SKE48鎌田菜月が水族館の達人に聞いた、大人でも“へぇ”となる37の発見「魚にも利き手がある! クラゲに癒されるのはなぜ?」

鎌田菜月(SKE48)にインタビュー/撮影:鈴木康道

SKE48鎌田菜月が水族館の達人に聞いた、大人でも“へぇ”となる37の発見「魚にも利き手がある! クラゲに癒されるのはなぜ?」

6月25日(木) 12:05

鎌田菜月(SKE48)にインタビュー
【写真】鎌田菜月は「生き物を見るのがまず楽しい」と目を輝かせる

小説、教養、漫画など、自宅には4000冊以上の蔵書を持つという、読書家で有名なSKE48の鎌田菜月が、自身初となる児童書「水族館の達人に聞いてみた ~ぜったいに行きたくなる37の発見~」(くもん出版)を6月26日(金)に発売する。長年水族館の運営に携わってきた“水族館の達人”下村実氏との共著となり、単なる解説本ではなく、達人と一緒に水族館を巡りながら発見した「37の発見」には興味を覚えるエピソードが満載で、大人も楽しめる内容となっている。本書の制作、執筆を通して鎌田が学んだ水族館の発見、そして一人の読書家として感じた「本」の魅力について話を聞いた。

■“水族館の達人”と歩いて見つけた新しい楽しみ方

――鎌田さんにとっては初めての児童書です。どんな本に仕上がりましたか?

今回は小学4年生あたりを対象にした本で、行くと面白い水族館のことをもっと知ってもらいたいなという気持ちで一生懸命作りました。水族館についての本は世の中にたくさんありますけど、今回は“水族館の達人”下村実さんと水族館を回りながらお話をした内容をまとめたものになっています。他の本とはちょっと目線が違っていて、「これを知っているともっと水族館が楽しめるよ」という発見、興味がもっと湧く“水族館の秘密”がたくさん載っています。

――鎌田さんも水族館はお好きな場所だったんですか?

小さい頃はよく行ってました。家族旅行だとだいたい水族館に寄ることが多くて、今でも好きな場所の一つです。ただ、まさか本を任せていただけることになるとは思っていませんでした(笑)。

お話させていただいた下村さんは、今は日本モンキーセンターの園長をされている方なんですけど、ジンベエザメで有名な海遊館の立ち上げに関わったり、すみだ水族館のチンアナゴを有名にしたり、もう30年以上、いろいろな水族館で飼育のお仕事をされてきた方です。いろんな水族館にお邪魔したんですけど、どこに行っても「わあ、下村さん!」みたいな感じでリスペクトされている方でした。

――どんな経緯でそこに鎌田さんが携わることになったのでしょう?

水族館についての新しい本を出したいけど、下村さんとしては書いて説明するより、水族館の楽しみ方を教えたいんだというところから、「本が好きな子がいるよ」と私のことをご紹介していただいたみたいです。本にたくさん触れてきて良かったなと思います。
鎌田菜月(SKE48)


■人がのぞけない水の中の世界を見られる水族館の魅力

――鎌田さんにとって、水族館はどんな場所で、どんなところが楽しいですか?

生き物を見るというところがまず楽しいです。見に行くたびに違った様子で、「今日はすごくかわいかったな」と思って、次にまた会いに行くと、今度は「わあ、格好良い!」という様子も見られたり。水族館というか、生き物と会える場所ならではかなと思います。

他にも、人が本当はのぞけない場所への興味とか。水の中って、人は生活できないし、深海の生き物なんて本来、人は絶対に見られない場所じゃないですか。今は当たり前のように水の中がのぞけますけど、「本当はそれってとんでもないことじゃない?」という面白さもあります。

――動物園とはまた違う場所ですよね。興奮より落ち着く場所という印象です。

確かに、環境もしっとりしていますし、お魚の泳ぐ姿も癒されます。クラゲのふわんふわんという動きを見ていると癒されるというのも、実はあのリズムが私たちの心臓の鼓動とほぼ同じだからという説があるんです。これも下村さんに教えていただいて、本の中で取り上げています。

――達人とのお話はいかがでしたか?

すごく楽しくて、濃い時間でした。水族館の中を歩きながら思った“あれ?そういえばこれなんで?”ということを、ものすごい数の答えで返してくれるんです。そして、一つ「へえー」と分かった先に、また一つ聞きたいことが生まれて、そのやり取りは本当に楽しかったです。あっという間に時間が過ぎてしまいました。

――それが全6章、37の発見ですね。

はい。でも、考えに考えて選んだ37個です。それを選ぶのが一番大変だったかもしれません。

鎌田菜月(SKE48)

■魚にも利き手があった…達人が教える「37の発見」と裏話

――いくつか教えてもらえますか?

お魚にも左利き、右利きがある!

――左ヒラメに右カレイではなく?

違います(笑)。ご飯をついばんだりするときとかに、右から行くか、左から行くか、個体によって癖があるんですって。ずっと見ている飼育員さんだから分かることで、お話の中でそういう面白いことを次々とおっしゃるので、『え!?そうなんですか?』と身を乗り出して聞いちゃって、時間がどんどん過ぎていってしまうんです。

あと、私も試してみたいと思ったのが、飼育員さんと似た服で行くこと。お魚は私たちが思っている以上に人間を人間として認識しているということに、まずびっくりして。例えば、「飼育員さんの服に似せて行ってみたら、お魚のリアクションが変わるかもよ」って。ご飯をくれる人だって覚えているんです。逆に、自然界では警戒しなきゃいけないような柄だったりすると、お魚も嫌がるかもとか。せっかくなら寄ってきてもらいたいじゃないですか。だから、飼育員さんの服の色をまねて遊びに行ってみたいです。

