【写真】あれから30年…「波うららかに、めおと日和」で小木茂光と夫婦役を演じた和久井映見
音楽というのは昔の記憶を呼び起こす力がある。今から30年前の1996年に、Mr.Childrenの「名もなき詩」を主題歌にしたドラマ「ピュア」(フジテレビ系)が放送された。軽度の知的障害をもつ主人公・優香(和久井映見)とフリー記者の徹(堤真一)が心の交流をしていくヒューマンドラマだ。優香と徹が両想いとわかった後で、2人を悲劇が襲う。そのときにかかるBGMが涙を誘う最終話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)
■一躍時の人となった優香が周囲に影響を与えていく
ドラマ「ピュア」は、オブジェ作りに関して天性の才能を持っている主人公・優香(和久井)が、とある芸術賞の大賞を受賞し、一躍時の人となって心身の変化を感じていくストーリー。出演は他に、優香のいとこ・涼役に高橋克典、母・孝子役で風吹ジュン、涼と同じ洋食店で働くウェイトレス・マチ子役に高岡早紀、徹の出入りする出版社で実習生として働く麻子役に篠原涼子ら。ただ、家族で淡々と作品作りをする毎日から一転、優香の人生は徹と出会ってから輝きを増すばかりか、人を愛する気持ちを知っていく。
■優香は徹と約束「どんなときも作品を作り続ける」
最終話の第11話は「永遠の約束」。折原家のアトリエの優香と涼(高橋)。「徹さんと約束したもん…。どんな時でも、作品を作り続けるって…」と優香。涼が優香の腕を掴み、「優香、あいつのことなんか忘れろ!俺がいるから!優香…愛してるから」と叫ぶ。アトリエの扉の前で、二人の会話を聞いている孝子(風吹)。
徹のマンションでは、徹が手に持った封筒を見つめる。しかし、何かを思いなおしたように、それをゴミ箱に捨てて、静かに部屋を出て行く。ゴミ箱の中には優香宛ての手紙があった。
優香は夜遅くまで、一心不乱にオブジェを製作している。孝子は心配そうに「もう夜遅いから寝たほうがいい」と言い、優香は「徹さんと約束したから作品を作り続ける」と答える。優香は壁にカレンダーを貼り、徹に会える日を楽しみにして作品を作り続ける。優香によって次々と作られていく折れた翼のオブジェ。まるで何かにとりつかれているようだ。コートを着た優香が完成したオブジェを持って、どこかに出かけていく。
■無数のオブジェを作った優香…しかし徹が事故に遭ってしまう
その頃、海に近い駅でマチ子(高岡)が徹を見かけ、涼に徹を発見したと電話をする。だが、涼は「もう、あいつは俺たちと関係ない。優香に忘れさせたいんだ」と強く言う。優香のアトリエに麻子(篠原)がやってきた。オブジェを持って出かけようとする優香にどこへ行くのかと尋ねる。にっこりと微笑み、「優しい場所です」と答える優香。
優香がオブジェを運びこんでいた場所は、徹の育った児童養護施設だった。周りがどんなに反対しても優香の心は徹へと向かっていた。無数に並ぶ翼のオブジェを見て、徹の閉ざされた心が動き出す。
しかし、最終話の中盤で事故が発生。徹の身に降りかかり、2人の運命は非情にも悲しい方向へと向かってしまう。そんな中、優香が徹からの手紙を受け取り、慣れない音読でなんとか内容を読み上げる姿がなんとも切ない。その場面でBGMとして、主題歌ではなく同じMr.Childrenの「抱きしめたい」が流れるのだ。“あの時期のミスチル”といえばセールスも人の心への浸透度も無双状態で、歌の力も大きく加わった感動的な最終話である。
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