私はルミ。夫のカイト、そして幼稚園年中の息子リクとの3人家族です。ある日私はママ友のショウコさんが困っているのを見かねて、リクの折りたたみ傘を貸してあげました。しかし翌日ショウコさんから返されたのは、出所の分からない薄汚れた傘。あまりに雑なショウコさんの対応に怒りがおさまりません。その後カイトにアドバイスされ、私は割り切った付き合い方をしようと決めました。「今後は一切、手を貸さない」と心の境界線を引いたのです。
お迎えのときに突然降り出した雨。ショウコさんは私の姿を見つけ、当たり前のように傘を借りようとしてきます。私はあらためてカイトが言っていた「大切にする基準が違う」という言葉を噛み締めました。そして笑顔で返したのです。
ショウコさんは私に「断られた」ことに気づいたのか、一瞬驚いたような顔をしていました。以前の私なら確実に、無理をして差し出していたでしょう。でも今は違います。貸さないことで守れるものが、たしかにあるのです。
私が笑顔でショウコさんのお願いを断ると、リクは私の手をぎゅっと握りました。「もう誰にも貸さない」という約束が守られたことを、しっかり理解してくれたのでしょう。
そうして私たちは晴れやかな気持ちで家路につきました。新しい折りたたみ傘の鮮やかな緑色が、雨の中に映えます。少し先にいるショウコさんが、ソウタくんを連れて雨の中を走っていくのが見えました。境界線の向こう側と、こちら側。……私とショウコさんの間にはもう、ハッキリと境界線が引かれたのでした。
原案・ママスタ脚本・motte作画・マメ美編集・井伊テレ子
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