塚本晋也監督が戦後70年に当たる2015年に初公開し、これまで毎夏かかさず上映を重ねてきた「野火」が、戦後81年を迎える今年も渋谷・ユーロスペースほか全国にてアンコール上映されることが決定した。
9月11日に新作映画「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」の公開を控える塚本監督が、戦後70年にあたる2015年に初公開した「野火」。構想から20年の歳月をかけ完成させ、14年にベネチア映画祭メインコンペティション部門出品、翌年に全国83館で劇場公開。その後も、製作当初から「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本監督の思いに共感した劇場にて、戦後80年を迎えた2025年まで毎年欠かさずアンコール上映を重ねてきた。初年度からの劇場・自主上映含む総観客数は10万3000人を突破している。
この1年間の一層混迷する世界情勢を受けて、スクリーンを通して戦場の恐ろしさを体感し、戦争と平和について考えていくことが、ますます重要になってきているとの思いから、今年も渋谷・ユーロスペースほかにてアンコール上映の実施が決定。引き続き上映劇場を募っている。上映決定劇場、イベント予定等の詳細は劇場HP、「野火」オフィシャルサイト・SNSにて随時発表する。
今年は画家の黒田征太郎氏が「野火」にインスパイアされ、鑑賞後に一気に描き上げたという22枚の描きおろしイラストのミニ展覧会を北九州市の小倉昭和館と東京・表参道の山陽堂書店の2カ所で開催。またその中から16枚をセレクトしたポストカードセットも販売予定。
7月4日には小倉昭和館にて「野火」の上映と黒田氏と塚本監督のトークイベントを実施。山陽堂書店では展示期間中、黒田氏の撮りおろしインタビュー映像も放映予定。塚本監督の戦争三部作「野火」「斬、」「ほかげ」のパネル展示とともにお届けする。
塚本監督と黒田氏のコメントは以下のとおり。
【塚本晋也監督】
毎年30館以上の映画館の協力で、10年以上も続けることができた「野火」の上映。
今の世の中の状況を考え、あらたな方法を模索しながらまだまだ上映を続けていかなければ、と思っています。
長らく平和への道を希求していらっしゃる黒田征太郎さんが、「野火」をご覧になって22枚の絵を描いてくださいました。今年はそれを旗印に上映をしていきたいと思います。
また「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」の上映が始まります。この2本の映画を、今、この時期に上映することはとても意味があることと思っております。
ぜひ劇場で、大きな映像と音響に包まれて、今年も「野火」を体感くださいませ。
塚本晋也
【黒田征太郎氏から塚本監督へのメッセージ】
塚本晋也 様
『野火』の上映の場に参加させていただくことになりましてウレシイです。
卒直に反応させていただきます。
僕にとっての戦爭とはナンダです。
出征兵士の征を父親からかぶせられて戦場化したニッポンで生きてきました。
現在八十七才ですがいまだセンソーは僕の体のそこかしこにつきささっております。
しょうじきに僕の戦爭を話したいと考えています。
黒田征太郎
【「野火」あらすじ】
第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。
日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そしてはてしない原野を彷徨うことになるのだった。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは…。
【作品情報】
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野火
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