ランヴィール・シン“神の仕事”に命をかける「インド映画が世界の中心に立つ瞬間を、僕はこの目で見たい」【「ドゥランダル作戦」インタビュー】

「ドゥランダル作戦」(7月10日公開)

ランヴィール・シン“神の仕事”に命をかける「インド映画が世界の中心に立つ瞬間を、僕はこの目で見たい」【「ドゥランダル作戦」インタビュー】

7月3日(金) 18:00

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ムンバイ同時多発テロなど実際に起こったテロ事件や、実在の人物をベースにしたインド映画「ドゥランダル作戦」が、7月10日に公開される。映画.comでは、主演ランヴィール・シンのオフィシャルインタビューを入手した。

【動画】「ドゥランダル作戦」本予告

本作は、死刑を宣告された男・ハムザ(ランヴィール・シン)が過去も名前も捨て、国家の存亡をかけた潜入作戦に挑む姿を描くリアルスパイアクション。物語は、パキスタン最凶のギャング組織へ潜り込んだ末に、壮絶な諜報戦と銃撃戦が展開され、“国VS国”、“スパイVSテロリスト”、“ギャングVSギャング”という三つ巴の思惑が交錯。緊迫の潜入劇と血塗られた抗争が息つく暇もなく繰り広げられる重厚な人間ドラマだ。

シンは、初めて完成した映像を目にした瞬間の衝撃を振り返り、「いや、本当に……あれは一体何だったんだろう。その映像を観ながらずっと心の中で“うわ、やばい、やばい”って言っていました。僕の想像を遥かに超えていました」と笑う。

普段は俳優が自らの“プロセス”を語ることを好まないという。だが、この作品に関しては例外だと断言する。

「僕は、あんまり“役作りがどうこう”って語るの好きじゃないんです。魔法が薄れる気がして。でも今回は言わせてほしい。僕たちは“もっと先へ行く”ために挑戦した。インド映画を世界へ押し出すために。今はまさにインドが世界の舞台に立つ瞬間で、僕たちはその中心にいたいんです。脚本を初めて読んだときの衝撃も鮮明に覚えていて、最初に話を聞いたとき、“え、こんなこと本当にあったの?”って言葉を失いました。信じられないほどの真実の物語なんです」

複雑で多層的でありながら、技術的にも驚異的な精度で構築された物語。そして、インドを代表する撮影監督ビーカス・ノゥラカーが作り上げた映像世界については、「あの人は天才ですよ。世界のどんな映画と比べても遜色ない。いや、むしろ勝っている部分がある」と語る。緊張感と没入感に満ち、狙っていないのに“マス”がある。「商業映画として成立しながら、完全にリアルで説得力がある。僕たちがいつも目指している理想の地点にある作品なんです」とした。

本作を“単なる出演作”ではなく、インド映画を世界の中心へ押し出すための大きな一歩だと捉えている。映像を初めて観た瞬間の衝撃を振り返り、「ただただ圧倒された。自分がこの映画の一部でいられることを誇りに思う」と語る。その興奮の奥には、作品そのものへの確信と、インド映画の未来に対する明確なビジョンがある。

本作を「インド映画が世界に向けて発信するべき“新しい姿”」と位置づける。複雑で多層的な物語構造、世界基準の技術的完成度、そして“狙わずして大衆性を持つ”稀有なバランス──そのすべてが、インド映画の可能性を押し広げるものだと語る。

「今はインドが世界の舞台に立つ瞬間。僕たちはその中心にいたい。インド映画を世界に示したい」

その言葉には、単なる意気込みではなく、作品を通じて“証明する”という強い意志が宿っている。

共演者について語るとき、シンの声には尊敬と愛情が混じる。子どもの頃から舞台やテレビで観てきたラーケーシュ・ベーディーと同じ画面に立てたことを「誇り」とし、「彼の49年のキャリアの中でも、これは代表作になるはずです」と説明する。R・マーダヴァンについては「彼は本当に“演技の教科書”みたいな人なんです。特殊メイクを3~4時間つけ続けるなんて普通できない。でも彼は毎日それをやって、しかも圧倒的な芝居をしていた。世界が驚きますよ」という。

アルジュン・カプールについては、「彼は怪我しても転んでも血が出ても、“行こう、続けよう”って言うんですよ。あれはもう“獣”でした。本当に」と、外見の美しさだけで語られる時代が終わり、その奥にある深さと演技の幅がようやく理解され始めたと話している。

そしてサーラー・アルジュンを“天才”と呼び、「ダコタ・ファニングが現れたときの衝撃を思い出しました」と語る。「何千人もの候補者の中から役を勝ち取ったのは当然だと思いました。落ち着きと技術は、まるで50本の映画を経験してきたかのよう。彼女と共演すると、僕まで良く見えるんです」と惜しみなく称賛を送る。

さらに、どんな作品でも“場面をさらってしまう”アクシャイ・カンナーの存在、そして子どもの頃からのスクリーン・アイドルであるサンジャイ・ダットと同じ作品に立てた喜びを、少年のような熱で語る。

作品を率いたアディティア・ダール監督については、「彼は“優しすぎる”くらい優しいんです。いつも笑顔で、怒ったところを見たことがない。でもね、その笑顔のまま、とんでもない映像を作ってくる。彼は本物ですよ」と述べ、監督が本作の制作を“Act of God(神の仕事)”と呼んだ理由についても触れ「俳優もスタッフも全員が“神がかった状態”で作品に向き合っていた」と述懐。

「1年半、16~18時間の撮影を続けても誰ひとり文句を言わなかった。全員が“この映画のためなら命をかける”という気持ちで集まったんです」。

そして監督がインド映画を世界へ押し上げることを「国家的使命」と語っていたことに触れ、「彼が“世界に見せるんだ。俺たちが何者かを”って言ったとき、僕は震えました。ああ、この人についていけば間違いないって」と、そのビジョンに深く共鳴したという。

自身も、撮影現場で“ショットのためなら何でもやる”という姿勢を貫いた。撮影後も現場に残り、アシスタントの仕事を手伝っていたという。彼にとって本作は、俳優としての挑戦であると同時に、インド映画の未来を切り開くための“使命”でもあった。

「この2年間、この作品の一部でいられたことだけで、僕はもう勝ったような気持ちです。皆で全力を出し切った。これはチームスポーツです。僕は幸せです。是非、劇場で“体験”してほしい」。

その言葉には、俳優としての誇りと、インド映画の未来を担う覚悟が鮮明に浮かび上がる。

【作品情報】
ドゥランダル作戦

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