初登場から80周年!今なお愛される名探偵「金田一耕助」を演じた俳優まとめ

「犬神家の一族」(76)

初登場から80周年!今なお愛される名探偵「金田一耕助」を演じた俳優まとめ

6月26日(金) 11:00

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推理小説の巨匠・横溝正史が生み出した名探偵・金田一耕助。今年は、横溝が当時疎開していた岡山で小説を執筆し、金田一を世に送り出してから80周年を迎える。また、過去に何度も映像化された横溝の「八つ墓村」を、尾上松也主演、「呪怨」シリーズの清水崇監督のメガホンでの映画化も発表されたばかりで、再評価の機運も高まっている。

本記事では、今なお愛される金田一耕助を演じた俳優を、映画を中心にまとめます。

【フォトギャラリー】金田一耕助を演じた俳優まとめ

●「拳銃とトレンチコート」の草創期、片岡千恵蔵から高倉健まで

金田一耕助の名を聞いて、多くの人がイメージするのは、お釜帽子に袴姿、ボサボサの頭を掻き回してフケを飛ばす、というスタイルではないだろうか。だが、歴代の俳優たちが積み上げてきた歴史を紐解くと、初期の映画界における金田一は、私たちが知る姿とは正反対の「都会的でスマートな紳士」として登場している。

■片岡千恵蔵

戦前から戦後にかけて活躍した時代劇の大スターで、東映の看板俳優。1947年の「三本指の男」から6作の金田一映画に主演。ソフト帽にタイを締め、トレンチコートを纏ってピストルを放つ。さらには変装を得意とし、眼鏡をかけた女性助手を従えるというスタイルだった。

2024年には「悪魔が来りて笛を吹く」(54)のデジタル修復プロジェクトが実施され、復刻披露上映やソフト化が実現している。

■岡譲二、河津清三郎、池部良

1950年代、金田一作品は大映や東宝でも作られ、岡譲二は「毒蛇島奇談女王蜂」(52)で大きな探偵事務所を運営する設定で登場。河津清三郎は「幽霊男」(54)、池部良は「吸血蛾」(56)で主演したが、この3名は片岡千恵蔵版のスタイルを継いで背広姿の金田一だった。

■高倉健

1961年の「悪魔の手毬唄」では、“健さん”の愛称で親しまれた名優・高倉健が、サングラスをかけ、オープンカーを乗り回し、女性助手と共に事件に挑む金田一を演じました。

●70年代、石坂金田一の出現と“横溝正史”ブーム

■石坂浩二

1975年に中尾彬が「本陣殺人事件」でジーンズ姿の現代的な金田一を演じ、型破りなアプローチを見せたが、最大の転換点は翌1976年に訪れた。

市川崑がメガホンをとった1976年の「犬神家の一族」は、角川春樹率いる角川映画の記念すべき第1作で、書店での原作フェア、先日亡くなられた大野雄二さんの名曲を用いたCMを大量投下したTVCMやラジオスポットなど、巧みなメディアミックス展開を行い、大ヒットを記録。市川があらゆる映像・演出のテクニックを駆使して作り上げた作品の完成度も相まって、横溝正史ブームを巻き起こした。

そして本作がエポックメイキングだったのは、初めて横溝の原作に忠実な「お釜帽子に袴姿で、興奮すると頭を搔きむしる金田一」がスクリーンに現れた点だ。映画では、頭を掻きむしる際にフケが飛び散る演出が行われたが、石坂は撮影に耐えうるフケを作るために、パン粉に砥の粉を混ぜたものをフライパンで乾燥させ、独自に生み出したことを過去のインタビューなどで明かしている。

石坂の演じる知的で繊細な金田一はファンの絶大な支持を集め、その後、「悪魔の手毬唄」(77)「獄門島」(77)「女王蜂」(78)「病院坂の首縊りの家」(79)が続々と公開された。その後の金田一作品に及ぼした影響も大きく、お釜帽子にぼさぼさの髪、袴姿は定番のスタイルとなった。なお、2006年には、市川監督、石坂主演でセルフリメイク版「犬神家の一族」も制作され、石坂は計6作品で金田一を演じた。

■渥美清、西田敏行

石坂金田一がブームを巻き起こす中、野村芳太郎監督の「八つ墓村」(77)では、「男はつらいよ」でおなじみの渥美清が麦わら帽子に開襟シャツという「放浪の旅人」のような風貌で出演。また、西田敏行は「悪魔が来りて笛を吹く」(79)で、人間味溢れる三枚目の金田一を演じた。

●スクリーンを彩った個性派たち

■古谷一行

1977年からテレビドラマ版で金田一耕助を演じ、自身を代表する当たり役となっていた古谷一行だが、実は映画でも「金田一耕助の冒険」(79)で、一度だけ金田一を演じている。メガホンをとったのは、この後に「転校生」(82)、「時をかける少女」(83)を取る大林宣彦監督。金田一ものとしては異色のコメディ作品で、古谷が袴姿でローラースケートを履いて走るシーンもある。

■三船敏郎

同じく「金田一耕助の冒険」劇中の無声映画パートで、“世界のミフネ”と称された三船敏郎が金田一を演じている。設定上は片岡千恵蔵よりも先に金田一を演じていたことになっており、遊び心溢れる配役となっていた。

■鹿賀丈史、豊川悦司

1981年の「悪霊島」では鹿賀丈史がビートルズの調べに乗せて事件を追い、1996年の「八つ墓村」では186センチの長身を誇る豊川悦司が、スタイリッシュかつ冷徹な美しさを纏った金田一を体現した。

●テレビドラマ版の系譜

映画が、おどろおどろしい因習や事件に関わる人々の愛憎劇を大きなスケール感で描いた一方で、テレビドラマは金田一の人間味やユーモアに焦点を当て、そのキャラクターをより深く、視聴者にとって身近なものにした。

■古谷一行

ドラマ版を語る上で欠かせないのが、前述した古谷一行だ。長年にわたりシリーズを牽引し、彼の演じた「少しお茶目で、それでいて核心を突く」金田一は、世代を超えて愛された。

古谷の他にも、小野寺昭、中井貴一、役所広司、上川隆也、長谷川博己、吉岡秀隆、池松壮亮といった実力派がそれぞれのアプローチで金田一を演じたが、愛川欽也、片岡鶴太郎という異色のキャスティングもあった。

また、稲垣吾郎、加藤シゲアキ、番外編的な作品では、明智小五郎と金田一の対決を描いたドラマで、長瀬智也と山下智久がそれぞれ金田一を演じている。なお、ドラマではないが、テレビコマーシャルに木村拓哉が金田一の扮装で登場したこともある。

【清水崇監督版「八つ墓村」】

<あらすじ>

内定ゼロ、彼女ナシ。大学生・井川辰弥のもとに舞い込んだ母の訃報。奇妙な探偵・金田一耕助に誘われ、岡山県の山奥に潜む「八つ墓村」を訪れる。封印された、ルーツと怨念の記憶が目を覚ます。村では、名家・田治見家の莫大な遺産の相続人である辰弥の帰還に合わせたかのように、不可解な連続殺人事件が発生。 金田一耕助と共に、事件に巻き込まれてゆく。美しき未亡人・森美也子、双子の大叔母、不気味な村人たち──。誰も知らない“八つ墓”の秘密が今明かされる──

【作品情報】
八つ墓村

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(C)KADOKAWA1976
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