アイドル活動のかたわら水族館に足しげく通うというSKE48の鎌田菜月が、児童書「水族館の達人に聞いてみた~ぜったいに行きたくなる37の発見~」を6月26日に刊行する。本書では、彼女が現場経験豊富な達人・下村実さんと各地の水族館を訪問。対話を通して水族館の魅力を紹介している。自身を「好奇心で生きている」と語る彼女が、目を輝かせながら、制作エピソードを聞かせてくれた。
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Photo/佐賀章広
Text/渡辺麻美
――水族館をテーマにした児童書を出版されるそうですね。
鎌田:はい。いろいろな水族館の立ち上げに携わった水族館の達人であり、今は日本モンキーセンターの園長をされている下村実さんと一緒に水族館を巡り、その時の会話を原稿にまとめました。そこでの私の気付きだったり、話を聞いてどう思ったとか、どんなことを思い出したとか、そういったことを書かせてもらっている、ちょっと変わった感じの本になっています。
――“達人に直接取材する”というところが新鮮ですね。
鎌田:下村さんが本を出すという時に、「自分は話す方が得意だ」とおっしゃっいたんです。いろんな方にお話をされてきた方なので。私はもともと本が好きで、いつか本を書いてみたいと言っていたので、そこで私の名前が出て、お声がけいただいた形です。生き物にすごく詳しい方がいて、ある意味まっさらな自分もいるというところが、この本の一つのキーになってお話をいただいたのかなって。
──水族館は昔から行っていました?
鎌田:愛知県の出身なんですけど、名古屋港水族館にはすごく馴染みがあります。また夏休みには毎年、家族と鳥羽水族館に行くのが旅の行程に入っていたので、関心は強かったのかなと思います。行ったことのある水族館は5~6ヵ所ですが、そのうち4ヵ所はもう10回ぐらい行ってるんじゃないかな。
――水族館のほかに、生き物にも興味はありましたか?
鎌田:ワンちゃんやネコちゃんは飼ったことがないんですけど、ピンポンパールというピンポン玉みたいな金魚はあります。あとはカブトムシを育てたことも。愛知は自然が豊かで、ある時マンションの網戸に大きなカブトムシのオスがいたんですよ。それで、お嫁さんを迎えようと思っていたら、夏休みに地元の商店街でカブトムシを先着順で配っていて。そこにお嫁さんを迎えに行って。その子たちを3~4世代かな、育てさせてもらいました。
――女の子は虫が苦手な人も多いですが、抵抗はなかったんですね。
鎌田:母が平気な人だったんで、その影響が強かったかもしれないです。逆に今の方が苦手かもです。昔は何も考えていなかったので、カブトムシの食べているゼリーが美味しそうに見えたりして(笑)。大人になって、今そんなふうに思わないじゃないですか。そんな感じです(笑)。
――水族館では特に何を見ていましたか?
鎌田:小さい頃はやっぱりイルカでした。水泳をやっていたので、「すごい!どうやったらこんなに速く泳げるんだろう」っていうので、憧れとして見ていました。
――今回、下村さんと一緒に水族館に行ってみて、自分で行くのとは違った発見がありましたか?
鎌田:全然、違いました!実際に名古屋港水族館や世界淡水魚園水族館『アクア・トトぎふ』などに行かせてもらったんですが、下村さん自身も、僕たちの好きなポイントとお客さんの「わあ!」となるポイントが違うから、そこのすり合わせが大変とおっしゃっていて。
――例を挙げると?
鎌田:例えば、名古屋港水族館だとやっぱり派手なイルカやシャチがすごく人気で。もちろんその生き物たちにも愛情はたくさんあるんですけど、下村さんご自身は淡水魚がお好きとおっしゃっていました。すごくちっちゃなお魚たちで、水質などでも模様が変わってしまうという繊細さなんですね。あとは、アメンボのこともすごく熱く語っていらっしゃって、「アメンボっていいんだよ~」と。詳しく話を聞くとすごい生き物で、リスペクトが生まれました。
――達人ならではの視点ですね。
鎌田:あとは、「水槽に注目してみて」って話を何回か聞きました。本にも出てくるんですけど、水槽の傷ってそういうことだったんだなって。
――あまり水槽の傷を気にしたことはなかったです。魚がぶつかったのかな、ぐらいで。
鎌田:ぶつかった傷もあれば、かじっちゃった傷も。あと、サメが擦ったら鮫肌だから傷がつくんですって。水槽はアクリル板なんですけど、特殊素材ですごく高いらしくて。でも、水族たちは関係ないんでかじっちゃう(笑)。そういったことが面白いとおっしゃっていました。
――特にお気に入りのテーマは?
