4月期ドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』での演技が話題を集め、7月期もドラマ『ラストノート』が控える
桜井日奈子
(29歳)。映画最新作『死神バーバー』では、死神が営む美容室に迷い込んだ美容師役で主演を務めている。
そんな彼女が、家族との距離感や「自分の言葉」を持つことへの葛藤、そして体型維持の秘訣まで率直に語った。
髪を触られるとつい……この現象に名前を付けたい
——『死神バーバー』では美容師の佐伯美帆を演じています。仕事は頑張っているのに空回りしている、そんな印象の女性ですが、最初に台本を読んだ時の率直な感想を教えてください。
桜井:
人間関係がうまくいっていないんですよね。職場でも、彼氏に対しても、親に対しても。人生でちょっとくすぶっているところがあって。でも、人間関係をうまくする方法を実は彼女は知っているはずで。知っていてもできない、素直になれないところだったり、自分の弱さを周りに見せたくないということで強がっている女の子、という印象がありました。
——一方で、美帆はお客さんとの会話が上手で信頼される美容師です。桜井さんは、お仕事でヘアメイクさんとも接する機会が多いと思いますが、ヘアメイクさんや美容師さんへの印象は。
桜井:
そうですね。日頃からヘアメイクさんにはお世話になっています。劇中でもありますけど、髪を触られているとつい話しちゃうんですよね。すごくプライベートなことも話したくなっちゃう。あれは何なんでしょう。この現象に名前を付けられそう(笑)。美帆も、そういう空気を醸し出しているのだと思います。同僚たちとはちょっと違う、お客さんに向ける顔がある人なのだと思います。
「あなたが帰ってくる時は、何かあった時だから」
——今回演じられた「美帆」は周囲には弱さを見せられない部分があります。ご自身と重なるものはありましたか?
桜井:
私、親に対してちょっとカッコつけちゃうところがあって。心配かけたくなかったりして、仕事のことに限らず、悩んでいることもあまり言わないんです。美保純さんが演じてくださったお母さんとの距離感も含めて、うちの家族の距離感と似ているかなって。うちの母は、私があまり困っていることを喋らなくても「あなたが帰ってくる時は、何かあった時だから」と言って、話を聞いてくれたりします。
——桜井さんといえば、お母さんの卵焼きが大好きだと昔からお話されてきました。ご家族で仲がいい印象ですが、何でも話すわけではないと。
桜井:
仲はいいんですよ。家族で旅行に行ったりもしますが、何でもかんでも話すわけじゃない。というか、心配かけたくない、というのが正直なところです。
「自分の言葉」を持つ人たちへの憧れ
——「日々を懸命に生きる全ての人の背中を押してくれる作品になっている」とコメントされていましたが、桜井さん自身が、エンタメ作品を通じて背中を押してもらった、という経験はありますか?
桜井:
エッセイが好きなんです。特に大久保佳代子さんと、ヒコロヒーさんと、シソンヌのじろうさん。3人とも、もともと好きな芸人さんで、みなさんエッセイを出されていて読んでいるんですけど、この3人に共通して言えるのが「自分の言葉をちゃんと持って、日常をエンタメにしている人たち」なんです。そういう方々に憧れています。芸人でありつつ、他のフィールドでもたくさん活躍されているし。どうしたらああなれるんでしょうね、答えが見つかりません(笑)。
——お三方とも独自の世界観を持ちながら、自分を客観視できていそうです。
桜井:
そうですね。最近こうした取材の時に、自分の大事な作品を、ちゃんと自分の言葉で「こういうところを見てほしい、こういうところが魅力だと思っています」と伝えてこられただろうか、ということをすごく考えるんです。いろんなプロが関わって、ライターさんもそうだし、事務所の方がいろいろ調整してくださったりして、情報はちゃんと世に伝わっているはずなんですけど、自分の言葉の拙さみたいなのを痛感します。
一生役者をやっていくためにも、ちゃんと言葉と向き合いたい
——取材する側が言うことではないのですけど、作品完成後の宣伝だけでも大変だと感じます。
桜井:
