鷲見玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ALFALINK presents BRAND NEW LINK」(毎週土曜 7:00~7:25)。ひとつの成功に満足することなく、新たな分野へと越境し挑戦を続ける人。既存の枠にとらわれず、業界に新しい潮流を持ち込み、ゲームチェンジを起こしてきた企業。そうした方々をゲストに迎え、挑戦にまつわるエピソードや発想の原点、そしてこれから目指すヴィジョンについて伺っていきます。
6月27日(土)の放送は、株式会社Azoop 代表取締役社長CEOの朴貴頌(パク・キソン)さんをゲストに迎え、運送・物流事業者向けの商用車マーケットプレイス「トラッカーズ」について話を伺いました。
(左から)パーソナリティの鷲見玲奈、株式会社Azoop 代表取締役社長CEO 朴貴頌さん
◆現場課題から生まれたトラッカーズ
株式会社Azoopが展開する「トラッカーズ」は、トラックをオンライン上で売買できるサービスです。日々現場で車両を扱う物流・運送事業者に向けて提供されています。
なかでも特徴的なのは、購入ではなく「使い終えたトラックの売却」に軸を置いている点です。売却の相談を受けると、Azoopの検査員が現地を訪問し、車両の状態確認や写真・動画の撮影を実施。その情報をオンライン上に掲載し、購入希望者とのマッチングにつなげます。
購入先には海外輸出事業者も多く、流通する車両の約8割が海外へ渡っています。ホームページには、ミキサー車やフォークリフトなど商用車ならではの車種がイラスト付きで掲載されており、一般的な車の売買サイトとは異なる構成になっています。朴さんは、商用車は種類が多く分類も複雑なため、「なるべくイラストでわかりやすく見せる」ことを意識していると説明しました。
物流業界に特化したマーケットプレイスを立ち上げた背景には、朴さん自身の経験があります。朴さんの家業は、愛知県で長年中古トラックの売買事業を営んでいました。そこで約2年間働くなかで、運送会社がトラックを売却する際の非効率な業務を目の当たりにします。
当時は、会社資産であるトラックを売却する際、複数社から相見積もりを取ることが商習慣として根付いていました。多い場合には20社近くが現地確認をおこない、運送会社側にも大きな対応負担が生じていました。さらに、車両情報の共有もアナログな方法が中心で、写真がファックスで送られてくることもあったといいます。運送会社にとって本業ではない売却業務に時間が割かれている現状を変えたい。その課題意識から、効率的な売買の仕組みづくりとして「トラッカーズ」が生まれました。
もともと朴さんは家業を継ぐ予定ではありませんでした。新卒でリクルートに入社し、20代で起業することを目標にしていましたが、独立を相談した際に父親から東京拠点立ち上げの構想を聞きます。
そこで、「起業する前に一度、一緒に働いてみるのもいい」と考え、家業に参加。その経験を通じて業界課題と出会い、自身が描いていた起業の方向性とも重なったことで、新たな事業へとつながっていきました。
(左から)株式会社Azoop 代表取締役社長CEO 朴貴頌さん、パーソナリティの鷲見玲奈
◆物流の未来を見据えた仕組みづくり
トラック売買の効率化に取り組む「トラッカーズ」の背景には、単なる取引の課題だけではなく、物流業界全体への問題意識もありました。
朴さんが特に課題として挙げたのが、業界に根付く多重下請け構造です。物流現場では、7次請け、8次請けと仕事が細分化されるケースもあり、その過程で利益率が圧縮されやすい状況が続いています。朴さんは、物流業界について「営業利益率で言うと、日本でもワースト3に入るぐらい低い業界」と表現します。
背景には、コスト上昇と価格転嫁の難しさがあります。たとえば、利用者にとって物流費は日常のなかであまり意識されにくい一方、現場では燃料費の高騰に加え、車両価格も大きく上昇しています。朴さんによると、自身が業界に入った頃は700万円前後だった中型トラックが、現在では1,000万〜1,200万円程度になるケースもあるといいます。それでも十分に運賃へ反映できず、「売り上げは上がらないのに、原価だけが上がって営業利益が圧迫されている」と説明します
こうした構造的な課題を少しでも変えたいという思いの延長線上にあるのが「トラッカーズ」です。公正で効率的な取引環境を整えることで、物流事業者の負担軽減や経営改善につなげたいと考えています。実際、サービスは現場のニーズとも結びついています。
一般的な乗用車の売却は一台単位で考えることが多い一方、運送会社では保有車両の約1割を毎年入れ替えるケースもあります。朴さんは、売却によって得た資金を事業で利用する企業も多く、「経営の一部として活用されている」と紹介しました。
事業の先に見据えるのは、物流業界全体の変化です。課題解決に向けて必要なのは、一部の企業だけではなく、業界全体で取り組む姿勢だと朴さんは語ります。そのなかでも重視しているのが、全国約6万2,000社ある運送会社の経営力向上です。
朴さんは、従来の「どんぶり勘定」や、決算時に財務諸表を確認して利益を把握するだけの経営では、変化のスピードに対応しきれなくなっていると指摘します。そのうえで、「自分たちでも原価を管理したり、経営を“見える化”したりすることに、もっと注力していくべきだと感じています」と自身の考えを語りました。
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<番組概要>
番組名:ALFALINK presents BRAND NEW LINK
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25(TOKYO FM / FM大阪)
パーソナリティ:鷲見玲奈
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/brand_new_link/
番組公式Instagram:
@alfalink.tfm