マーベル・スタジオが放つ待望の新作「アベンジャーズドゥームズデイ」が12月18日、日米同時公開される。「アベンジャーズエンドゲーム」(19)でアイアンマン役を引退したロバート・ダウニー・Jr.が、宿敵ドクター・ドゥーム役で電撃復帰を果たす他、人気ヒーローたちも再登場し、大きな注目を浴びている。
フェーズ1~3「インフィニティ・サーガ」に続き、フェーズ4からは「マルチバース・サーガ」が始動。新世代ヒーローの投入や世界観の再構築が推し進められた。一方、ディズニープラス向けドラマシリーズとのクロスオーバーによる製作本数の急増や、コロナ禍によるスケジュールの大幅な変更で、混沌とした状況に陥る瞬間も。ぜひ、この機会にフェーズ4の長編映画で、タイムラインや人気キャラクターの動向を確認したい。
●1.「ブラック・ウィドウ」(2021)
スカーレット・ヨハンソン演じるナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウが単独で主役を務めた作品で、孤高の暗殺者だったブラック・ウィドウがなぜ、アベンジャーズになったのか、知られざる物語が明らかにされる。物語の時代設定は「シビル・ウォーキャプテン・アメリカ」と「アベンジャーズインフィニティ・ウォー」の間で、ブラック・ウィドウが、アベンジャーズから離れていた時期に起こった出来事を描く。
妹のエレーナ(フローレンス・ピュー)とともに、スパイ組織「レッドルーム」で暗殺者として育てられ、数多くの罪を犯してきた“過去”の贖罪をテーマに、超人的なパワーを持たないブラック・ウィドウが、アベンジャーズという血縁を問わない家族と出会い、最終的には「アベンジャーズエンドゲーム」で、“未来”のために自己犠牲を選んだ心情がより鮮明に浮かび上がるのが、本作の特徴だ。
●2.「シャン・チーテン・リングスの伝説」(21)
最強の力を持ちながらも、それを封印してきた心優しきシャン・チー(シム・リウ)は過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らしていた。しかし、犯罪組織を率いる父親ウェンウー(トニー・レオン)が伝説の腕輪を操って、世界を脅かそうとしたため、その陰謀に巻き込まれ、父親仕込みの力の解放を余儀なくされる。
過去にスポットをあてた「ブラック・ウィドウ」に対し、本作はフェーズ4を告げる現代の物語だ。MCU作品で、アジア系の俳優が主演を務めるのは初めて。「ブラック・パンサー」と並び、文化の多様性に基づく神話的なテイストが持ち味になっている。また、「アイアンマン」シリーズなど、これまでのMCU作品で名前が登場していた犯罪組織「テン・リングス」の謎も明らかに。父親の影から逃れ、アイデンティティを模索する主人公の姿も共感しやすく、全体的にバランスの良い作品に仕上がっている。シャン・チーは「アベンジャーズドゥームズデイ」にも登場する予定だ。
●3.「エターナルズ」(21)
「アベンジャーズエンドゲーム」後の世界を舞台に、はるか昔から地球に存在し、人類を見守ってきたヒーロー集団「エターナルズ」が、新たな脅威に立ち向かうべく再集結する。10年ぶりのアクション作品参戦となったアンジェリーナ・ジョリーをはじめ、ジェンマ・チェン、リチャード・マッデン、キット・ハリントン、本作がハリウッドデビューとなるマ・ドンソクらが出演している。
「ノマドランド」でアカデミー賞に輝いたクロエ・ジャオ監督が、ヒーローたちが見守った大自然を、よりリアルに捉えるために、ロケーション撮影にこだわり、撮影が難しいとされるマジックアワー(日没前、日の出後に数十分程体験できる薄明の時間帯)を狙うなど、これまでのMCU作品になかった映像美を追求。多様性に富んだヒーローたちの活躍と、彼らが投げかける哲学的な問いが、MCUの世界観を宇宙規模、神話規模に大きく拡大させた。
●4.「スパイダーマンノー・ウェイ・ホーム」(21)
「スパイダーマンホームカミング」「スパイダーマンファー・フロム・ホーム」に続く、MCUに属するトム・ホランド主演「スパイダーマン」シリーズの第3弾。「アベンジャーズインフィニティ・ウォー」「アベンジャーズエンドゲーム」でも共闘したドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が登場する。
正体が暴かれてしまったピーターは、ドクター・ストレンジに助力を求め、魔術の力で自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが……。
MCUにおける“マルチバース”の概念が一気に加速。ソニー・ピクチャーズとの権利調整の結果、歴代ヴィランの登場に加えて、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドがそれぞれ演じたピーター・パーカー/スパイダーマンも参戦し、3人のスパイダーマンが時空を超えて共闘した。