豆知識系だと、自然界だったら弱肉強食なのに、じゃあなんで水族館の大きい水槽では成り立っているのかとか。お魚を見やすいように泳がせる技術も実はあって、自由に泳がせるとあんなふうにはきれいに泳いでくれないらしいんです。飼育員さんの努力と経験の結晶で、そのやり方も書いてあります。

――話をお聞きしているだけで面白いですね。

そうなんです。「これしか食べない」という生き物のためにみんなで裏山に取りに行くとか。苦労が分かる話もあって、図鑑では書かれないような話がたくさん載っています。血の通った飼育員さんならではの現場の話で、しかもそれが解説ではなく、対談で教えてくれているというのが分かりやすいんです。

――冒頭に書かれていた、世界で一番水族館が多いのが日本だというのも「へぇ」となりました。

やっぱり海に囲まれた島国ですから。日本がすごいなと思うのは、低料金だし、無料開放しているケースもあったり、淡水魚専門のところもあれば、地元の水の生き物を多く展示していたり、特色ごとに楽しめる水族館があることもです。

――ちなみに、鎌田さんの推しの水の生き物はなんでしょう?

小さい頃はイルカの飼育員さんに憧れていました。水泳を習っていたから“速く泳げる人ってすごいなぁ”“なんでそんなに速く泳げるんだろう?”というところから、“イルカはもっと速くて自由だなぁ”って、大好きになりました。イルカ、シャチ、シロイルカのぬいぐるみを持っていて、ある意味“推し活”みたいな気持ちだったかもしれません。

下村さんは、オイカワというお魚を推していました。

――聞いたことがない魚です。

人気がないとおっしゃっていました(笑)。昔は研究者が使う学名に、雑魚からとったザコという名前が付いていたお魚なんですって(※違う学名で呼ばれることもある)。「でも実は…」というのがあって、それがすごくワクワクする話でした。この本の中に書いてあるので、それでオイカワのことを知っていただけたら、きっと下村さんはすごく喜ぶんじゃないかなと思います(笑)。

――児童書と言っても、大人が読んでも面白そうな本ですね。

絶対面白いと思います。私なんか、もっと早く知っておきたかったと思ったくらいです。
鎌田菜月(SKE48)


■ネットにはない信頼とドラマ性、紙の本が持つ魅力

――ネットで調べられる情報と違う、これが本を読む楽しさだと感じます。本好きの鎌田さんは、ネットと本の違いをどう考えていますか?

まず、少なくともしっかりした出版社から出ている本はフェイクや誤情報がなくて、特に教育分野では圧倒的価値と信頼があると私は思っています。

形として持てるというのも大きいです。言葉、文字という、直接重みとして持てないものを、紙に落とすことで手に取れて、ページをめくるという演出がつくわけです。すごくドラマチックだと私は思っていて、自分のペースで自分の読みたい場所で読むというのはとてもドラマ性がある行為だなと思います。書店に本が並ぶのもそうで、店員さんがどこに置くかを考えて、本とお客さんとの出会いを演出してくれるんです。そういう段取りもとてもいいなと思います。

――本のドラマ性と書店での出会い、すてきな感性ですね。

書店って、すごく楽しい場所だと思うんです。「あなたにオススメ」が並ぶわけじゃなく、知らないものがいっぱいある。それは本に限らずで、新しい出会い、すてきな出会いを見つけて足を運ぶという行為は、私はすごくすてきだなと思います。

鎌田菜月(SKE48)

■子どもに寄り添う執筆の苦労、水族館に行きたくなる一冊

――本書ではコラムも執筆されています。読む楽しさだけでなく、書く楽しさもあったのでは?

コラムは大変でした(笑)。対談の中であった気付きをいくつかのショートなコラムと、最後にまとめという形で執筆させていただきました。何より気付きが一番難しくて、本編からは外したけれど、とても面白いお話というのもたくさんあったんです。それを入れたいと思っても、きれいな表現で伝えたいと思っても、文字数がやっぱりあって。日本語って難しいです。できるだけ子どもたちに寄り添って文章を考えました。大変な作業でしたけど、それも私にとっては学びで、自分の身になったと思いました。

――今回は水族館でしたが、機会があれば次回はどんなことを学びたいですか?

私、歴史が好きなんですが、下村さんは歴史も大変お詳しくて、撮影の合間に、もう買えないような貴重な本を譲ってくださったんです。特に近代史については実感を持って語れる方が途切れてきているので、今の子たちに伝えるために聞き取りをした児童書があるといいんじゃないかなと思います。

もう一つが、アイドルの歴史。日本のアイドルの年表があったら面白いと思いませんか?昭和であればソロからデュオが増えて、平成からユニット化して、今はグループアイドル。AKB48グループもそこに食い込むでしょうし、時代におけるアイドルの流行と傾向の多様化って、すごく知りたいです。私はアイドル史を通らず、AKB48が好きなだけでこの世界に入ってしまったので、勉強したいという気持ちもあります。

――では最後に、本書どのような人に手に取っていただきたいか、メッセージをお願いします。

世の中には生き物の本はたくさんありますが、この本のみそは「行きたくなる」というところです。水族館、行ったことがない人がこの本を読んだら絶対行きたくなると思うし、行ったことがある人は「もったいなかった!」と思える出来上がりになっています。

これからの夏は水族館シーズンです。子どもたちだけでなく、大人の方にもぜひ読んでいただきたいです。私は下村さんの話を聞いて、「うわ、もったいなかった!」と思ったし、きっと皆さんもここに書いてある発見を知ったら、同じ気持ちになると思います。そして、水族館を今まで以上に楽しんでいただきたいです。

◆取材・文=鈴木康道

鎌田菜月(SKE48)



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