日本国内における「アイホン」の商標権を持っており、Appleはライセンス契約をして「iPhone」を日本で販売している
『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!
今週の研究対象
宅配ボックス(アイホン)
「最近、マンションの宅配ボックスが埋まっていて、再配達になることが多い」。そんな不満を漏らす助手に対し、すべてを投資のチャンスに変換する所長は......?
助手
最近、うちのマンションの宅配ボックスがいつも埋まってるんです。オートロックで配達員さんが中に入れないから置き配もできないし、再配達してもらうのも手間です。配送業者にとっても非効率だろうし、どうにかならないですかね?
坂本
インターホンのメーカー、アイホンは再配達を解消できる仕組みをつくってますよ。
助手
インターホンと再配達になんの関係があるんです?
坂本
オートロック付きマンションってモニター付きのインターホンで来訪者を確認して、インターホンから共用玄関を開けるじゃないですか。つまり、インターホンのメーカーはマンション入り口の解錠システムを押さえているわけです。で、その解錠システムを応用して、届け先不在でもオートロックを通れるようにすれば、置き配できるでしょ。
助手
確かにそうですけど、どうやって配達員さんだけを選別してオートロックを解除するんです?あらかじめ合鍵やパスコードみたいなのを渡しておくのは若干怖いですよ。
坂本
もちろんそこは考えてます。アイホンが提供する「Pabbit」は、荷物の伝票番号などを使って認証し、配達時だけオートロックを開けられるんです。これなら実際に荷物があるときだけ開くから、防犯と置き配を両立しやすい。
助手
それなら安心。ただ、便利だけど業績を左右するほどですか?
坂本
実は、置き配の推進は国策みたいなもんなんです。というのも、ネット通販で荷物は増えている一方、物流側には余裕がありません。2024年からトラックドライバーの時間外労働に上限が入ったので、長時間労働でなんとか運ぶやり方を続けられなくなったからね。そんな状況で再配達なんてしてる場合じゃない。だから政府が「物流革新に向けた政策パッケージ」で再配達率を下げる方針を掲げ、マンションでの置き配を進めているんです。
助手
まさか国が置き配を奨励してるとは。「国策に売りなし」って言うから、やっぱり有望なのかな。
坂本
と思うよ。マンションのインターホンは、古くなれば建物全体で入れ替える時期が来ます。そのときに「置き配対応できます」と提案できれば強い。画面がきれいになるだけでなく、防犯面から宅配の利便性までまとめて改善できるからね。
助手
新築時だけじゃなく、古いマンションでもチャンスがあると。
坂本
そう。ちなみに、集合住宅向けの売り上げは2026年3月期に前期比2.3%増。インターホンの入れ替え時にPabbitの導入提案が効いたと発表されています。
助手
実際に好感触なんですね。でも、インターホンの入れ替えって10年に1度くらいじゃないんですか?なかなか儲かるチャンスがなさそう。
坂本
変化の兆しはあります。Pabbitをきっかけに、利用料など継続収益を厚くできる可能性があります。売り切りだけの会社から、設置後も稼げる会社に変わるという期待があるんです。
助手
具体的に、業績に変化が?
坂本
残念ながらまだだね。昨期は営業減益で、Pabbit単体の収益貢献も細かくは公開されていません。だからこそ、今後の決算で継続収益が見えてくれば、市場の評価が変わる可能性があります。
助手
投資にはまだ早いですか?
坂本
短期で結果が出る株じゃないけど、配当利回りはいいし、少し買って会社の変化を待つのはアリだよ。
今週の実験結果
配当をもらいながら会社の収益構造が変わるのを待つのもいいと思います!
構成/西田哲郎撮影/榊 智朗
【関連記事】
【図表】アイホン(6718)株価の値動き
■世界的な抹茶ブーム。投資するなら茶葉じゃなくて粉末?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】
■日銀利上げで住宅ローン金利も上昇。追い風になりそうな企業はある?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】
■首都圏マンションの価格高騰。資材不足で不動産会社はもっと儲かる?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】
■日経平均7万円突破でも買える「割安お宝株30選」