僕青・今井優希が語るアイドルとして“突き抜けない”を貫く理由

今井 優希(いまい ゆき)

僕青・今井優希が語るアイドルとして“突き抜けない”を貫く理由

6月20日(土) 8:51

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「僕が見たかった青空」、2023年6月15日に乃木坂46の公式ライバルとして結成したアイドルグループ(通称:僕青)だ。

同グループはセカンドシングル以降、シングル選抜システムを採用。メンバー21人(1名活動休止中)は、表題曲やメディア出演をしていく選抜の「青空組」と、ライブなどを中心に活動する「雲組」の2つのチームに分かれて活動してきた。

この連載「あの日夢見た雲組」は、12月17日リリースの7枚目シングル「あれはフェアリー」で活動していた雲組メンバーが何を思うのか。現在進行中の全国ツアー2026春の公演の振り返りとともに、彼女たちの今に注目していく。

「人の長所を見つけられる」ハッピーガール

6月15日、僕青は結成3周年を迎えた。当日行われたYouTubeの生配信で、今井優希はメンバーへの想いが溢れた手紙を読み上げた。

「この3年間、楽しいことだけじゃなくて、悔しいことやうまくいかないこともたくさんあったけど、いつもみんなが明るくしてくれたり、何気ない一言で救われたりしています。輝き続けているみんなのことを誇りに思うし、アイドルになってくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。これからも、みんなで一緒に幸せになりましょう!」



彼女が笑顔を見せると、メンバーも自然と明るくなる。特技は、「人の長所を見つけられること」。グループのなかで、ハッピーガールの愛称で親しまれるのが、今井だ。

5月2日、全国ツアーの大阪公演がGORILLA HALL OSAKAで開催された。前回ツアーと同じ会場。去年より観客が大きく増えることがなかった。その悔しさも感じていたが、20人で気持ちを切り替えてステージに上がろうと本番前に話し合った。

「来てくださってるお客さん一人一人は、時間とか労力をかけてくださってることは変わりがない。だから、目の前の方をまず笑顔にしてから、悔しい気持ちをまたバネにして頑張ろうと」

大阪公演では特別な瞬間もあった。2部(夜公演)で披露した雲組楽曲『青春の旅人よ』は、自分の名前がコールに入っている曲だ。

「最初はファンクラブ配信の身内ネタぐらいの感覚で始めたコールが、こんなに大きくなって、全国ツアーの会場で『い・ま・い・ゆ・き!』と大勢のファンの方にコールしてもらえることが嬉しかったです」

自分自身が楽しんでるところを見てもらいたい

その1週間後、5月9日。全国ツアーのセミファイナル公演が、地元・愛知で開催された。

「愛知公演は毎回お客さんの盛り上がりがすごいんです。皆さんの声援が全公演で一番だったんじゃないかなと感じるぐらい、一体感を感じた公演でした」

また、今回のツアーでは各会場で、横断幕にファンが僕青に向けてのメッセージを寄せ書きした。彼女はステージ袖で待機中に、その横断幕に込められた言葉に目を通していた。

「手書きの文字だから温度も感じますし、涙が出るぐらい嬉しかったです。『君と見た空は』でその横断幕と一緒にパフォーマンスしているときには、たくさんの方に支えられてここまで来れたんだなって。愛知公演はアンコールで『初めて好きになった人』を追加で披露したんですけど、私たち知らなかったんですよ。(杉浦)英恋がいきなり「もう一曲やりたいよね~」と言い始めて。

なので終演後、疲れ切ってステージを降りて、全員が英恋に向かって『事前に言っといて!』みたいな(笑)。それも含めて、セミファイナルらしい特別な公演になりました」

今井はセカンドシングルから7枚目まで雲組として活動してきた。雲組単独公演で経験を積んだからこそ、ライブを心から楽しめるようになった。

「ステージに立ったら、自分自身が楽しんでるところを皆さんに見てもらいたい。いい意味での余裕も出てきて。握手会でファンの方にも、『バレエを生かしたしなやかなダンスが、ゆきっちらしいね』と褒めてもらえるようになりました」

泣き顔を見せないのは「心配かけたくない」から

聞き上手な彼女の周りにメンバーが集まって、いつしか相談役になることも多い。

「私、メンバーの話を聞くのが大好きなんです。アイドル活動をしているとどんよりした話題が入ってくるときもあるじゃないですか。そういうときに、さりげないひと言や話題を提供してグループの雰囲気を明るくしたいんです」

その一方で、自分の悩みは人にあまり話さないそうだ。

「自分の中で答えが決まってから相談したいタイプなんです。悩んでる時に誰かに相談しても、言われたくないようなアドバイスが入ってくると、自分が揺らぐ気がして。悩んでも1人で解決するタイプかなと思っています。だから、カメラの前では一度も泣いたことはないんじゃないかな。そういう姿を見せたら『どうしたの?』ってなるじゃないですか。ファンの方にも心配かけたくないから」

伝えたい思いがあるときは、冷静に考えをまとめて整理してから文章でブログに綴る。

「普段の喋り方も明るいので、自分の感情を出してしまうと勘違いされやすいって思うようになったから、そのときには言わなくなったのかもしれないです。冷静になって書いた文章のほうが私の意図や気持ちがちゃんと伝わると思っているので」

根はネガティブでマイナスに考えてしまう性格だが、僕青に加入してからメンバーに「そこまで考えてるなんて繊細だね」と指摘されるまで自覚はなかったという。

「学業との両立」にはメンバーのサポートも

子供の頃は好奇心旺盛だった。アイドルに初めて触れたのは、AKB48が好きな親戚に誘われて行ったナゴヤドームで開催された握手会。渡辺麻友の輝きに目を奪われた。でも、自分がアイドルになれるとは思っていなかった。

