日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』をレビュー!

高齢化社会が抱える闇をリアルに描いた背筋も凍る衝撃の問題作!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』をレビュー!

6月19日(金) 17:00

提供:
日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。ケアハウス・ソリッドサイコスリラー!***

『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』

評点:★4点(5点満点) ©2024 Hyenas Rule Ltd.

©2024 Hyenas Rule Ltd.



人生の終わり近くに待ち受ける現実的な恐怖「終の棲家」としての介護施設に、周囲を威圧し、悪意を持っていじめを繰り返し、陰湿な暴力をも辞さないモンスター老人がいたとしたら......

という恐怖を描いたホラー映画が本作だが、これが荒唐無稽な物語に見えないのは我々が既に超高齢化社会を生きているからである。

最近は実際に起こった介護職員による虐待や暴力のニュースを耳にすることも珍しくないが、施設の入所者同士のいさかいや暴力はなかなか表に出ない。

本作はその間隙を突いて恐怖の物語を紡ぎ上げる。

その中心となるのはジェニー・ペンと名付けたハンド・パペットを片手に他の老人に嫌がらせをしまくる老人デイヴ(ジョン・リスゴー)だが、ホラー要素はそれだけではない。

身体の自由が利かなくなること、認知能力が徐々にしかし確実に低下してしまうこと、妄想と現実の区別が曖昧になり、周囲からまともにとりあってもらえなくなること......

人生の終わり近くに待ち受ける現実的なあれこれが本作ではすべて恐怖の対象となる。

主人公(ジェフリー・ラッシュ)は元・判事という設定だが、権威や権力という後ろ盾を失い、一介の介護施設入所者となった彼が孤立無援状態なのも皮肉が効いていて良い。



STORY:正義感が強く、法を守る強い信念とプライドで長年判事を努めてきたステファンに訪れた突然の悲劇。病に倒れ、車椅子生活を余儀なくされた彼は郊外のケアハウスに入居する。だが、そこにはジェニー・ペンという名の指人形を手にいじめで老人たちを支配するデイヴという1人の入居者がおり、ステファンはいじめの標的にされてしまう。エスカレートする邪悪な行為。正義のために戦い続けてきた男の人生最後の戦いは、想像を絶する死闘と化していく...

監督:ジェームズ・アッシュクロフト

出演:ジェフリー・ラッシュほか

上映時間:104分

全国公開中



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