映画「となりのとらんす少女ちゃん」が、今秋に劇場公開されることが決定し、ポスタービジュアルが公開された。
本作は、ジェンダーの境界が身体的にも心理的にも濃く引かれるようになっていく思春期に、周囲との違和感を抱き始めた主人公が、未来からやってきた「もうひとりの自分」との対話を通して、自分らしい生き方を探求していく物語。未来の自分と過去の自分が出会うSFストーリーで、男女の“白黒”つけられない“灰色”の感情を描き出す。
主人公は、性別だけでなく、友達との関係性、そして自分にとって大切なものとは何かを見つめ直していく。男女の単純な二元論では捉えられない複雑な感情や、既存のカテゴリーやラベルでは表現しきれない心の揺らぎを、ユーモアを交えながら描く。原作は、トランスジェンダー当事者である漫画家・とら少が、トランスジェンダーの若者たちの感情をリアリティ豊かに描き、多くの共感を集めた短編漫画集「となりのとらんす少女ちゃん」(https://zaiyasha.jp/book/PCOH001)に収録された一編。
監督は東海林毅。可視化されにくい高齢世代のゲイを描いた「老ナルキソス」や、日本で初めてトランスジェンダー俳優の一般公募オーディションを行った「片袖の魚」など、性的マイノリティを主人公とした作品を数多く手掛けてきた。トランスジェンダーに対する差別やヘイトが広がる社会状況と、トランスジェンダーを悲劇的に描く映画作品が多い中、「コメディ映画で描きたい」という思いから、大阪を舞台に製作された。
未来からやってきたユウカ役を務めるのは、2025年公開の映画「ブルーボーイ事件」で劇映画初主演を果たし注目を集めた中川未悠。本作では、関西出身という自身のバックグラウンドも活かし、関西弁で遠慮のないパワフルなキャラクターを演じ、新たな魅力を見せている。また、自身初の母親役として、はるな愛が出演している。
「となりのとらんす少女ちゃん」は11月7日より新宿K’s cinemaほか全国順次公開。劇場公開決定にあわせて、東海林監督、主演の中川、原作者のとら少からのコメントも披露された。コメント全文は以下の通り。
【東海林毅監督】
僕は青春映画が少し苦手です。なぜならそこに自分の姿がほとんど見当たらないからです。思春期、性的マイノリティの子供たちは部活や恋愛といった「普通の青春」を送る前にまず自分自身と向き合うことを迫られます。なぜ自分は親や友達と違うのか? 自分は間違った存在なのか? と悩みながら、手探りで自分と社会を接続していく苦しい季節。突き放した言い方をすればそれが性的マイノリティにとっての「青春」なのかもしれません。
この「青春映画」はそんな中学生だった自分に届けるつもりで製作しました。素敵な原作を提供してくださったとら少さん、自身に問いかけるように丁寧に演じてくださった中川未悠さんに感謝申し上げます。コメディ映画なので皆さんぜひご笑覧くださいませ。
【中川未悠(主演・ユウカ役)】
皆さんは過去に戻りたいと思ったことはありますか? 私は何度も思ったことがあります。あの時、早く行動に移しておければ。とか、あの時、もっと勉強していたら。とか...タラレバを言ってしまったり。
でも、きっと未来は自分で切り開いて行くことに意味があるんですよね。過去があるから今の私がいる。
この作品は悩みや葛藤を抱えながらも前に進もうとする主人公の姿に、私自身もたくさん勇気をもらいました。観てくださる皆様の未来に光が入り込むような作品です。
笑いあり、涙ありな映画となとらをぜひ、応援よろしくお願いいたします。
【とら少(原作)】
前を向ける物語が好きです。前を向こうと足掻いている人が好きです。いろんな納得できないことや飛び越えられない想いを抱えながら、両手いっぱいの水をなんとかこぼさないように生きている人が好きです。ユウタと未来から来たユウカもそんなふたりです。
映画の舞台は大阪の下町です。私の地元でもあります。劇中には男の子だった頃の私が歩いていた商店街も出てきます。あの頃の私は両手いっぱいに抱えた水をぼたぼたこぼしながら歩いていました。そんな過去を愚かだと憎んだこともありました。
それでも歩いていたら時が経っていました。女性として生き、素敵な人たちと出会っていました。気が付けば、わたしの漫画が映画になっていました。
とはいえ相変わらず両手いっぱいに水を揺らしています。なので今ならこう言えます。
「まあそんなもんやで」
この映画を観た皆さんにも少し肩の力を抜いて笑ってもらえたら嬉しいです!
【作品情報】
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となりのとらんす少女ちゃん
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