り3戦で成すべきこと

7月8日(水) 11:05

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F1第9戦イギリスGPレビュー(後編)

◆レビュー前編>>

土曜午後に行なわれたイギリスGP予選。アストンマーティン・ホンダの結果は、最後尾の21位・22位に終わった。

Q1トップのイザック・アジャ(レッドブル)から21位のランス・ストロールまでの104.018%という大差は、過去3戦とほとんど変わりない。車体もパワーユニットもモノ自体が変わっていないのだから、それは当然のことだ。根本的な性能差は、どうすることもできない。

ただ、その低いポテンシャルすら最大限に引き出せず、ドライバーたちにフラストレーションを感じさせていたのが、これまでのアストンマーティン・ホンダだった。

イギリスGPは18位完走に終わったフェルナンド・アロンソphoto by BOOZY

イギリスGPは18位完走に終わったフェルナンド・アロンソphoto by BOOZY



しかし1週間前のオーストリアGP以降、挙動の一貫性が確立できるようになった。その結果、ドライバーたちが自信を持ってマシンの限界まで攻められるようになった。それが、このシルバーストンでも果たせた。

予選後のストロールは、思いのほか満足げな表情を見せた。

「今日は自分のラップ自体に満足だよ。マシンのなかで気持ちよくドライブすることができたからね。もちろん、最下位だからあまり意味はないけど、マシン自体は今までよりも満足できる状態だった。

スプリント予選よりも、いい仕上がりにできたと思う。スプリントレースでいくつかセットアップを試してみたけど、うまくいかなくて、それが裏目に出てアンダーステアがひどくなってしまった。でも、そこから予選に向けてうまく調整できたんだ」

シルバーストンでも厳しい戦いが予想されていた。だが、ライバルとの相対的な位置関係は別として、自分たちの持てるものをすべて出しきるという点では、満足のいく仕上がりにできた予選だった。

ホンダの折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネジャー兼チーフエンジニア(GM)も、前戦オーストリアでの手応えを今回も形につなげられたことに胸をなで下ろした。

「我々のマシンなりにある程度の一貫性があったので、予選ではどんどんアグレッシブに攻めていけました。シルバーストンは苦戦すると思っていましたし、実際にリザルト上も苦戦していますが、セッション後のミーティングでも『マシンのフィーリングは思ったほど悪くなかった』といい雰囲気でした。

それは、我々がやっているやり方が間違っていないという証明にもなります。すごくポジティブな面ですね」

【キャデラックに追いつくのも厳しい】ポジティブになった背景には、パワーユニットのセッティングやエネルギーマネジメントの最適化を進めるための「解析ツールの進化」がある。

どこでどうエネルギーを使うかというエネマネ(エネルギーマネジメント)には、無数のパターンがある。だが、人間の頭脳で考えられる数には限りがある。短いセッション間の時間で進められる最適化にも限度がある。

そこを解析ツールの進化・改善によって、正確かつ迅速に最適化を図れるようになってきた。それがハンガリーGPで改良型マシン、オランダGPでスペック2エンジンが投入されるまでに進めておくべき準備作業だ。

「現状では入賞争いは難しいですし、予選でキャデラックに追いつくのも厳しい状況です。しかし我々のなかでは、スペック2が投入されるまでにオペレーションのやり方を改善しようとしています。

具体的には、エネマネやドライバビリティの最適化を行なうシミュレーション・データ解析ツールの効率を上げること。これにより、短い時間でより最適なセッティングに近づけるようになります。

ICEのパフォーマンスが低かろうが、ツールの最適化やオペレーションの改善は可能です。スペック2が投入されるオランダGPまでの残り3戦は、とにかくその部分をよくしていくこと。そして、燃焼の仕方がガラッと変わるであろうスペック2が出た時に、いかに早くパフォーマンスを出しきれるようになるか。それが主要テーマだと考えています」(折原GM)

現状のAMR26のマシンパッケージから最大限の性能を出しきっても、予選では104%以上の遅れをとり、決勝ではライバルと戦うことができず、チームメイト同士で疑似レースを展開するしかない状況だ。アンダーステアがひどすぎて、いつものソフトタイヤを中心に使う戦略を採ることもできなかった。

それでも、今やれる最大限のことをやった。それがイギリスGPだった。

「(チームメイト同士でも)競い合っていればICEの回転領域は変わってきますし、温度環境も変わってきます。 そういったなかで、まずはどういう最適なオペレーションができるか。

スイッチをどう選ぶかは、我々のエンジニアにとっても学びがあります。ICEの振る舞いに関してもデータが得られますので、そういった一つひとつのデータは今後の開発に間違いなく効いてくると思います」(折原GM)

目の前の結果だけを見れば、絶望したくもなる。しかしそれは、「開幕時のつまずき」という過去が生み出したものだ。過去は変えられない。

だが、未来は変えられる。未来を変えるために、今、努力をする。遠かったその未来は、目の前まで近づいている。



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