2026年上半期ベスト映画10選米老舗メディアが選出

「オブセッション 災愛」

2026年上半期ベスト映画10選米老舗メディアが選出

7月1日(水) 19:00

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2026年も折り返し地点。米バラエティの主任映画評論家オーウェン・グレイバーマンとガイ・ロッジが、2026年上半期のベスト映画10選を発表した。

興行収入が回復傾向にある米国では、シリーズ作品のヒットだけでなく、枠にとらわれないホラー、音楽ドキュメンタリー、魂を備えた大作、そして大胆なインディペンデント映画が、それぞれ存在感を放っている。リストでも、作品の規模やジャンルを問わず、今年を代表する作品がずらりと並んだ。

バラエティの主任映画評論家が選ぶ2026年上半期ベスト映画は以下の通り。

「Blue Heron(原題)」

カナダの映画作家ソフィー・ロムバリの長編デビュー作。1990年代半ば、ハンガリー移民の一家がバンクーバー郊外で新たな生活に溶け込もうとする姿を描く。トラウマを前面に押し出すのではなく、家庭内の具体的なディテールや、子どもが世界をどう見て、どう受け止めるかに焦点を当てている点が印象的。

「EPiC エピックエルヴィス・プレスリー・イン・コンサート」

バズ・ラーマン監督による、エルビス・プレスリーのコンサート・ドキュメンタリー。1969年から70年代初頭にかけてラスベガスで行われたエルビスの公演映像を、豪華に修復した素材を中心に構成している。ラーマンは新たに発見された映像を用い、エルビスのショーマンシップを洗練されたコンサート映画としてよみがえらせた。

「The Invite(原題)」

オリビア・ワイルド監督によるディナーパーティー・ドラメディ。セス・ローゲンとワイルドが、長年連れ添ったサンフランシスコの夫婦を演じ、ペネロペ・クルスとエドワード・ノートンが、彼らの上階に住む隣人夫婦を演じた。ウィル・マコーマックとラシダ・ジョーンズによる鋭い脚本を、ワイルドが実感のこもった人間ドラマとして演出。欲望、孤独、愛、可能性をめぐる物語として、関係性の危うさと面白さを描いている。

「Is God Is(原題)」

劇作家アレシア・ハリスの監督デビュー作。幼少期の虐待によって身体的、心理的に傷を負った双子の姉妹が、自分たちを苦しめた父に報いを受けさせようとする復しゅう劇。5月に大きな宣伝もなく公開され、映画祭での露出もほとんどなかったことから、評論家の間でも十分に知られていない作品だが、エクスプロイテーション映画の荒々しさと、ラディカルなフェミニスト演劇の言語を併せ持つ作品として注目されている。

「オブセッション災愛」

カリー・バーカー監督のブレイク作となったホラー映画。製作費100万ドル未満の小規模なスリラーながら、これまでに2億ドル以上を稼ぎ出した。共依存的な関係性、有害なナルシシズム、AIがもたらす非人間化の危険など、現代的なテーマを織り込みながら、正統派ホラーとしての怖さも備えている。インデ・ナバレットの鮮烈な演技も高く評価されている。

「Our Hero, Balthazar(原題)」

オスカー・ボイソンの長編デビュー作。ニューヨークの裕福な家庭に育った青年バルタザール(ジェイデン・マーテル)が、退屈をこじらせた末に、自分が苦悩し涙する動画を“誠実”な表現として投稿する。すべてがパフォーマンス化したオンライン空間を背景に、新しい若者文化の空虚さと危うさを描いた。

「パワー・バラード(原題)」

「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた」などで知られるジョン・カーニー監督による音楽ドラマ。ポール・ラッドが、1980年代後半から90年代にかけて才能を持ちながら成功しきれなかったロッカー、リック・パワーを演じる。音楽に救いを見いだす人々のメランコリーと、夢を奪われた人物の怒りを重ねながら、音楽業界におけるアイデンティティと所有の問題を描いた。

「Rose of Nevada(原題)」

2019年の「Bait」で、アート系映画ファンと地域の観客の双方から支持を得た新星マーク・ジェンキン監督が、タイムトラベルの要素を取り入れたローファイSF。主演はジョージ・マッケイと、次期007候補とうわさされるカラム・ターナー。16ミリフィルムで撮影された映像は、日焼けした家族写真のアルバムのような質感を持ち、作品全体に手触りのあるリアリティを与えている。

「サイレント・フレンド(英題)」

ハンガリーのイルディコー・エニェディ監督による新作。1本の奇妙に官能的なイチョウの木を軸に、1世紀にわたる3つの物語を描く。人間と植物のつながりを、これまであまりスクリーンで見たことのない形で探る作品だ。エニェディの「心と体と」と同様、簡単に要約しきれない魅力を持ち、スクリーン上で広がり、観客を包み込むような作品と評されている。

「トイ・ストーリー5」

アンドリュー・スタントン監督らが手がけた「トイ・ストーリー」シリーズ最新作。これまでの歩みを総括しながら、なお新たな問いを投げかける作品だ。ウッディやジェシーたちアナログなおもちゃは本当に時代遅れになったのか、という問いにとどまらず、想像力を使って遊ぶ力を失ったとき、人間はどう成長していくのかという、より深いテーマへと踏み込んだ。

【作品情報】
パワー・バラード(原題)

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