第18回となる「京都映画企画市Kyoto Film Pitching」は、10月3日に京都府立 京都学・歴彩館で開催される。時代劇・歴史劇ジャンルの企画を募集している中、審査員に、「ジョゼと虎と魚たち」「のぼうの城」などの犬童一心監督ら映画業界の第一線で活躍する3人が決定した。
「京都映画企画市」は、時代劇の拠点である京都の優位性を活かして、京都から若手クリエイターを世に送り出すことを目的とした、時代劇・歴史劇ジャンルの映画企画コンテスト。第一線で活躍する映像業界人を審査員に迎え、応募企画の中から書類審査にて数作品を選定し、映画企画コンテスト(プレゼンテーション)で優秀映画企画を決定する。主催は特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO)と京都府。
応募者の中から数名を選出し、現役のプロデューサー等への映画企画の相談会も実施。優秀映画企画には、長編劇場公開につなげるために350万円相当のパイロット版(短編)映像制作の権利が付与される。パイロット版映像制作は京都での撮影、東映京都撮影所、松竹撮影所、東映京都スタジオ、京都文化博物館の協力とアドバイスにより制作が行われる。
第17回の映画企画コンテストは、昨年10月4日にハートピア京都で開催され、犬童一心監督、松竹の矢島孝プロデューサー、和田隆氏(映画ジャーナリスト)による厳正な審査の結果、緑茶麻悠氏と佐伯龍蔵氏(監督・脚本)の企画「語り薬帖」が優秀映画企画に決定した。同企画は、江戸時代初期を舞台に、「薬」そのものを描くのではなく、心と体がどのように回復していくか、自分自身を信じ、他人を信じて支え合えるか、「人間がどのようにして生き直すのか」という静かな問いかけを描く物語。
なお、第14回の映画企画コンテスト会場でパイロット版が上映された、蔦哲一朗監督による2016年度優秀映画企画「黒の牛」は、歴代パイロット版から初めて長編化が実現。日本、アメリカ、台湾の国際共同製作で、徳島県と台湾にて35ミリフィルムで撮影。主演に台湾の名優リー・カーション、共演に田中泯、美術に部谷京子を迎えるなど国際色豊かなキャスト、スタッフが集結して完成。昨年4月に開催された第49回香港国際映画祭で日本映画史上初となる最高賞「Firebird Award(火鳥大賞)」を受賞したのに続き、第26回全州国際映画祭でNETPAC賞を受賞し、今年1月から劇場公開された。
企画募集概要および応募方法は公式サイト(https://kyotofilmpitching.jp/application/)を参照。企画募集締切は7月21日(必着)。
「第18回京都映画企画市」審査員
犬童一心(映画監督)
1960年生まれ。高校時代より自主映画の監督・製作をスタート。「二人が喋ってる。」で長編監督デビュー。「金髪の草原」「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「タッチ」「黄色い涙」「眉山」「グーグーだって猫である」など話題作を発表。「ゼロの焦点」で日本アカデミー賞優秀作品賞・監督賞・脚本賞を受賞。さらに「のぼうの城」で日本アカデミー賞優秀作品賞・監督賞を受賞。「引っ越し大名!」「最高の人生の見つけ方」「名付けようのない踊り」「ハウ」など話題作を手掛けている。近作に、人間国宝の狂言師・野村万作を追ったドキュメンタリー「六つの顔」がある。
矢島孝(松竹映像企画部映画企画室プロデューサー)
松竹大船撮影所の製作部として、「男はつらいよ」シリーズ、「釣りバカ日誌」シリーズ、「息子」「遠き落日」「学校」「サラリーマン専科」「美味しんぼ」など多数の作品を手掛ける。プロデューサー転身後も映画、テレビドラマ、オリジナルビデオ等多数。主な作品に「てなもんや商社」「異端の夏」「母べえ」「鴨川ホルモー」「東京家族」「超高速!参勤交代」「ソロモンの偽証」「超高速!参勤交代リターンズ」「空飛ぶタイヤ」「引っ越し大名!」「梅切らぬバカ」「月の満ち欠け」「シャイロックの子供たち」など。近作に「盤上の向日葵」がある。
和田隆(映画ジャーナリスト、プロデューサー)
1997年より映画業界紙の記者として取材を重ね、記事を執筆。映画部デスクなどを歴任後、取締役に就任。その後、映画情報サイトでニュースや評論原稿を執筆し、新規サービスや法務業務も担当。また、若手映画監督を起用した「死んだ目をした少年」で企画プロデュースを始動。14年より田辺・弁慶映画祭特別設置賞の審査員も務め、同映画祭の第10回記念映画「ポエトリーエンジェル」、20年に「踊ってミタ」をプロデュースした。25年に一般の映画ファンから専門家まで学べる書籍「映画ビジネス」を上梓。日本映画大学でゲスト講師を務める。
【作品情報】
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黒の牛
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