塩見三省、第35回日本映画プロフェッショナル大賞で特別功労賞「映画が私の支え」

塩見三省、第35回日本映画プロフェッショナル大賞で特別功労賞「映画が私の支え」

6月20日(土) 21:30

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「第35回日本映画プロフェッショナル大賞」授賞式が6月20日、テアトル新宿で開催され、主演男優賞を受賞した毎熊克哉、主演女優賞を受賞した井川遥をはじめ、特別功労賞の塩見三省ら受賞者たちが一堂に会した。杖をつきながら登壇した塩見は「映画が私の支えでした」としみじみ語っていた。

「日本映画プロフェッショナル大賞」は、総勢32人に及ぶ“映画界のプロ”で構成された選考委員による投票で、2025年劇場公開の邦画作品から優秀作を決定する賞。

毎熊が主演男優賞を受賞した「桐島です」は、1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を映画化。

毎熊は「このような賞をいただき、大変光栄に思っております」と挨拶すると「僕が21歳で、役者を本当に始めたばかりの時に、高橋伴明監督の『禅 ZEN』という映画にエキストラで出演したことがありました。それが僕にとっての初めてのプロの映画の現場でした」とメガホンをとった高橋監督との縁を明かすと「この賞を手にして思うのは、高橋伴明監督のもとに集まった本当に超一流のスタッフの皆さんが用意してくださったその環境がなければ、桐島という人物を自分はやることができなかったなと思っています」とチームへの感謝を述べていた。

そんな毎熊が主演を務めた「桐島です」は、作品賞も受賞。この日は、製作総指揮を務めた長尾和宏と脚本を担当した梶原阿貴、そして高橋監督の盟友という俳優の奥田瑛二が登壇すると、高橋監督の偉大さを面白おかしく述べていた。

井川は主演女優賞を受賞。対象作となった「平場の⽉」は、大人の男女の心の機微を繊細に描き、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名恋愛小説を、堺雅人主演、井川遥共演で映画化。中学時代の初恋の相手同士が時を経て再会し、ひかれ合っていく姿を描いた作品だ。

井川は「劇中、私が演じた須藤葉子のセリフのなかに『夢みたいなことをね、ちょっと』という照れ隠しに言うセリフがあるのですが、まさに今日が私にとって夢のような時間です」と語ると「役者を始めてもうすぐ四半世紀になると思うのですが、まさかここまで続けられるとは想像も出来ませんでした。また人生の中で結婚ですとか子育てというものがあって、少し逸れたところで自分の人生を歩んでいる時間も長かったのですが、ただそれが全部ひだになって、役の上では核になっていくという感覚を最近、50を目前にして感じました」とすべての経験が演じることに結び付いていると実感する日々だという。

続けて井川は「これからの私の人生が、映画の中で息づいていくように今後も精進してまいりたいと思います」と意気込むと、プレゼンターとして登壇した土井裕泰監督は「俳優さんとしてどんどん自由になられている感じがあるので、これからいろんな作品に挑戦していく井川さんを見ていきたいなと思っています」とエールを送っていた。

特別功労賞は、映画「平場の月」などに出演した塩見が受賞。塩見は2014年に大病を患い、この日は杖をついて登壇。塩見は「こうして立っていられますことを、心底うれしく思います」と挨拶すると「病に倒れて、それからこのようなままならない体になって10年が経ちました。私の周りから、いろんなもの、いろんな人が消えていきました。ある種もう孤立したんです」とつぶやく。

続けて塩見は「病から1年後、ある映画からこの体にオファーがありました。苦しい思いはありましたが、それから10年の間、毎年映画からお誘いが続きました。私の唯一の居場所としての、毎年1本2本の映画が、どれほどの私の支えになり、励みになりましたことか……」とゆっくりながらも強い視線で語ると「この一年(『劇映画孤独のグルメ』の監督である)松重豊さん、そして『平場の月』の土井さんが私の新しい世界を切り開いてくれました。この受賞は、私がその新しい世界に思い切って舵を切ったことが、皆さんに認められたものだと思っています」と誇らしい表情を見せると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。

<以下、受賞ラインナップ>

▼2025年 ベストテン
1位「桐島です」
2位「遠い⼭なみの光」
3位「宝島」
4位「ふつうの⼦ども」
5位「悪い夏」
6位「アジアのユニークな国」
7位「⾒はらし世代」
8位「愚か者の⾝分」
8位「海辺へ⾏く道」
9位「今⽇の空が⼀番好き、とまだ⾔えない僕は」
10位「フロントライン」
(※8位は2作品)

▼2025年 個⼈賞
作品賞:「桐島です」
主演⼥優賞:井川遥(「平場の⽉」)
主演男優賞:毎熊克哉(「桐島です」)
監督賞:根岸吉太郎(「ゆきてかへらぬ」)
新⼈監督賞:団塚唯我(「⾒はらし世代」)
特別賞:「アジアのユニークな国」製作チーム
(「アジアのユニークな国」、⽇本映画に新⾵を起こしたことに対して)
特別功労賞:塩⾒三省
(「平場の⽉」、「劇映画 孤独のグルメ」及び、⻑年の功績に対して)

【作品情報】
平場の月

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