その後、高校で将来の進路を考えるうちに、ある疑問が浮かんできた。「同じクラスメイトや先生としか関わっていなくて、そういう限られた環境の中にいて、将来の夢やなりたい職業、こういう大人になりたいというものが本当に見えてくるのかなって」。友達のように付き合う4歳上の姉がその話を聞いて、妹に内緒でアイドルオーディションに応募していた。

「お姉ちゃんはリーダー気質で外交的なタイプ。『外の世界を見てきなさい』っていう意味だと思う。家族のみんな、まさか受かると思っていなかったですけど(笑)」

高校卒業後は、社会福祉を学ぶために留学することも考えていた。現在は、僕青のなかで唯一、大学の国際学部で学びながらアイドル活動を続けている。

「両親との約束で、大学を卒業することが僕青加入の条件でした。学んだことをステージ以外の仕事で発揮できる場所があるかもしれないですし、社会福祉を学ぶために海外留学する夢もいつか実現したいと思っているので」

しかし、学業との両立は簡単ではない。テスト期間とレッスンが重なり、レッスンに参加できずにメンバーに申し訳ない気持ちを抱えるときもある。

「今年まで同じように学業と両立してきた長谷川稀未ちゃんは、私が授業でレッスンに遅れていったときに、その日にやった内容のレッスン動画に文字を入れて編集したものを送ってくれました。気に掛けてくれていて、本当に優しいですよ。周りのメンバーに迷惑をかけてしまうこともあるんですけど、自分の道を選択させてもらったからには強い意志を持ってやり遂げたいと思っています」

「僕青の今井優希」としての役割

結成当初から支えているスタッフから、今井優希の課題について聞いたことがある。「今井は青空組にいても雲組にいても頭が良いから平均点は出せる。でも、そこからなかなか突き抜けられていない」。そのことを本人に伝えると、黙って、数回うなずいて答えた。

「そうですね、良い意味でも悪い意味でも周りを見ちゃうので……。突き抜けるっていうのは、集団のなかで目立つっていうことになるじゃないですか。アイドルとして居させてもらってこんなことを言っちゃいけないんですけど、まだ抵抗があるというか……。

家族や友達に対しては、こういうことをしたいっていう主張はするタイプなんですよ。でも僕青は人数も多いし、僕青の今井優希としているときの役割はそこじゃないなって勝手に思っているので。だから、そういう動きになっているのかもしれない」

個性よりもグループにおいて自分に求められている役割をまっとうする。末っ子気質で、先頭に立つより人についていくのが好き。「突き抜けられない」のではなく、「突き抜けないことを選んでいる」ほうが正しいのかもしれない。

そんな彼女だが、昨年8月に20歳になって心境の変化を感じている。上京後、近くの商店街の八百屋に行って、自炊も始めた。人生のモットーは「小さなことに感謝」。お風呂が温かい、ご飯が美味しい──そんな些細なことに幸せを感じられる心の余裕を持ち続けたいという。

「東京はキラキラした街なので、そういう地元に根付いた雰囲気の商店街を歩いていると安心するんです。いつも学校と仕事の合間に時間がちょっとあるので、その時間に銭湯行ったりとか、一人ご飯行ったりとか、すきまの時間に行ってるんですよ。その時間に人生の幸せが詰まってるなって。おばあちゃん同士で背中を洗い合っていたりするといいなってほっこりしますね」

未来でも「輝かしい年齢」を更新し続けたい

8枚目シングルが全員歌唱と発表されたとき、珍しく複雑な気持ちをブログに明かした。選抜システムへの想い、葛藤、アイドルでいる自分を見つめ直すきっかけにもなった。

「私がアイドルでいる意味は、周りの人を幸せにしたいという気持ち。楽しいだけじゃ続かない職業でもあるので、真面目に頑張っている姿を見て、『優希ちゃんが頑張っているなら自分も頑張ろう』と思ってもらえるような存在でいたい」

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好きな彼女。作中に出てくる自動車型タイムマシンのデロリアンに乗れるとしたら、過去と未来、どちらに行きたいのだろう。

「過去は後悔なく生きてきたので。20歳とかって振り返ってみると人生のなかで輝かしい年齢だっていわれるじゃないですか。それをどんどん更新し続けたいなって思うんですよ。だから、未来を見たい」

6月20日には結成3周年記念 僕が観たかった『青空野外』ライブ2026、その先には4年目の僕青へと続いていく。

「3年間の歩みのなかでファンの皆さんがついてきてくれて、応援していて悔しさを感じさせてしまったこともあったと思います。4年目、5年目ともっと僕青が大きくなってファンの方もたくさん増えていってほしいですし、今井優希を通じて発信することでも、僕青を応援していてよかったなと思ってもらえるグループでいたい。メンバーや家族、友達、私に関わってくれている人たちへの感謝も忘れずにいたいですね」

過去を振り返らず、小さなことに感謝し、目の前の幸せを全力で追いかける。

それが、ハッピーガールと呼ばれる今井優希の「突き抜け方」なのかもしれない。

【今井 優希(いまい ゆき)】
2005年、愛知県生まれ。ニックネームはゆきっち。2023年6月15日に結成したアイドルグループ「僕が見たかった青空」(通称「僕青」)のメンバー。結成3周年を迎えるタイミングで、6月3日に8thシングル「FUNKY SUMMER」をリリース。6月20日には河口湖ステラシアターにて「結成3周年記念 僕が観たかった『青空野外』ライブ2026」、さらにデビュー3周年となる8月30日には「アオゾラサマーフェスティバル2026」の開催を控える。最新情報は公式HPをチェック。今井の公式instagram:@imai.yuki_bokuao



<取材・文/吉岡 俊撮影/星 亘>



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