キャンディーズの全力“コント”にギャップ萌え――飴玉詰め合わせのような伝説番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」の魅力

「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」#3(1976年10月25日放送)/(C)渡辺プロダクション

キャンディーズの全力“コント”にギャップ萌え――飴玉詰め合わせのような伝説番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」の魅力

7月4日(土) 12:00

「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」#3(1976年10月25日放送)
【写真】社会現象を起こした石ノ森章太郎デザインの”デンセンマン”を見る

キャンディーズ、加山雄三、布施明、伊東四朗、小松政夫…と異色のトップスターと共に笑いがムギュッと詰まったハッピーボックスのような伝説のバラエティ「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」が、7月6日(月)夜10時40分よりCSホームドラマチャンネルにて奇跡のアンコール放送を果たす。

一世を風靡した同番組は、昭和のテレビ史に燦然と輝く、歌あり、トークあり、コントあり、ドラマありのまるで豪華アソートセットかのようなワクワクするバラエティ。「チュチュンがチュン!」――約50年の時を超え、あの伝説の狂騒曲が令和のお茶の間に鳴り響く。トップアイドルの概念を覆し、お茶の間を社会現象に巻き込んだ同番組は今観ても色褪せない。それどころか今のテレビにはない“贅沢すぎる笑い”をキャンディーズの姿を中心に紐解きたい。

■トップアイドルの華麗なステージから、“悪ガキ”へ…ギャップ萌え

本作の何が凄いかといえば、キャンディーズの魅力を120%味わい尽くせるそのバラエティの豊かさだ。オープニングでは、当時人気絶頂だった3人の大ヒット曲や洋楽ナンバー、加山とのゴージャスなデュエットなど、トップスターらしいキラキラと華やかな歌のステージで魅了する。

だが、そこからの落差が凄まじい。名物コント「悪ガキ一家の鬼かあちゃん」をはじめとしたコーナーでは、その輝かしいオーラを脱ぎ捨てて全力でコントに挑戦。伊東が演じる鬼かあちゃんに懐く“悪ガキ”として、コメディエンヌの才能を爆発させるのだ。きらびやかな衣装から一転、汗をかきながら笑いに魂を売る3人の愛らしい姿。この高低差が激しいギャップに、観ているこちらの胸も激しく撃ちぬかれる。

どうして、全力で“悪ガキ”になりきってコントしているのに、こんなにも可愛らしいのだろうか。やっていることは全くキュートではないのに、ずるいと思うほどステージとはまた違った3人の魅力が飴玉のように輝いている。

■伊東四朗×小松政夫の絶大な包容力!真剣に「はしゃぎ、弾けた」愛おしき疑似家族

元キャンディーズの伊藤蘭は、当時を振り返り、「伊東さんと小松さんの包容力は絶大で、とても安心感がありました」と語っている。その言葉通り、同番組の核にあるのは出演者たちの温かい関係性ではないだろうか。

阿呆キャラ・ベンジャミン伊東として「電線音頭」を踊り狂う伊東と、卓越した強烈なアドリブを繰り出す小松。その天才たちの真摯な背中を見ながら、3人は安心してはしゃぎ、弾け、お笑いを学んでいった。

画面から溢れ出るのは、単なる仕事の共演者という関係性ではない、本当の家族のような温かさと信頼感。それは加山に対しても然り、まるで兄と妹のようなほっこりとする安定感がある。だからこそ、彼女たちはグループ解散という激動の時期にありながらも、最後まで「自分たちらしく明るくポップに」青春を駆け抜けることができたのだろう。その尊い絆のきらめきは、こちらの心まで太陽のように温かく照らしてくれる。

■歌、コント、まさかの本格スポ根ドラマまで…1秒も無駄がない贅沢なエンタメ

さらに驚くべきは、番組のワンコーナーでありながら本格的なスポ根ドラマ(バレーボールや柔道)まで盛り込まれている点だ。キャンディーズのフレッシュな演技に、森山周一郎の渋いナレーションが重なるドラマパートは、これ単体でも見応え十分。

漫画家・石ノ森章太郎氏がデザインした人気キャラクター・デンセンマンは社会現象となり、小松がしらけ鳥のパペットと歌う「しらけ鳥音頭」もそれに劣らぬ人気を博した。また、加山と荒井注によるミニコーナー「若大将とハゲ大将」など、シュールな笑いのコーナーもあり、まさに“バラエティ(多様性)”の名にふさわしい贅沢でキラッキラな“キャンディー”詰め合わせのような番組。他にも東八郎、西田敏行、海援隊(武田鉄矢、中牟田俊男、千葉和臣)ら、豪華出演陣が活躍し、制作陣と出演者の「人々を楽しませたい!」という愛情が1秒の無駄もなくギッチリギチギチに詰め込まれている。

テレビが最も元気で、最高にハッピーだった時代の空気。間もなく解散を迎える瞬間にあったキャンディーズが、最も輝いた青春の1ページ。大人も子どももテレビの前に集まって「チュチュンがチュン」と笑い転げたあの至福の時間を、そのまま包み込んだかのような飴玉を、令和の今、味わってみてはいかがだろうか。

構成・文=戸塚安友奈



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