鎌田:全部お気に入りなんですけど、どれにしようかな。これは、みんなも気になると思うのが「ジンベエザメは食べられますか?」。日本人はみんなこれを聞いてくるそうです。そういう話をストレートにお答えいただいていて面白いかなと。答えはぜひ本書を読んでいただいて。あとは「魚にも右利き左利きがある!?」。これは下村さんと、水族館の飼育員さんとですごく盛り上がって話していました。餌のついばみ方で右利き左利きがあるそうです。それも飼育員さんが観察し続けた結果、「あれ、この子は右側でしか食べないな。この子は左だな」とわかったそうです。
――本書にはそんなエピソードがたくさん詰まっているんですね。
鎌田:そうですね。自分がなんでだろうと思ったことを下村さんに1個投げたら、10や100で答えてくださるので。それを厳選して、ギリギリの37テーマに。本当にもうとめどなく、たくさん返ってくるんです。これはなんだろう、なんだろうという疑問がいっぱい出てきて、それがすごく楽しくて。いつも時間が足りなかったです。
――水生動物を水族と呼ぶことも、本書で初めて知りました。
鎌田:「“水族”ってなに!?」というところから教えてくれますし、「宇宙人を見るような感じ」という例えも、読んだら「まさに!」と思いますよ。
――宇宙人……なんとなくイメージはするけど詳しくはわからない、みたいな?
鎌田:そうです。なんとなくイメージがあるのって、たぶん水族館のおかげなんです。だって、水中は本来、人間は生きていけない世界で、見えないものなので、宇宙も一緒じゃないですか。だから宇宙人みたいという例えになっていると思うんですけど。今では水族館があるのが当たり前で、水中を泳いでいる、動いている生き物を見られるのはすごいことなんだぞというのに気付いて。「イルカが泳いでいる姿が見られているんだ、すごい!」みたいな純粋な感動を味わいました。
──ほかにも本書で注目してほしいところは?
鎌田:自分で描いたわけではないんですけど、イラストがとにかく可愛くて。日本モンキーセンターの飼育員さんが書いてくださいました。「サルはいくらでも描いてきたんですけど、今回、初めてほかの生き物を描きました」とおっしゃっていましたが、「本当に?」って思うぐらいとてもポップで。水族にも感情があって、見ていると確かにわかるんですよ。その表情がお魚とかに描かれている気がして、私はそれがすごく好きです。ペラペラとめくるだけでも楽しい本になったのは大きいなと。児童書ならではの、楽しくて良いものになったなって思いました。
――鎌田さんは、水族館以外にも漫画やアニメ、読書、歴史、将棋など幅広い趣味をお持ちで、“オタク気質のアイドル”と言われたりもしています。自分ではどのように感じていますか?
鎌田:今になって良いところだって思っています(笑)。私は基本、物を知ることが好きなんです。好奇心で生きてるので。今回も、このお仕事を初めてさせていただくにあたって、やっぱり「やってみたい!」が先行しましたし。「やれるかな……」より、「それやってみたい!」が勝っちゃう。水族のお話を聞いていても「なんでだろう?」って出てくるのは、きっと知りたいって欲がどこかにあるから。それが自分の良いところなんですかね。
――こんなにたくさんの引き出しを持っているのは、アイドルでは珍しいのでは?
鎌田:そうかもしれないですね。気付いたら……みたいな。日本人にはオタク気質があると思っていて、私はそれが大好きなんですけど。そのオタク気質なところと、いろんなカルチャーがすごく相性がいいとは感じています。子どもの頃ってみんなきっと図鑑が好きだし、水族じゃなくても電車をすごく覚える子がいたりとか…どこかに種は落ちていると思う。良い意味で子どものまま大人になった感じですね。
――お仕事も忙しくて、さらに趣味を極めるのは大変じゃないですか?
鎌田:地続きだと思っています。水族館でイルカを見て、どうやったら速く泳げるんだろうって考えることが、当時、自分が習っていた水泳に繋がっていたし。そして水泳をやっていたから、好きなプリンセスは「リトル・マーメイド」のアリエルだったんですよ。だから全部、地続きで、それが私の生き方なのかなと思います。
――アイドル活動にも、今までの経験が活かされていると。
鎌田:はい、すごく思います。今回、昔を振り返る機会が多かったんですけど、家族との思い出話や、その時に教えてもらったことが全部繋がっていて。それをどう感じるかも、たぶん自分が何をしてきたかによって変わってくると思うので。
――Pop’n’Rollはたくさんのアイドルが掲載されているサイトなので、それにちなんで鎌田さんにとって“水族のアイドル”を教えてください。
鎌田:難しいこと言いますね(笑)。みんな愛嬌があるので……。じゃあ最近あったことにしよう。お仕事で南知多ビーチランドに行って、元日に生まれたガンちゃんっていうペンギンに会いまして。ペンギンってやっぱり鳥なんですよ。「人間のことなんか知らない!」って感じで。こっち側に歩いて来てほしくて、「せーの」って言ったら、バーッとどこかに行っちゃったりして。私がそのガンちゃんを追いかけて走ったりする撮影だったんですけど、あの振り回され方はアイドルでしたね(笑)。
鎌田菜月
1996年8月29日生まれ、愛知県出身。
2012年11月にSKE48に加入。現在、Team K・副リーダーを務める。
「水族館の達人に聞いてみた~ぜったいに行きたくなる37の発見~」
6月26日(金)発売
定価:本体1,600円+税
著者:下村実×鎌田菜月
対象:小学校中学年以上
販売:くもん出版
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