新日本プロレスがテレビ朝日の連結子会社へ。棚橋弘至社長が明かす“大政奉還”の真意…「単なる親会社の交代ではない」

最近、仕事を終えてから、飲みに行くのが新習慣に……(やせない) ©新日本プロレス

新日本プロレスがテレビ朝日の連結子会社へ。棚橋弘至社長が明かす“大政奉還”の真意…「単なる親会社の交代ではない」

6月20日(土) 15:43

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新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「新日本プロレスの転換期」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)

vol.75 “連結子会社化”で、新日本が新たなる転換期へ突入

新日本プロレスが、大きな転換期を迎えました。

’12年から14年間にわたり団体を支え、低迷期からのV字回復。今年の僕の引退試合では、観衆4万6913人を記録し、28年ぶりとなる東京ドーム超満員札止めを達成した、ブシロード体制が終わりを迎えます。

6月30日付で、ブシロードが保有する全株式がテレビ朝日とサイバーエージェントに譲渡されることが発表され、新日本プロレスはテレビ朝日の連結子会社としてリスタートを切ることになりました。

ブシロードの木谷高明社長が「大政奉還」と表現し、「これ以上ないベストオーナーのもとへ未来を託す」と語ったこの歴史的決断は、単なる親会社の交代にとどまりません。

それは、旗揚げ54周年を迎えた老舗団体がさらなるグローバル展開と、デジタル領域での多角化へ踏み出すための「進化」と言えます。

テレビ朝日グループへの参入がもたらしてくれる最大の可能性は、地上波メディアの圧倒的な拡散力と、蓄積された膨大な「映像資産」の最大活用にあります。

かつて日本中を熱狂させた金曜夜8時のゴールデンタイムのような、一般層への強力なアプローチが再び現実味を帯びてきます。

また、ウルフ アロンや今のトップレスラーたちのテレビ露出を増やし、お茶の間の知名度が格段に上がれば、ファン層の裾野は一気に広がるはずです。

そして、この新体制をさらに強固にするのが、同じくパートナーとなったサイバーエージェントの存在です。

テレビ朝日とサイバーエージェントが共同運営する動画配信プラットフォーム「ABEMA」との本格的な連動は、プロレスの視聴体験を、これまでリーチすることのなかった次世代へと大きく広げてくれそうです。

最先端のデジタルメディア運営ノウハウを掛け合わせることで、国内外のファンに向けた、よりハイクオリティな、ライブ配信体制の強化が期待できます。

これまで新日本プロレスが築き上げてきた歴史や選手たちのIP(知的財産)価値が、最先端のデジタル戦略によって世界へ向けて最大化されていくのです。

近年、主力選手の退団など、団体を取り巻く環境は決して平坦ではありませんでした。

しかし、僕の「最高のリングを作って楽しんでいただく」という使命は変わりません。

テレビの持つ「大衆性」と、ネットの持つ「即時性・世界性」を両輪に、新たな最強タッグがここに結成されたと思っています。

昭和の熱狂。

平成の復活。

それらを経て、令和のプロレス界にどんな景色が待っているのか――?

新日本プロレスの未来は、これまで以上に明るく、そして、その「進化」は止まることはありません。

今週のオレ社訓~This Week's LESSON~

テレビの「大衆性」と、ネットの「即時性・世界性」を武器に、さらなる進化を!

<文/棚橋弘至写真/©新日本プロレス>

【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」

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