ネクスト・クリエイション・プログラム「映画とわたしの5日間」上映会が6月21日、東京都写真美術館ホールで開催され、本プロジェクトの監修を務めた是枝裕和監督、ゲスト講師としてカメラマンの上野千蔵氏、そして撮影に参加したという俳優の仲野太賀が出席した。
本プログラムは、子供たちが映画監督やスタッフと共に、撮影、編集などの制作に取り組み、完成作品を上映するまでの映画制作体験するもの。映画監督の是枝裕和氏が監修を務める。
この日は、A班からE班に分かれた5つのチームが「オオカミゲーム(A班)」、「THE☆MONSTERS(ザ☆モンスターズ(B班)」、「無人島(C班)」、「私立たんていクラブ(D班)」、「かくれたきずな(E班)」を上映した。
映画作りを体験した子供たちからは、瑞々しいか感想がたくさん沸き起こる。「笑わない演技が難しかった」「10カット以上撮ったけれど、使うのは1カットのみ」「カメラアングルが難しかった」「編集でカットするのがすごく難しかった」という意見に、是枝監督は「身につまされますね」と世界的名匠にとっても、切実な思いであることを明かすと「とても素敵なカットも多く、頑張っているなと感じられシーンがたくさんありました」と未来の映画人たちにエール。
また、台本を作らず、その場のアドリブで撮影したという班も存在した。是枝監督は、教室での子供たちの会話に「すごくリアルだった。ああいうのが書きたいんですよね。でもなかなか難しい」と感嘆すると「前回は室内だけの撮影だったけれど、今回は屋外のロケも出来た。その部分で、場所の魅力を活かした良いシーンも多かった」とコメント。
仲野は今回の撮影に1日参加したという。A班が制作した「オオカミゲーム」に出演もしている。ステージに上がった仲野は「助監督と狼の役をやりました。大変だったのは、その日に決まったアイデアで狼の役をやることになって……。狼の感情を引き出す芝居が難しかった」と笑うと「でも僕は昔、『人狼ゲーム』という作品で人狼をやったことがあったので、その時の経験が活きました」と語っていた。
子供たちの発想と好奇心が溢れる作品たちが上映された。上野氏は「皆さん5日間お疲れさまでした」と子供たちを労うと「涙が出るくらい笑わせてもらいましたし、本当によくできている映画もありました。素晴らしかったです」と称賛し「千ちゃんは、おじさんになるまで映画を作ったことがなかったのですが、みんなみたいに小学生の時にこうやって作れるというのは、本当に貴重な経験だと思います」と本プロジェクトの意義を述べる。
仲野は「完成した映画を見させていただいて、本当に楽しかったです。永遠に見ていられます。めちゃくちゃ面白い」と破顔すると「みんなが発想を自由に、そしてのびのびと映画を作っている姿が、そのまま映画になっている。ずっと見させてもらい非常にパワフルな気持ちになりました」と感謝。
続けて仲野は「僕は俳優なので俳優目線のことになってしまうのですが、やはりみんながセリフを言っている時の、すごく楽しそうで元気いっぱいの姿を見て、『こういうことでいいんだよな』という気持ちになりました。自分も大河ドラマ(『豊臣兄弟!』)でもっと楽しそうにセリフを言ってみようかなと、そんな風な気持ちになりました。少しでもみんなが映画作りを好きになってくれたら、こんなに幸せなことはないなと思います。本当に楽しい時間をありがとうございました」と発言すると会場が湧く。
是枝監督は「みんなが楽しかったらこの会は成功なので、ここから皆さんの顔を見ていて、僕もホッとしています。5日間、無事に怪我もなく、所々喧嘩したりもしましたけれど、無事にここまでたどり着けてよかったです。場所を提供していただいた都庁の関係者の皆様、ありがとうございました」と述べると「前回は都庁の中だけで撮影をしていたのですが、今回表に出たことで、すごくカメラポジションに工夫が加わって、とても映画らしい映画になったのではないかなと思っております。そして、この場所も去年に引き続き貸していただいて、とても素敵な上映ができました。この2年間の経験を踏まえて、また来年もこんなイベントが実現できたらいいなと思っております」と未来に思いを馳せていた。
【作品情報】
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人狼ゲーム
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