2026年のアメリカのホラー映画界は、すでに波乱に満ちた1年となっている。米バラエティが26年上半期のホラー映画ベスト10をランキング形式で発表した。
バラエティは、低予算ながら興行的成功を収めた作品から、世の中が必ずしも必要としていなかった続編もあったが、その多くが良作から秀作と呼べる出来だったことはうれしい驚きであり、映画館をにぎわせる要因にもなったと評価している。
今回、選考対象となったのは、2026年にすでに正式公開された作品のみ。したがって、映画祭で話題となった作品や、まだ劇場公開されていないタイトルは対象外となった。
米バラエティが選ぶ2026年ホラー映画ベスト10は以下の通り。
■10位:「バックルームズ」(A24)
ケイン・パーソンズによる、目もくらむほど完成度の高い作品。キウェテル・イジョフォーとレナーテ・レインスベを、閉塞感と混乱、圧迫感に満ちた終わりなきリミナルスペースの迷宮へと放り込む、トーンと緊張感の傑作である。パーソンズが次の章で何を見せるのか、さらには自らの空間的制約を超えた場所で何を生み出すのか、期待が高まる。
■9位:「8番出口」(Neon)
川村元気によるゲーム原作の映画化作品。二宮和也が演じる男は、地下鉄の長い通路を歩き続けることから逃れられず、果てしない反復の中に閉じ込められる。やがて彼は、前へ進むための小さな手がかりを見抜き、自身の人生や決断がもたらす暗い反響をくぐり抜けながら、出口へ向かおうとする。仕掛けそのものはやや引き延ばされているようにも感じられるが、それは必然でもある。観客もまた主人公と同じように閉じ込められ、絶望していくからだ。脱出につながる新たな細部が現れるたび、そこには新鮮な空気が流れ込む。
■8位:「Mārama(原題)」(ダーク・スカイ・フィルムズ、ウォーターメロン・ピクチャーズ)
タラトア・スタッパード監督によるゴシック譚は、マオリ文化と、それをほとんど消し去ろうとした植民者たちを見つめる。アリアナ・オズボーンは、タイトルロールのマラマを魅惑的に演じている。ヴィクトリア朝時代が舞台で、主人公は自身の血筋について知るためにイングランドへ渡り、やがてマオリの遺産に強い関心を抱く謎めいた男のもとで家庭教師となる。物語が暗さを増すにつれ、スタッパードのビジョンはいっそう豊かになり、邪悪な気配が濃密に漂う。
■7位:「Faces of Death」(インディペンデント・フィルム・カンパニー)
「ジャンク 死と惨劇」の新版が公開されるという発想は、かつては考えにくいものだったかもしれない。しかし、イサ・マッゼイとダニエル・ゴールドハーバーの創造的なコンビは、この伝説的な異物を、より深い動機を持つ引き締まった連続殺人映画へと変換してみせた。マッゼイとゴールドハーバーは、インフルエンサー文化やオンライン文化に対する鋭い観察を盛り込み、主人公は目立たず、記憶に残らないように振る舞う殺人者として、本当にぞっとさせる存在感を放つ。
■6位:「28年後... 白骨の神殿」(ソニー・ピクチャーズ)
ゾンビ映画に知的で情感豊かなひねりを加えたシリーズ第4章。監督を務めるニア・ダコスタは、観客の予想をほとんどすべてかわしてみせる。レイフ・ファインズが演じるイアン・ケルソン医師は、感染拡大後の世界でひとり暮らしをしており、アンデッドの友人の助けを借りながら、治療法の発見に近づいていく。アレックス・ガーランドの鋭い脚本には、思索的な瞬間がいくつもあり、さらにはアイアン・メイデンの楽曲に合わせた奇妙なダンスシーンまで登場する。さらなる続編を求めずにはいられない作品だ。
■5位:「Leviticus」(Neon)
オーストラリアを舞台に、2人の少年の繊細な恋愛を描く物語は、宗教的な転向療法によって悪夢へと変わる。彼らが最も愛する相手が、自分たちを殺そうとする存在へと変貌してしまうのだ。そこから主人公たちは、想いを寄せる相手が本物なのか、それとも血を求める怪物なのか、判断できなくなる。心に響くやわらかなロマンスを築きながら、露骨な恐怖よりも緊張感で見せる。それでも、今年これ以上に心を揺さぶるホラー映画はそう多くないだろう。
■4位:「ゼイ・ウィル・キル・ユー」(ワーナー・ブラザース ピクチャーズ)
ザジー・ビーツが、ホラー、アクション、コメディを融合させた本作で、凄腕の格闘家エイジア・リーブスを豪快に演じる。メイドとして働く妹が誘拐されたと考えたエイジアは、あるホテルに潜入する。そこで彼女は、悪魔崇拝カルトに忠誠を誓う無数の敵たちと戦うことになる。敵は無敵だが、切断や損傷は可能で、その結果、外れた眼球が這い回るといったシュールな場面も生まれる。「キル・ビル」を思わせる序盤の対決や、舞踏室でのたいまつに照らされた乱闘など、派手な見せ場も豊富だ。
■3位:「Touch Me(原題)」(イエロー・ベール・ピクチャーズ)
アディソン・ハイマン監督による、エイリアン・クリーチャー映画の大胆な変奏。触手セックス、ドラッグ、日本映画、80年代ヒップホップダンス、そしてスループルなど、無数のインスピレーションが混ざり合っている。それでいて本作は、万華鏡のような冒険譚でもある。だらしない生活を送る女性と、彼女のゲイの親友は、地球外生命体と関係を持ち始める。しかし、そのエイリアンはある計画があり……。ユーモアと予測不能な瞬間に満ちた本作は、ハイマンの頭の中を旅するような楽しさがある。
■2位:「Hokum」(Neon)
古典的な幽霊屋敷ものの魅力に満ちた、ダミアン・マッカーシー監督の最新作。アダム・スコット演じるオームは、秘密に満ちたアイルランドのホテルへ足を踏み入れる。閉じ込められた彼は、次々と起こる超自然現象に飲み込まれる前に、殺人事件の謎を解かなければならない。やがてその自己認識の旅は、死体に何が起きたのかという謎と同じくらい魅力的になっていく。全編を貫くのは、上質なジャンプスケアの数々。満員のシネコンで楽しむのにふさわしい、最高のジェットコースター体験だ。
■1位:「オブセッション災愛」(フォーカス・フィーチャー)
物語そのものはシンプルだが、ねじれた恐怖演出と、インデ・ナバレッテによる記憶に残る名演によって、その恐怖は観客の心の奥深くに入り込む。数えきれないほどの衝撃的な場面は何カ月にもわたって議論され、救いのない結末によって、本作は劇場を出たあとも忘れがたい一本となった。
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オブセッション災愛
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