以前は「まだ若いから」みたいなのが許されていた節があるけれど、30歳も見えてきて、そろそろちゃんと言葉を武器にして生きた方が、自分がなりたい役者であり人間に近づけるかなと。日本語って難しいですよね。些細なニュアンスで意味が変わる。俳優をやっているのに台本を読むのが少し苦手なところがあって。行間を読んだりとか。難しいけれど、一生やっていきたいと思うのであれば、やっぱり言葉とは向き合わないといけないと思っています。
——ご自身でもエッセイを書いてみたいとは。
桜井:
思います。出してみたいです。あとラジオもやってみたいです。ラジオって、家事をしながら聞いたり、ひとりでご飯を食べながら聞いたりすると、誰かと食べているような気持ちになったりして、日常に寄り添ってくれるものだと思っていて。でも、ラジオもやっぱり言葉じゃないですか。だから本当に勉強したいんです。
体型維持のために心がけていたこと
——少し話題が変わりますが、桜井さんといえば『桜井日奈子10周年記念写真集 鴇色』(2024)での体づくりも話題でした。その後も健康習慣を続けているとのことで、30代以上のサラリーマンにも続けやすい運動や食事などの習慣があれば教えてください。
桜井:
ストレスが本当に大敵なんです。ダイエットしようと思って、甘いものやめましょう、揚げ物やめましょう、お酒やめましょうとすれば、たしかに一時的な体型管理はできます。でもそれって長く続けられませんよね。「ダメ」って言われるとしたくなっちゃうのが人間で、逆に食べ物に執着してしまう。私は自分のルールとして「ダメ」をやめて、食べていい、飲んでいいけど量を調節しよう、というやり方にしたら、甘いものにあまり執着しなくなりました。
——「これくらいしか」ではなく「これくらいなら」食べていいという変換ですね。
桜井:
そうですね。あと運動も「やらなきゃ」ではなく「やりたい」に変わるまで習慣づけることが重要だと思います。人って3週間くらい続けると習慣になっていくらしいんです。だから頑張って3週間続けてみて、「やらなきゃ気持ち悪い」という域までいけたら、あとはもうこっちのものです。
「自分のため」ということに気づけない人は変われない
——そこまでがなかなかできないんですよね。あえて愛ある喝を入れてもらえませんか。
桜井:
喝ですか(笑)。うーん、そうですね。結局、それが自分のためだということに気づけない人は変われないと思います。
——おお!
桜井:
言われてやっていると、「やらされている」というゴールになってしまうので。私も昔、厳しく管理してもらっていた頃は、「やらされている」という気持ちが強かったと思います。でも、ちょっとずつ体型も変わってきて、メンタルも変わってきて、変わってきた自分が好きになっています。だから、あえてキツいことを言うなら……。変われなくていいなら、やめていいんじゃないですか、と(笑)。
——よき喝をありがとうございます!
桜井:
(笑)。幸せなのが一番ですから。もしもご自身で変わりたいと思っているのなら、変わった先にきっともっと幸せが待っていると思って、まず3週間、ぜひ頑張っていただきたいです。
<桜井日奈子>
1997年4月2日生まれ。岡山県出身。2014年、「岡山美少女・美人コンテスト」の美少女グランプリを受賞。2016年に舞台「それいゆ」で舞台デビュー。以降、映画「殺さない彼と死なない彼女」('19年)など話題作に多数出演。直近ではドラマ「余命3ヶ月のサレ夫」(’26年/テレビ朝日系)ではヒロインを務めたほか、「コンサルタント-死を執筆する男-」(’26年/WOWOW)、映画「SAKAMOTO DAYS」、7月9日(木)スタートの「ラストノート」(’26年/フジテレビ系)にも出演。幅広い作品でそのたしかな演技力と希少な存在感が支持されている。
<取材・文・写真/望月ふみスタイリスト/有咲ヘアメイク/Hitomi(Chrysanthemum)>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
【関連記事】
・
桜井日奈子、「劣化した」心無い声に悩んだ日も。今は「筋肉質な自分の体」を誇れる
・
桜井日奈子26歳「辞めたいと思った時期もある」SNSで話題の“超絶美少女”がプロの“女優”に成長するまで
・
「生後7ヶ月で父が他界」…奈緒(30)が明かす“背中を追い続けた母の偉大さ”。人に弱さを見せられるようになったキッカケとは
・
嵐「5人の進路」が分かれた理由。STARTO継続組と契約解消組、それぞれの事情
・
「木村拓哉さんや竹内結子さんと比べて惨めに…」中越典子(46)が明かす“朝ドラ主演後の苦悩”