同時に「アイアンマンの後継者」「アベンジャーズの若手」という文脈で描かれてきたホランドによるスパイダーマンは、さまざまな試練を経て「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というテーマを体現。「アベンジャーズドゥームズデイ」に先んじて、今夏公開される「スパイダーマンブランド・ニュー・デイ」では、孤独と責任を背負った1人のヒーローとしての活躍に期待が寄せられる。
●5.「ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス」(22)
元天才外科医で最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の活躍を描く「ドクター・ストレンジ」シリーズ第2作。一連のMCU作品で活躍してきたストレンジが、禁断の呪文によって時空を歪ませてしまったことによって直面する、かつてない危機を描く。
マルチバースの扉を開けてしまったストレンジは、世界を元通りにするため、さまざまな別世界を往来。カオスな旅路の果て、自分とまったく同じ姿をした“もうひとりのストレンジ”に遭遇する。別世界で人類救済に失敗し“闇落ち”した邪悪なストレンジが、恐るべき脅威として立ちふさがる。
「スパイダーマンノー・ウェイ・ホーム」から続くマルチバースの概念を正面から深掘りし、視覚化。フェーズ4が、その後フェーズ5~6でも展開される「マルチバース・サーガ」の序章であることを強く印象付けた。
マルチバースを自由に行き来できる能力を持つ新キャラクター、アメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)の登場も重要。彼女が次元の壁を越えて、アース838にたどり着いたことで、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック、チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXが将来のMCUに統合されることを示唆していた。実際に25年に「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」が公開。プロフェッサーXは「アベンジャーズドゥームズデイ」でMCUに初登場することになっている。
●6.「ソーラブ&サンダー」(22)
クリス・ヘムズワース演じる雷神ソーの活躍を描いた「マイティ・ソー」シリーズ第4作。「アベンジャーズエンドゲーム」後の世界を舞台に、「神殺し」の異名を持つ悪役ゴアとの戦いを描く。サノスとの激闘後、自分を見つめ直し、いつしか戦うことを避けるようになったソーの前に、神々のせん滅をもくろむ最悪の敵、神殺しのゴアが出現。そこへソーの元恋人ジェーンが、ソーのコスチュームを身にまとい、選ばれた者しか振るうことができないムジョルニアを手に取り現れる。
ジェーン役のナタリー・ポートマンが、シリーズ第2作「マイティ・ソーダーク・ワールド」以来、およそ9年ぶりに本格的にMCU作品に復帰。ゴアを演じるクリスチャン・ベールや、ラッセル・クロウといった豪華キャストも新たに出演している。
マルチバースの概念からは距離を置き、ソーの人間的な成長や“愛”を描いた本作は、前作「マイティ・ソーバトルロイヤル」から続投するタイカ・ワイティティ監督が、持ち前のポップなコメディ要素を発揮した仕上がりに。見どころは満載だが、独自色が強く、いまだ方向性が定まらないフェーズ4の混沌を象徴する作品にもなった。
●7.「ブラックパンサーワカンダ・フォーエバー」(22)
「ブラックパンサー」の続編で、フェーズ4最後の長編映画。主人公ティ・チャラ/ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年8月に死去したが、代役を立てずに製作した。
国王ティ・チャラが病により命を落とし、悲しみに包まれるワカンダ。先代国王の妻で、ティ・チャラの母でもあるラモンダ(アンジェラ・バセット)が玉座に着き、新たな一歩を踏み出そうとした矢先、新たな敵となる海の帝国タロカンの脅威が迫っていた。ワカンダ王国の王女で、ヴィブラニウム工学の天才科学者・発明家でもある妹シュリ(レティーシャ・ライト)は、自身の運命と向き合い、ある決断を下す。
「アベンジャーズエンドゲーム」がもたらした“喪失”がフェーズ4のテーマだったが、ボーズマンが期せずしてこの世を去ったことで「ブラックパンサーワカンダ・フォーエバー」は、王位を継承するシュリの怒りや悲しみ、それらを受容し前進する姿を丁寧に描き、フェーズ4を美しくエモーショナルに完結させた。
また、リリ・ウィリアムズ/アイアンハート(ドミニク・ソーン)ら新世代ヒーローの登場や、ワカンダに眠る貴重な鉱石ヴィブラニウムをめぐる国際的な緊張の高まりなど、フェーズ5への布石を打った橋渡しの役割も果たしている。
【作品情報】
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アベンジャーズドゥームズデイ
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