日本株の乱高下が止まらないなか、めげずに投資を続けている人もいる。過去に投資詐欺の被害に遭った大塚佳代さんもその一人。
何気なくスタートした投資家生活
大塚さんが投資を始めたのは2012年の時。保険会社の知人に勧められて、ドル建てのリタイアメント・インカム(米国ドルで一定期間の死亡・高度障害の保障と、老後の生活資金を同時に確保できる保険)を購入した。
「当時は1ドル80円ぐらいだったかな。円が強かったので、リタイアメント・インカムをやっておくと、為替の影響で良い金額になると知人に教えてもらいました。毎月貯金していた8万~10万円のうち、約3割でリタイアメント・インカムを購入することにしたんです。
また、株主優待の制度を知り、優待目的で愛用していた化粧品メーカーと飲食チェーンの株を100株ずつ購入しました。当時は貯金が300万円ほどあったのですが、株の購入に100万円ほどを使いましたね。一時期、購入した銘柄の株価が上がることもありましたが、100株だけですし、株主優待が受けられなくなるので売りませんでした(笑)」
投資詐欺に遭い200万円もの被害に!
2019年、そんな大塚さんに転機が訪れた。
「親しい友人に、仮想通貨をAIで運用する投資に誘われたんです。冷静に考えると怪しいのですが、紹介してくれたのが信頼していた人だったこともあり、私は疑いもしませんでした。そのころは貯金が600万円に増えていましたし、ドル建てのリタイアメント・インカムが400万円になっていたこともあって、友人に200万円を預けたんです」
運用資金は教えられたアプリで確認できていたというが、配当が始まる前にアプリが使用できなくなるという不測の事態に。
「友人に聞いてもわからないというばかり。すると、ニュースに取り上げられて私が参加していたのは投資詐欺であると知りました。集団訴訟に参加しないかと誘われましたが、裁判はお金も時間もかかります。200万円は高い勉強代だと割り切って諦めました」
投資のプロに教えを請うも…
200万円もの詐欺に引っかかったことで、むしろ投資熱が高まったという大塚さんは、すぐに投資のプロに教えを請うことに。
「プロが教えてくれた銘柄を買うだけでしたが、これがおもしろいぐらいに当たるんです。1回目は半信半疑でしたが、2回、3回と利益が出て100万円ほどの利益が出たときは、完全に調子に乗っていましたね(笑)」
だが、当然ながら勝つときもあれば負けるときもある。
「4回目に勧められた銘柄は株価がなかなか上がらなくて、プロの方に『損切りしてください』と言われました。でも、素人だった私は『損をしたまま終われない』という気持ちが強くて、損切りに踏み切れなくて……。仕事にも支障をきたすようになり、心配した友人が私の代わりに株の売却ボタンをクリックしてくれました」
このときの負債額は120万円ほど。100万円の利益を出していたとはいえ、プロの顧問料を合わせると、30万円ほどマイナスとなった。
失敗して気付いた「人任せにしてはダメ」
人任せにするのもダメだと痛感した大塚さんは、2020年から投資の勉強を本格的にスタートさせる。
「SNSやYouTubeで気になる投資をチェックして関連書籍を読み漁り、2020年の夏から信用取引を始めました。この投資に関しては、損はしていないけど、得もしていない状況ですが、続けることが勉強になると考えていまでも100万円ほど運用しています。
また、2022年から売りと買いの両方のポジションを持ち、適宜利食いをする波乗り投資法を始めました。最初の6か月は元金50万で利益は4.3万円(年利17%)でしたが、実際に運用してみたところ、考える時間が十分にあって損切りもしなくていいところが私にピッタリだなと思って。別の銘柄に切り換えて1年取引したところ、元金200万円で利益は91万円(年利45%)になりました」
不安な老後に備えて、これからも投資を続けていくという大塚さん。知り合いに投資の相談をされたときは、次のようにアドバイスをしているという。
「若い子には新NISAを勧めています。10年、20年と積み立てることができれば増えるので、貯金するなら投資に回したほうがいい。それに円だけで資産を持つのは怖いので、米ドル株を購入して、株だけでもドル建てしたらと伝えていますね」
【黒田知道】
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